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人は誰かと別れるときポエマーになる

私はこれまでに、片手で数えるほどの男性と付き合い、別れてきた。


その数少ない経験の中である共通点を発見したのだが、それがタイトルにある通り「人は誰かと別れるときポエマーになる」だ。



厳密に言うと「別れるかもしれないという状況を美化しようとしたときにどうしてもポエムしちゃう」と言った方が近いかもしれない。



どういう意味なのか、私、そして私の友人の経験談をご紹介し、共感して頂けたら嬉しく思う。





①メンヘラDV束縛彼氏の場合

こちらは過去記事に書いた、高校生当時の彼氏の別れ際のやりとりだ。


「最後に二人の思い出の場所、○○に行きたい」


○○は地名が入るので伏せたが、それ以外はほぼそのままの言い回しだ。

「思い出の場所」に指定されたその場所は、別れる数週間前に思い付きで行っただけの場所で、思い出の場所でも何でもない。

勝手に彼の中で脚色され「二人の思い出の場所」に設定されたようだが、何度もデートした場所ならばラブホだし、記憶に強く残るような場所でいえば某夢の国へのお泊りデートの方が思い出だろう。

「さりげない街並みけど、ふたりで歩いた思い出が忘れられない」とでも言いたいかのように語られたが、冷静な私には何か言ってるなくらいにしか思えなかった。


②しゃぶらせ屋さんの場合

この男とは付き合ってはいなかったが、なんだかんだ一番付き合いの長いセフレだった。

セフレと言うには語弊があるような対等な関係ではなかったが、便宜上セフレと表記させていただく。


この男の場合はポエムしちゃうというより、それまでちんぽの赴くままにしゃぶらせセフレをしていたような関係だったのが、急に情緒を持ち出してきたことがあった。

私が「やっぱり好きな人じゃないとしてても楽しくない…」と、関係を終わらせたいことを伝えた時のやりとりである。

「少しも好きじゃなかった?ってかなんでいきなりそんなこと言い出すの?少なからず俺だって気持ちはあったよ」


今更何を情緒的になることがあるんだ?

付き合うつもりもないのはわかっていたし、だからこそどちらかがセフレ関係に不満を持った時点で私の中では終了だった。

そもそも私に必要だったのはセフレではなく、両想いでセックスできる相手であり、それに気づいてしまったのだから関係を続けるメリットがない。

相手が求めているのは「手軽にセックスできる付き合わなくていい相手」だったのだから、私はそれには該当しない。

手軽=恋愛感情なし、を求めていたのはしゃぶらせ屋さんなはずなのに、離れるとなった途端急に「好きじゃなかったの?」とは、元メンヘラの私も驚きである。



③浮気され別れた友人の場合

私の友人は、結婚まで考えていた相手に浮気をされ別れた過去がある。

友人は恋愛体質なところがあり、浮気されても尚別れられずにいた期間が1年程続いていたのだが、次第に彼に対しての呆れから好きな気持ちも薄れ別れを切り出したときのやりとりである。

当時2人は同棲していた。

別れるとなれば当然家を出ていく。

そのことが決まり、新しい生活の準備を始めていた頃

「よかったら少し散歩しない?」

彼から誘われ、同棲している家の近所を散歩した。


近くのカフェかなにかで昼食を買い、ピクニックみたいなことをしたそうだ。

河原で二人並んで座っていると

「ここってこんな良い景色だったんだね。こういう日々の過ごし方、俺忘れてた…」





まさにポエマー。


この話を友人に聞いたとき思わず噴き出した。


友人もその言葉にときめくどころか、うっすら笑いながら私に報告してきたのだから同じ感想を抱いたのだろう。


なんだろう、この「永遠の輝き、スイートテンダイヤモンド」的な感じは。

「失って初めてわかる大切さ」みたいなクソみたいなことしてんじゃねぇ。


きっと彼は、「この女は俺の傍から離れるわけがない」と思い込んでいたのだろう。


そして、ポエムのひとつでも語ればまた戻ってくるとでも思ったのだろうか。

いや、恐らくそんなポエムを吐く自分に酔っていたのだろう。



これぞ「別れ際のポエマー」の真骨頂な男の話であった。








さて、私そして私の友人が体験したポエマー男のお話はいかがだっただろうか。


普段の様子からは想像も出来ないくらいクサい台詞を吐くのだから、恋愛って本当に人を変えるのだなと改めて考えさせられた。


ちなみに、私はクサめの台詞を吐く男が嫌いなわけではない。

好きや愛してるを惜しげもなく伝えられる男性はすごく魅力的に思うし、気持ちが溢れてクサい台詞のひとつやふたつを使いたくなることもあるだろう。

プロポーズなんてクサくてなんぼなところもある。


私が申し上げたいのは、「そんな感じ一切出してなかったくせにいきなり口からポエム出すのなんなん?」である。

一周して共感性羞恥を発揮してしまいそうだ。


ちなみにこの別れ際のポエマー現象のことを私は

ドラマティックジュエリー現象

と名付けた。


恐らく言っている本人はドラマしちゃってるからである。

未来輝く別れ、そう、お互いのために…

みたいなしょうもないやつである。




もし皆さんの中に、このドラマティックジュエリー男と遭遇したことのある方は、ぜひコメント欄にぶちまけてくれることをオススメする。


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