第六回:cross-cutting session「COP15に向けた連続セミナー」運営感想


11月18日(金)20:00~21:30より、「生物多様性COP15に向けた連続セミナー」の第6回を開催しました。

今回は「cross-cutting session」と題し、生物多様性や気候変動の分野で活動に取り組む行政、NGO、企業、ユースといった異なる立場のゲストをお招きし、話題提供とパネルディスカッションの2部構成で実施しました。

話題提供では、それぞれの立場から生物多様性と気候変動の関連に関する取り組みの成果や、抱えている課題についてお話いただきました。その後のパネルディスカッションでは、日本における生物多様性と気候変動のシナジーを強化し、トレードオフの最小化を促進するために、今後どのような取り組みや行動が必要となるのかについて議論しました。議論の中で特に印象的だったのは、生物多様性の損失が気候変動と並ぶ危機であるはずなのに、同じような危機感を抱えている人が少ない原因として、生物多様性は損失が分かりにくく、指標で判断できないからではないかという点が指摘されていた点です。特に、海域などではそもそも科学的知見の蓄積が陸域に比べると圧倒的に不足しているというような現状もあります。生物多様性の現状を分かりやすく把握するのにどのようなデータや指標を用いるとよいかという取り組みは、気候変動に比べて遅れをとってしまっている部分なのかもしれないと登壇者の方々のお話を伺いながら思いました。それと同時に、生物多様性が危機であると多くの人と共有できるようになる前に、その危機を食い止めることがとても重要であるとも感じました。

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