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化粧品に入っているソルビン酸Kは肌によくない?


ソルビン酸Kとは

ソルビン酸Kは「ソルビン酸カリウム」のこと。スキンケア、メイクアップ、ボディケア製品に使用される防腐剤です。また、食品でも保存料として使用されます。

ソルビン酸は、ナナカマド(Sorbus aucuparia)の実に含まれる天然の化合物。しかし、商用で使用されるソルビン酸のほとんどは合成で製造されています。

ただ、「合成成分だから悪者」というわけではありません。合成で作られたものでも、天然成分と同じ機能と構造を持っています。

自然由来や天然由来が普及した今、合成成分は悪いもののように思われがち。ですが、合成製造は天然資源を枯渇させません。環境のことを考えるとサステナブルな選択であるという別の見方もあるのです。
もちろん「合成成分だから絶対安全」というわけでもありません。成分ごとに判断することが大切です。

化粧品成分としてのソルビン酸Kの役割

ソルビン酸Kはバクテリア、真菌、カビの繁殖を防ぎます。
一方で、細菌に対する効果はあまりありません。そのため、他の防腐剤と併用して配合されます。欧米ではパラベンの代替として使用されることもあります。

お風呂場や洗面台など水の近くで使われることも多い化粧品。また、手や空気に触れることも多いため、適切な防腐力を持つことは重要です。

腐敗した化粧品を使用した場合、肌への刺激だけでなく感染症や重篤な肌トラブルを引き起こす可能性もあります。特に目の周りに使用される製品で微生物が繁殖してしまった場合、重大な合併症を引き起こすことも。

嫌われることも多い防腐剤ですが、その役割が大きいことも事実なのです。

また、ソルビン酸Kは食品の保存料でもあると最初に述べました。チーズ、ワイン、ヨーグルト、加工肉、ソフトドリンク、焼き菓子など、多くの食品でもカビや酵母の繁殖をを抑制するために使われています。

ソルビン酸Kの安全性

化粧品で使用された場合、ソルビン酸Kの安全性はどうでしょうか?

化粧品成分の安全性評価を専門とする化粧品成分審査(CIR)では、ソルビン酸Kの化粧品への使用は安全であると評価しています。10%濃度のソルビン酸Kにおいても目への刺激はなく、肌刺激もわずかであったと結論づけられました。

日本では、ソルビン酸Kの配合量には規制があります。化粧品には0.5%までしか配合が許されていません。10%濃度でわずかな肌刺激であれば、ソルビン酸Kが配合された化粧品で肌にトラブルが生じる可能性は低いと言えます。

ただ、2021年の別の調査では、ソルビン酸Kのリスクが過小評価されている可能性が示唆されています。この調査ではソルビン酸Kとソルビン酸の安全性が検証されました。

対象者はこれらを含む医薬外用品にアレルギー性接触皮膚炎を発症した患者17名。ソルビン酸とソルビン酸Kをさまざまな濃度でパッチテストが実施されました。
その結果、ソルビン酸に皮膚感作された患者はソルビン酸Kに対して陽性反応が出やすい傾向があることが報告されています。

どんな成分でも、誰にとっても100%安心して使ってもらえるわけではありません。自分の肌の状態や避けたい成分、そして地球への影響など、自分が大切にしたい基準を持っておくことも大切ですね。

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