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食を通じたコミュニケーションの場作りについて

緊急事態宣言が解けてから、講演のお話をいただく機会が増えてきました。今回は、復興庁主催FW:東北 Fan Meeting 「社会の危機から考える子どもたちの新しい学びの場とコミュニティ」に登壇させていただきました。
以下、当日お話したことを抜粋しました。

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例年は、東京で開催されているイベントですが、今回は昨今の事情により、オンラインでの開催となりました。
興味のあるイベントやセミナーがあっても、地方に住んでいると東京までいくのは大変ですが、オンラインだと移動にかかる時間や費用も省くことができるので、気軽に参加することができますよね。これは、コロナがもたらしたちょっとだけよかったことかもしれません。
今回は、過去最大の人数での開催だったそうです。

福島でフリースクールを主催されている、江川和弥さんがコロナ禍における子どもたちの現状やフリースクールでの活動についてのお話しのあと、「食を通じたコミュニケーションの場作り」というテーマでちょいみせキッチンのこれまでの取り組みについてお話させていただきました。

**食を通じたコミュニケーションの場作り

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ちょいみせキッチンでは、料理を作って食べるENTAKU(えんたく)キッチンというイベントを開催していました。例えば、パエリアを一緒に作って食べるパエリアの日やちゃんちゃん焼きの日、岐阜県の郷土料理である、鶏ちゃん(けいちゃん)の日など様々な作って食べるイベントを開催してきました。

鶏ちゃんについて馴染みのない方もいらっしゃると思いますので、説明をしますと、しょうゆや味噌をベースにしたタレに漬け込んだ鶏肉をキャベツなどといっしょに焼いて食べるシンプルな料理です。

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スーパーではこんな感じで売ってます。

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鶏ちゃん合衆国というコミュニティも存在します。
http://keichan-us.com/keichan-info/
完全に余談ですが。

このように みんなで作って、食べます。

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東北地方ではおなじみの芋煮会の様子です。
屋内で芋煮会なんて、と怒られてしまうかもしれませんが、ちょいみせキッチンのある岐阜県では芋煮をする習慣がなく、SNSで告知すると多くの問い合わせがありすぐに満席になりました。
一緒に作ってくれたのは、山形出身の学生さんが教えてくれました。

初めて会った人同士の会話は、最初はぎこちないのですが、料理を一緒にすることにより、共同作業をしたという達成感や仲間意識が生まれることにより、食べる頃になると元々知り合いだったかのような関係になります。

更に食事の終わりかかるころには、家庭や職場の愚痴を話はじめます。これは元々私生活に関係のない、親密度の低い間柄であることで成立します。飲食店などのように食事をするだけの場では、ここまでの質のコミュニケーションは成立させることは難しく、共同調理があったからこそ発生したコミュニケーションといえます。飲食店などのように食事をするだけの行為ではここまでの質のコミュニケーションは成立させることは難しく、共同調理があったからこそ発生したコミュニケーションといえます。

子どもたちの場合、大人とは違いコミュニケーションの仕掛けなどしなくてもすぐに仲良くなることができるのですが、家に帰ってから今日こんな料理を作ったよ、こんなことしたよ。卵と牛乳と砂糖でアイスクリームを作ったよというように家族での会話が増え、お手伝いをして一緒に料理をするようになったと多くの参加者の保護者からの声が上がっています。

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また、ちょいみせキッチンで料理をしている時にも野菜の皮を剥きながら、家での話や学校での話をしてくれることがあります。対面で、「では、相談を始めましょう」と顔を合わせると緊張して話したいことも話せないという状況になるのは、大人も子どもも同じです。

食事をしながら、料理をしながらなど何らかのアクションを加え、リラックスした状態を作ることでポロっと会話をはじめることはよくあります。

社会的危機にもなっているコロナ禍においては、一緒に作って、食べるどころか集まることさえもできなくなってしまいました。

そこで急激に広がったのはオンライン飲み会です、オンラインでは、離れた場所で画面越しに一緒に食べることは出来ますが、身体的な感覚の共有ができません。詳しくはこちらの記事にあります。


集まることの制限が余儀なくされて、ENTAKUキッチンもオンラインで開催するようになり、これまでベーグルの会やカレーの会、モーニング会などを開催してきました。
例えばベーグルの会では、事前に材料を送り一緒に同じ材料で、同じタイミングでベーグル作りをスタートします。それぞれの自宅のオーブンなどの環境によって多少の誤差は出ますがほぼ同じものが出来上がります。そして、オンライン上で一緒に食べます。

このイベントにはたくさんの子ども達も一緒に参加しました。
オンラインでのイベントに参加して親子間でのコミュニケーションが増えたという声がありました。自粛生活で家庭内での閉ざされた空間の中で、子どもを些細なことで叱ったりしていたけど、他の家庭の様子を垣間見ることで冷静になったり、客観的に自分を見ることができたという声もありました。

新しい生活様式に基づき、徐々に日常を取り戻しつつありますが、わたしたちが自粛生活で得たものには。これまでの家族間のコミュニケーションを見直し、他者との繋がりの大切さを知るキッカケにものなったのではないでしょうか。

さらに詳しく質問したい、講演依頼などは以下
お気軽にお問い合わせください。
info@coneru.net

----7/1 13:40 追加しました----
当日の映像がYouTubeでアップされました。
自粛生活の後遺症か、人前で話すことがめっきりなくなって口が廻らず、テンション低めの語り口ですが、よろしければどうぞ。





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