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【新体制特集③】アシスタントコーチ、🇦🇹レネ・マリッチの素顔

――以下翻訳(FCバイエルン公式サイトより)

FCバイエルンのコーチ陣を紹介するこのシリーズでは、ヴァンサン・コンパニ監督を支えるスタッフたちを数日間に渡ってクローズアップしていく。第3弾は、今夏までバイエルンで違う仕事をしていたレネ・マリッチだ。その他のポートレートはこちら:

レネ・マリッチは、ヴァンサン・コンパニ監督が新たに組閣したコーチ陣の中で、アシスタントコーチとしての経験は最も長い。31歳の彼は昨年11月、バイエルンにおけるチームの監督育成&ゲーム戦術の責任者に就任。この春にはU-19の監督も務め、クラブ史上初のUEFAユースリーグ準々決勝進出へ導いた。彼はこれから、トップチームのコーチングスタッフに加わることになる。かなりの短期間で、極めて緻密な業務をこなすのだ!

マリッチ:「FCバイエルンで働く特権とは…」

「ここ数ヵ月は激動だった一方で、とても興味深くもあったね。このようなクラブをさまざまな立場で知ることができるのは、私にとって特権でもある」とマリッチは語る。自身がどこで起用されようが二の次で、むしろ、クラブや選手たちにできる限り多くの貢献ができることの方がよっぽど重要なのだという。ドイツとオーストリアの国境にほど近い、ザルツブルク近郊のオーバンドルフで生まれたマリッチは、「幼い頃からバイエルンのファン」だった。レネ・マリッチと彼の家族は、地元でチケットが手に入る場所なら、どこにでも足を運んだ。それも、FCバイエルンのトップチーム、女子チーム、アマチュア関係なくである。

幼き日のレネ・マリッチ。「幼い頃からバイエルンのファン」

だが、彼とサッカーとのつながりを紐解くと、ただ昔からサッカーファンだったという範疇をはるかに超えていた。10代の頃からアマチュアチームで監督を務め、戦術ブログ『spielverlagerung.de』の開設メンバーの一人でもある。ザルツブルクの大学で心理学を学んでいたとき、当時オーストリアでリーグ戦を連覇したレッドブルのユースチームで働いていたマルコ・ローゼ(現RBライプツィヒ監督)と出会った。「彼のチームを観戦しに行って、それが私たちの出会ったきっかけだった」とマリッチは明かす。知り合いから仕事仲間へと関係は発展していった。最初はユースチームで、のちにザルツブルクのトップチームのアシスタントコーチとして。「私にとっては素晴らしい機会だった。彼にはとても感謝しているよ。」

ブンデスリーガとプレミアリーグで積み重ねた経験値

レネ・マリッチはローゼの後を追い、さらなるステップアップを果たす。ボルシア・メンヘングラードバッハで、27歳でブンデスリーガ最年少のアシスタントコーチとなったのだ。その後、ドルトムントで2人はさらに1年を一緒に過ごした後、2022年に別の道へ。マリッチは、プレミアリーグのリーズ・ユナイテッドに移り、1年間を過ごした。現在の上司であるヴァンサン・コンパニ監督は、マリッチが若くして誇る経験、そして “優れた戦術的知識や試合への素晴らしい理解力” を称賛している。

2019年プレシーズン期間中の当時の監督マルコ・ローゼ(写真左から2人目)とマリッチ。「私にとっては素晴らしい機会だった」

とりわけ、このアシスタントコーチは、常に大局を見据えている。マリッチは心理学の修士号とUEFAプロライセンスの資格を持っているだけでなく、ライターでもある。2015年に著書『Fußball durch Fußball』を出版した。また、最近出版された次の著書『Analysing Football』では、サッカーの指導において理論と実践の間に齟齬があってはならない理由を説明している。

試合前の準備と、試合後のフォローアップ

「"分析 "とは、"観察 "を意味する新しいドイツ語に過ぎない。すべての監督は試合を分析しなければならない。そうでなければ、何を指導すれば良いのか見当がつかないだろう」と、コーチ陣で主に戦術プランニング担当のマリッチは言う。つまり、前の試合を分析し、その結果を次の試合に向けたトレーニングに落とし込むということだ。とはいえ、各アシスタントコーチの役割分担は流動的でもある。「結局、あらゆる分野で緊密に協力し合うことにはなるよ」とマリッチは言う。

ヴァンサン・コンパニ監督、同僚のアシスタントコーチであるアーロン・ダンクスとともに練習場に立つ、マリッチの姿。「結局、あらゆる分野で緊密に協力し合うことになる」

このことは、トップチームだけに当てはまることではない。マリッチは今後、トップチームとユースチームとの橋渡し的な役割も果たしていくのだ。「キャンパスには、優れた監督やスタッフ、そして多くの優秀な選手たちが揃っている。私は、キャンパスとの架け橋になりたいと思っているんだ。また、キャンパスには、相談できるような人間も置きたい」と、マリッチは語る。レネ・マリッチにとって、これから数ヶ月、決して退屈しないことは確実だろう。

特集はまだ続く

明日は、この特集の次のパートをお届けする。ゴールキーパーコーチのミヒャエル・レヒナーについて詳しく紹介しよう。マヌエル・ノイアーらとともに汗をかく日々がいかに特別なものであるか、ハンドボール代表監督と出会ったことで得られたサッカーのヒントとは何か、そして44歳の彼がFCバイエルン加入前に働いていた職場とは...。乞うご期待!

▼元記事
Serie: René Marić | Trainerteam des FC Bayern im Porträt

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