こんなコミュニティにはしたくない〜有志アルムナイ名に「innovation」と入れた意図
ソニーグループの有志アルムナイの名称「Sony-Innovation-Alumni」にはinnovationという言葉をあえて入れています。
自身でも色々な会の運営に携わったり参加したりしてきた中で感じてきた、こういうのはイマイチだな、こうありたいな、という要素をその中に入れているのです。
本項では、こういう場にしたくないという例と、どうあり対価について、簡単に説明しながら、アルムナイのあり方について各人が考え、合意形成するためのきっかけにできればと思います。また、コミュニティをつくる人にとっての参考にもなろうかと思います。
昔はよかった(→未来志向)
過去の栄光にすがる集まりにしたくありません。昔話やら自慢話を聞かされる場に行こうと思う新しい人などいないでしょう。過去に学ぶことは大事ですが、過去の話をすることとは違います。
Innovationという言葉には、未来に目をむけ、新しいものを生み出す場にしたいという思いを込めています。
ソニー万歳(→謙虚)
自分の出身母体を自画自賛して他を下に見る発想も微妙です。出身母体は人を集めるための分かりやすいとっかかりであり、同じ体験や思考のベースがある方が入り口で安心しやすいという実利的な理由以上のものはありません。
異なる世界の人から学び合う文化を持つ場でありたいとの思いもInnovationという言葉に込めています。
内向き(→オープン)
同類相憐れむような内向きな集まりも居心地が悪いものです。
上で述べたように、同じグループ出身という切り口は機能的なものでしかありません。Innovationは異なる要素の新結合とも定義されています。せっかく色々な世界に進んでいる多様な人とつながることを促進したいと思います。
また、最近は非アルムナイに登壇してもらったり、他アルムナイとの合同イベントをしたりし始めているのは、外にも多様性を求めてのことです。
序列意識(→フラット)
会社を卒業してしまえば、誰もが1社会人として公平ですから、元の組織にあった「序列」を持ち込むべきではないでしょう(序列自体、そもそも論外ですが)。
特にソニーは、音楽、映画、ゲーム、金融など、事業分野は多岐にわたり、ビジネスも色々変化しています。多様な人材が対等な立場で、互いに刺激し合う場にしたいという思いも、Innovationという言葉に込めています。
なお、会社との取り決めもあり、派遣や業務委託などの人は、参加はできない点はご理解下さい。文化などを共有した人の集まりとする趣旨に照らし合わせても、どこかで線引きはしなければならないためでもあります。
情緒的なつながり(→オトナのつき合い)
個人的な付き合いの範囲で、好き嫌いがあるのは仕方ありませんが、会の公の場や運営に持ち込むと、新しく入った人には不快で愚かしい場に見えます。
お互いを尊重することで、安心して発言・行動できる、オトナな交流の場にしたいと考えております。
懇親やお勉強だけ(→実践と創造)
単なる親睦やお勉強だけの、ヒマつぶしと自己満足の場は、暇人ばかりになってしまいます。
言うだけでなく実行する場、時間を消費するだけでなく、そこから何かを生み出す場にしたいという思いも、Innovationという言葉に込めています。
過度な非営利・営利(→長期互恵)
イベントに参加するにせよ、運営や登壇で貢献するにせよ、時間を使う以上、何かしらの「実利」がなければ、わざわざ何かしようとは思えなくなるでしょう。
実利は、必ずしも経済的なものとも限りませんし、直近の、直接のものである必要もないですが、何かしら行くに値するものが感じられる場にする必要はあります。とはいえ、一方的な目先の利益ばかり求める人が集まる場では居心地が悪いもので、要はバランスが重要です。
長期的な信頼関係を前提に、お互いにも社会にも価値がある「三方よし」な取り組みをする場にしたいという思いも、Innovationという言葉に込めています。
形骸化(→実質的)
ボランタリーな活動でいきなり組織をつくり、実働しない人に立場や役割を割り当ててしまうと、活動が停滞したり、感情的な齟齬が生じたりします。
但し、動かない人が悪いわけではありません。ボランタリーな活動である以上、各人の関心に応じたベネフィットを見せられず、やりやすい仕組みや依頼ができない主催者にも原因がありますし、実際にやってみて、その辺の見極めができない状態で、役割などを割り当てる意思決定が間違っているのです。
この会では、実際に色々な活動をご一緒しながら、各人の動機・資質・制約などを相互に理解し、会として目指すことを共に考えながら、それぞれのできること、やりたいこと、やるべきことを整理して、実質的な活動にフォーカスする人の集まりにしていこうと考えています。
人に依存(→組織として持続)
「〇〇さんの集まり」と言われる会は長続きしません。中心となる人の人間関係に依存すれば、時間をかけてマンネリ化して、活性を失うからです。その人を好き嫌いで行く行かないも分かれ、派閥の集まりみたいになるのも不毛です。
プロセスやテンプレートなど標準化し、チームで適切に回せるようにして、持続可能な仕組みにしたいと思います。数年後には新しい主催者に引き継げるよう、文化も醸成し、新しい人も少しずつ巻き込みながら育成する必要もあるでしょう。
ご案内:有志アルムナイに入りませんか
まだ参加されていない方は、以下を読んでご参加下さい。ソニーグループOBOGのお知り合いがいれば、ぜひこちらをご案内下さい。
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