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主催者観点でのRemo体験記

本稿を書いた後、無料トライアルが1時間15分しか使えない最安のライセンスから、時間無制限の最上のものに変更になったり、ユーザーとして参加しても無料トライアル期限14日間のカウントが始まらなくなったりと、開発側でもユーザーの声を反映して、迅速に改善を進めているようです。
下記はあくまで執筆時点での情報とご理解ください。

ここ数日で急に拡散した感のある、ライブ動画交流ツール「Remo」。

Zoomは、参加者をグループに分けた際、グループ間の行き来がしにくいのに対し、Remoは以下のように、複数のテーブルを参加者が自由に動ける直感的なUIを持つのが特長です。

交流会にイマイチZoomが使いにくいという問題を解決する可能性として、オンラインシフトを進めるイベント主催者に注目を浴びつつあります。

<Remoの画面>

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本来、イベント主催は有償のライセンスが必要なツールですが、現在、登録後14日間は無料とあって、体験会を開くイベント主催者が相次いでいます。

私も早速1件参加してみたので、その体験記を共有します。

筆者について

私はリアルな講座を年200件実施する身であり、コロナ禍でリアルな講座の実施が不可能になる中、急速なオンラインシフトを試行している身です。
※「オンラインイベント&リモートワークの知見・情報をゆるり共有

13年ほどコミュニティの主催もしていて、交流会も多く開催してきたので、その知見も踏まえて書いてみます。

前提

・参加者としてツールを使った印象を、主催者観点も交えて書く
・参加時間は1時間程度、今回が初回
・参加者として参加、主催経験はなし
・用途は交流会を想定(説明会なども出来そうだが今回は対象外)
・Zoomのブレイクアウトとの違いを念頭に起きつつ記載

たった1回、下調べもなく突然参加したので、その程度とご理解下さい。

主催した人のレポートも出始めているので、詳細はそちらを見ると良いでしょう。

Zoomでの事前説明会

今回参加したのは下記のイベントです。

主催者は、開始15分前からZoomで基本的なRemoの使い方を説明してくれました。

イベントを開催できる時間は、無料トライアルのできる最安のライセンスだと1時間15分と限られています。

正味1時間と考えると、かなり短く感じます。

基本的な使い方を試行するのに時間を取られないようにするのにいい取り組みだと思いました。手間はかかりますが。

イベント参加への流れ

以下のようなRemoのイベントリンクをクリックすると、Remoのイベントページに行きます。

https://live.remo.co/e/remo-vol2/register
(終了イベントのリンクです)

初めてRemoを使う場合は、アカウントの登録が必要です。

「イベントに参加する」ボタンを押すと、アカウントのない人は、自動的に登録画面になりますが、Googleのアカウントを選ぶだけで、ほぼ手間はありません。

注意:参加者としても登録した時点から14日間の無料トライアルが始まってしまうので、自身も主催してみたいと思っている人はご注意ください。
(とはいえ、別のGoogleアカウントがあればそちらで更に14日使えます)

基本操作

参加

イベントに入ると、どこかの席にいきなり座っている、という感じです。
表示名はGoogleアカウントの名前がデフォルトのようです。

表示

前掲のように、複数のテーブルが表示されているのが基本画面です。

下方のメニューで「タイルビュー」を選択すると、同じテーブルの参加者のウィンドウが大きくなり、「Back to Map」を押せば元のテーブル表示に戻ります。

着席・移動

1テーブルの定員は6名です。

行きたいグループがあれば、そこの空いている椅子をクリックすれば、一瞬で移れます。
移動の時は、突然消え、突然入ってくる感じです。

チャット

画面右の方に表示されており、送り先別に3種類あります。

・Public:イベント全体に対して送られる
・Table:参加しているテーブル全員に送られる
・Private:特定の個人を選んで送る

Zoom同様、過去のチャットは見られない仕様になっており、テーブルを移動したら、そこでの過去のチャットは見られません。一旦抜けて同じテーブルに戻ってきても、過去のものは見られなくなります。

画面共有

基本設定では、一参加者でも、参加しているテーブルの人に対しては画面共有できます。

3種類ほどあり、今表示されている画面と、特定のタブを指定するのと、もう1つくらいありました。

全体アナウンス(プレゼンテーション)

ホストなら、全体に対して講演する様な感じで、アナウンスができます。

ホストが指定した「スピーカー」は、テーブル単位でアナウンスができる様で、テーブルのファシリテーターの様な機能の想定でしょうか。

テーブル名の設定

ホストはテーブル名の設定ができます。

参加してみて感じたこと

ざっくりいうと、交流を効果的にやるにはファシリテーションや使い方に工夫がいると思いました、

テーブルの会話に入りづらい・抜けづらい

席を移ると、既存メンバーが盛り上がっているところに突然割り入ります。
今何を話しているか分からないので、ちょっと気まずい感じがします。
既存メンバーの方でも、唐突に思うでしょう。

抜ける時も、リアルなイベントなら飲み物や食事を取りに行く雰囲気を出して抜けられますが、話の切れ目がないと、心情的には抜けづらい感じがあります。

席チェンジのアナウンスの様な、出入りを促すトリガーを主催者が作ったり、オンラインでのお作法的なところを、参加前に予めお話ししておくと、その辺の混乱を予防できそうです。

将来的に、チャイムやドアノックの様な機能ができると、心の準備もできるかもしれません。

どんな人がいるかわからない

これはZoomにも共通しますが、参加者リストの様な、参加者情報と、参加IDとの紐付けができるものがないと、誰がいるかわかりません。

1時間ならせいぜい2〜3回転くらいでしょうから、交流会に参加したものの、想定していた人と話せずに終わってしまった、ということもありそうです。

これはZoom飲み会も同じなので、リストを作り、公開するオペレーションを入れるのか、それをどう徹底するかにより、参加体験や交流の価値も異なってくるでしょう。

自然なつながりを促す仕掛けが必要

結構時間が短い上に、急に抜けてしまうので、リアルなイベントである様な「ちょっとfacebookでもつながりましょう」的なやりとりを、参加者間でしにくい感じです。

そもそも、オンラインでちょっと話した程度の人と、いきなりfacebookの様なプライベートなもので繋がりたくはない、という人も少なくないでしょう。

交流が目的なら、そこにワンクッション置くような、継続的にゆるく繋がる仕掛けが必要かもしれません。
facebookならイベントページのコメントでやりとりしたり、グループを作ったり、といったとこでしょうか(イベントの度にグループを作るのも面倒ですが)。

繋がりたいという人は、個別のチャットでやればいいのかもしれませんが、そういう「お作法」も予め共有しておくと良いのではと思いました。

時間は短い

最も安いHostライセンスでは、イベントを開催できる時間の上限が1時間15分です。使い方などの練習もしながらと考えると、ちょっと短く感じます。

参加者サポートが必要?

入れないなどの不具合はどうしても生じるため、Remoの外にサポートのやり取りができる口がないと、入れなかった参加者はどうすればいいか分からないでしょう。

普及して皆が慣れれば必要なくなるかもしれません。

Zoomと比べて、感じたこと

Zoomにはブレイクアウトセッションという、ホストが参加者をいくつかのグループに分ける機能があります。

これを少し裏技的に使うと、参加者全員がチームを好きに移動できるようにできます。

共同ホストという機能があり、共同ホストになるとグループ間の移動ができるのです。

グループと参加者の一覧はZoomでも見られるので、Remoのような直感的なUIではないものの、「複数のグループがあり、そこを自由に行き来できる」ことは実現できます。

チャットも同様の使用ができそうです。

参加者リストなどは、いずれもできないので、こちらはツールの組み合わせと運用でカバーすることになるでしょう。

費用対効果はどうか?

一番安いHostライセンスは、開催時間の上限が1時間15分・定員50名です。
(2.5時間・200人で開催できるDirectorライセンスは50ドル/月)

20ドル/月で時間無制限・100人までで開催できるZoomの方がコスパは良さそうです。
Zoom飲み会的なことには向かないと思いました。

実際のイベントでも、懇親会が1時間というのは若干短く感じると思うので、用途としてはZoomなどでワークショップをやった後の懇親会用途のイメージでしょうか。

ツール間の移動の手間はかかるので、離脱も起きるでしょうし、サポートの手間も掛かりそうです。

そう考えると、Zoomを最低限使い慣れた層が主たる参加者と想定する、現状のイベントの主催者にとって、Remoは、話題性もありポテンシャルはあるものの、費用対効果の点からは、月2,000円のズームだけで良いのでは?、ということになるのではと思います。

交流会のようなカジュアルなものをやるのには、少し間尺に合わない気がします。

色々な違いとポテンシャルはあるのかもしれませんが、企画・集客とツール習熟の時間を考えると、無料の期間が14日ではちょっと足りない気はします。

「これどうするんだろう」と思ったこと

これはできるのか?どうやるんだろう?と思ったものを列挙してみます。

・前室:全ての参加者に、その場の趣旨や振る舞いなどを説明する
・席を固定できるか、予め席次を決めておけるか
・全体の席シャッフルや、特定の人の席を移動させられるか
・席の定員を増減できるか
・グループを固定できるか(新しい人が入れなようにする)
・グループのファシリテーターは明示的に分かるのか
・人と人を繋ぐようなことはできるのか
・参加者がどんな人か分かる、交流を促進する仕掛けはあるか
・誰とも話さなくて良い「待機部屋」のようなものは作れるのか
・受付はどうするのか
・広告も出せるようだが、どう使うのか

気づいたこと

まだローンチして1年ちょっとのツールなので、これからのところは多々あるとは思いますが、ツールとして気づいたことを何点か。

・音声、映像はストレスなかったです
(低スペックのPCではそうでもない可能性も)
・使えるのはブラウザのみ
・なぜか1つのIDで二重で入れてしまった
・カメラとマイクをOffにするとウィンドウが消える
→席に入っても気づかれにくい(マップにアイコンが出るので分かる)

ご参考:知見共有グループ

様々なもののオンライン移行は、色々な人が方々で試行錯誤を重ねている状況でしょう。

そんな知見を共有するためのグループを作ってるので、よければ活用してみてください。






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