少し仰いで

すっかり吹き飛んだ晴れた空には
物語を失った孤独が隠されている

取り残されて
あとは眠るだけ

甘い夢の虚ろさの中で
ぼんやり待ってみるけれど
そこにはやってこない

さっさと目覚めて
あとを追うだけ

冷たくなっていく空に
ぶらさがってかわっていく
若々しい果実

少し仰いで
さきに行くだけ

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