モノクローム2

モノクローム2

テレビに足が生えていた。モノクロームの球児たちが兵隊のように歩行するのをながめていた。乳歯が抜けて生まれた欠落を舌で確かめながら思った。屋根の上で音をたてそれからどうなったのか。いくつの白い欠片がそこでうずくまっているのか。テレビの突起をつまんで捻るとひどくガサツな音がした。一瞬星空を映し出したあとに痩せた侍が人を斬っているところだった。


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