マンション標準管理規約 第65条(消滅時の財産の清算)

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条文

(消滅時の財産の清算)
第65条 管理組合が消滅する場合、その残余財産については、第10条に定める各区分所有者の共用部分の共有持分割合に応じて各区分所有者に帰属するものとする。

コメント

コメント第65条関係
 共有持分割合と修繕積立金等の負担割合が大きく異なる場合は負担割合に応じた清算とするなど、マンションの実態に応じて衡平な清算の規定を定めることが望ましい。

解説

 そもそも、管理組合は建物、敷地と附属施設を管理する団体(区分所有法第3条)であり、専有部分のある建物が存在すれば区分所有法3条団体として区分所有者全員により自動的に構成される。さらに言えば、標準管理規約では管理組合は定義されておらず、組合員の資格は区分所有者である(第30条)と規定されているだけである。

 では、どういった場面で管理組合が消滅するのであろうか。まずは、建物が滅失すれば管理すべき共用部分も無くなるため、法3条団体としての管理組合は無くなる。この時は、土地と附属施設を共有して管理することになるであろう。また一部共用部分を管理する管理組合は、その一部共用部分が滅失すれば管理すべき部分がなくなるため消滅する。

 次に、専有部分がなくなった時も区分所有者がいなくなり、法3条団体としての管理組合は消滅する。専有部分が無くなるとは、建物がそのままで、すべての専有部分を一人の区分所有者が所有し、すべての専有部分を合併の登記をして、通常の一棟の建物として登記した時は区分所有法の対象とならなくなり管理組合は消滅する。また、区分所有法第1条では「複数の独立した」部分を区分所有権の対象としているため、専有部分の壁をすべて取り壊し、構造上一棟の建物とした場合も区分所有法の対象とならなくなり、管理組合は消滅する。

参照条文等

区分所有法 第3条(区分所有者の団体)
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

区分所有法 第55条(解散)
管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
一 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
二 建物に専有部分がなくなつたこと。
三 集会の決議
2 前項第三号の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

区分所有法 第56条(残余財産の帰属)
解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、第14条に定める割合と同一の割合で各区分所有者に帰属する。

標準管理規約 第32条(業務)
 管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため、次の各号に掲げる業務を行う。
十四 管理組合の消滅時における残余財産の清算


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