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ワクチンは誰が求めているのか

新型コロナウイルスのワクチン接種が日本でも始まるようです。文藝春秋digital「コロナ「ワクチン」は本当に安全か? 接種する前に知っておくべきこと」を読んで思ったことをまとめました。

新型コロナウイルスが日本で確認されてから1年くらいたつ。去年の今頃はメディアの報道もどこか他人事のようだったように思います。19年12月ごろに感染が広まっているという海外ニュースをみてから、日本は本当に大丈夫なのだろうか、海外と人の行き来がある以上大変なことになるのでは?ドラマのような展開になったらどうしようか、と、私も現実味が持てませんでした。

春ごろからワクチン開発などの話題が頻繁に議論されるようになり、当時のニュースも「早く開発を」「いつできるのか?」「承認は?」みたいな急かすようなものもみたことがあります。

その時から私は「最初にできたワクチンを誰が接種するの?」と疑問でした。もし生死を彷徨っていたとしたら、新しいワクチンを接種してもらいたいとか可能性を信じるかもしれません。が、予防のためのワクチンです。実績も当然ありません。どのような副作用があるのか、万が一副作用があらわれたときに対応してくれる病院があるのか等、懸念点はたくさんあります。私は"まだ"予防接種は受けたくないなと思いました。

当然、私と同じように予防接種を"まだ"受けたくないという方もいると思います。文藝春秋digitalの記事の中で免疫学を専門とされる医師の宮坂さんが「当面は打たない」とおっしゃられています。その理由について、とても分かりやすく書かれているのでお読みいただければと思います。

私が疑問に思ったのは、新型コロナウイルスのワクチンを受けたくないと答えた女子高生が6割という記事が炎上して削除された件。

批判を浴びたのはオリコンニュースの【新型コロナワクチン、6割超「受けたくない」 女子高生100人にアンケート】という1月20日の記事。

調査会社を通じて女子高生100人に対し、「コロナウイルスのワクチンが日本で利用可能になった場合、早期に接種を受けたいですか?」とのアンケートを取った結果、 「受けたい:34人」「受けたくない:66人」という結果が出た、と伝えた。

何故女子高生が対象なのか?とシタゴコロも見え隠れしてるような気もするのですが、その調査はメリット・デメリット、リスクについて今わかっていることを説明したうえでの調査だったのかな?と。今は削除されてしまったため読むことはできないけれど、危険性を煽るような印象をもちました。

どのような薬もワクチンも、必ず副作用はあります。あらわれない人もいればあらわれる人もいる。副作用のない薬は世の中にはないと思っています。例えば、インフルエンザの予防接種で私は数年前に副作用が強くでて体調を崩したことがあります。子供のころから定期的に打っていますがはじめての経験でした。(ワクチンの種類はその年の流行を推測して決めているといいますが)それから、私は予防接種が怖くなり打った時のメリット・打たなかったときのデメリットを考えるようになったという背景もあります。

アメリカやイギリスで予防接種が始まっています。今のところ副作用があらわれた方もいるようですが、死亡例はないようです。とはいえ、インフルエンザと比べるのも違いますが、まだ新しく母数も少ない。今後、重症化するケースがあるかもしれません。

私が怖いと感じるのは、もしワクチンによって具合が悪くなった時に誰が治療してくれるのか?ということです。

誤解してほしくないのは、私はワクチンの接種がはじまることに対して否定はしていません。リスクを考慮してワクチン接種を希望する人もいるでしょう。だから、希望した人が政府の決めた優先順位に従って受ければいいと考えています。

このような過去に例がないような状況になり、正解なんて誰にもわからない中で選択することは難しいことだと思います。いろいろな裏事情もあるのかもしれませんが、いまできる選択肢の一つとしてワクチンを確保してくださったことは否定してはいけないと思います。結果を見てから購入となると、そのときにはワクチンを確保できない状況になるかもしれません。確保すること自体は悪いことではないのではないでしょうか。

「90%の有効性」という表現は、あたかも「100人にワクチンを打つと90人に効く」と受け取られがちですが、違います。母数は「打った人(接種群)」ではなく「打たなかった人(非接種=偽薬〈プラセボ〉群)」。非接種群の発病率を一とした時に、接種群でどれだけ発病率が下がったかを推定するのです。接種群の発病率が0.1に下がれば9割減ったので、有効率90%となる。非接種群で発病した人の90%は接種していたら発病しなかった、ということを意味します。

私は、この文藝春秋の記事を読むまで、90%の有効性の意味を知りませんでした。ワクチンの接種について、是非について問うニュースは多くありますが、ここまで掘り下げた解説や情報はあまり多くはありません。

ワクチンができる前はあんなに「早く作れ」「いそげ」「まだか」といった一部の報道があったのに、今は「ワクチン危ないからいらない」という報道。でもその理由についてはあまり詳しく報道されていません。この記事も有料記事なので、全文を読めるのは購入された方だけ。テレビの報道番組や情報番組で繰り返し詳しい情報を発信してほしいと思うのは私だけではないと思います。

毎週火曜日は、気になったウェブ記事や読んだ書籍についてまとめています。

最期までお読みいただきありがとうございました!