第二回:防災「COP15に向けた連続セミナー」運営感想

 11/9(水)20時から「COP15に向けた連続セミナー」の第二回を開催いたしました。今回は「防災」について東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授の山本清龍様にご講演頂きました。

講演では、生物多様性の保全と防災を両立することの困難さについて、東日本大震災からの復興事例にはじまり、グリーン復興やECO-DRR、NbS(Nature based Solution)といった復興に関する考え方の最前線についてもお話しいただきました。また、講演では山本様が被災地で実施した調査研究などについても触れられており、復興に対するアカデミックなアプローチについても学ぶことができました。

講義を踏まえ、参加者からは「巨大な防潮堤の建設や環境アセスメントの抑止力の弱さから伺える日本政府の生物多様性への意識の低さは変わることがあるのでしょうか」など現状を深堀りする様々な質問が出ました。

個人的に印象に残ったのは、被災地のなかで「全員無事」だった佐須という地域のお話です。この地域は森林に囲まれた漁村で、海産物を保存した冷蔵庫や山からの水の確保、薪による暖の確保などにより、インフラの復旧まで自立して存続することができたそうです。このような、事例は災害時の地域のレジリエンスを高める事例としてに留まらず、今後地方において人口減少が進むなかでの自立性の高い地域のデザインとしても参考にすべきではないかと感じました。

事務局員 大野成


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