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暴れまわる5歳児には理由がある

“うぎゃー!!いやだー!!あれもいや!これも嫌!全部嫌なのー!!”

一日に何度も夫を殴る蹴るして当たり散らし、赤ちゃんの耳元で超大音量で叫んだり、赤ちゃんを揺らしたり…と、毎日暴れまわる5歳の娘。朝、目が覚める時に赤ちゃんのように泣き叫び、夜、夢が怖いと泣いたり騒いだりして寝付くのに1時間以上かかる。身体が大きくなり、力が強くなった上に言葉も達者な5歳児の赤ちゃん還りはマジで厄介である。肉体的な暴力と言葉の暴力のダブルパンチに、普段は穏やかな36歳の夫の堪忍袋もさすがに度々、緒が切れる。。。

でもね、一見、理不尽に見える娘の爆発を引き起こしているのは、

否定しないで!待たせないで!!

私もたくさん我慢してるよ!!

赤ちゃんだけじゃなくて私にも夢中になって!!

という娘の心の叫びだったりするのだ…切ない。。。

5歳の娘はこちらが思っている以上に、たくさん我慢している。娘にも赤ちゃんが生まれて嬉しい気持ちもあるし、お手伝いしたい気持ちもある。だから娘ができる最大限で手伝おうとしてくれる。赤ちゃんをちょっと強めに揺するのだって、娘なりのあやし方なのだ。危なっかしく見える抱っこだって、娘的には自信満々で、できることなのだ。ハサミを使って一人で黙々と工作をしていて、その道具を赤ちゃんの近くに出しっぱなしにしちゃっても悪気はないのである。

ところが、赤ちゃんに夢中な親は、ついつい注意してしまう。最初のうちは穏やかに「赤ちゃんは大きく揺れると、びっくりしちゃうからね、優しく揺らしてあげようね」と伝えていた私と夫も産後1ヶ月が経つ頃には溜め込んだ疲れが、どどーっと押し寄せて言葉を選ぶ余裕が無くなってくる。

「赤ちゃんを揺らさないで!!」、「赤ちゃんを落とさないように気を付けて!」、「赤ちゃんのそばにハサミとか危ないもの置かないで!」、「赤ちゃん今、寝ること頃だから近づかないで(起こさないで)」、「授乳してるから、ちょっと待って」、「ご飯作り終わってからね」…

「お手伝いしよう」もしくは「仕方ないから一人で遊んでいよう」と一生懸命な小さな5歳のこどもに浴びせかけられるのは、否定語のオンパレード。。。もしくは、永遠に終わりのこない「ちょっと」を待つ時間。そりゃ、イライラするわ!!大人だって、「〇〇しないで」と言われ続け、こっちだって用があるのに、毎日ひたすら待たされてたら、嫌だもん。。。

これが積もり重なった結果、娘は小さな否定にも大きく反応するようになってしまったのである。どういうことがというと、ちょっと「〇〇してね」と言われただけで、大暴れ!!「今、やろうと思ったのに!!」とか、「〇〇は嫌だ!!」とか泣き叫ぶ。。。マジしんどい。。。この大暴れどうにかならないものか。。。さらには、赤ちゃんへの攻撃性も増してくる。まさに眠りにつこうとしている赤ちゃんを起こしたり、泣いている赤ちゃんの声を聞いて、「うるさい!!どっかいって〜!!」と叫んだり。。。こうなると私も優しくできず、娘にキレてしまう。あぁ、赤ちゃんを守るオキシトシンというやつは本当に厄介なホルモンである。赤ちゃんを守って娘を怒ってしまったら、娘の心は傷付くばかりなのに。。。

じゃぁ、どうしたらいいのか??解決策はとてもシンプルだったりする。

否定しない。待たせない。

これだけ。

こいつが、超大変!!言うは易し、行うは難し。だって親にも余裕なんてないんだもん!!だがしかし、このままじゃもっと余裕なくなるのは目に見えている。状況が悪化していくのがわかっているのに、何も策を講じないなんて、私の気が収まらない!!笑 ホルモンなんかに負けてたまるか!!

とはいえ、一人でやるのは超しんどい。。。ので、夫と協力して、「どちらかが否定してたら、どちらかが肯定する」ところから始めてみた。題して、駆け込み寺大作戦♪である。それから、娘を2歳児だと思い込む!!5歳児がやらかす数々の失敗は、2歳児だったら上出来のものばかりなのである。たまにトイレについてきてって言うくらいかわいいもの!!むしろ、一人でトイレに行けるなんて素晴らしい!!パンツにおしっこやウンチを漏らすこともないなんて、なんとできた子なんだ!2歳児なんだから一人で遊ばせておいたら、危険。ちゃんと見ててあげなきゃ。「ちょっと来てー」って言われたら、何やらかしてるかわかんない、、、早く行かなきゃ!!と、待たせることを減らすこともできる(日もある。)

イヤイヤ期に比べたら、言葉で意思疎通をすることもできるし、一人で遊んでいる時間もあるし、5歳児はやっぱり手がかからないのである。だから、5歳児だと思って期待するのをやめるのだ。猫の手も借りたい産後生活ではついつい、いろんなことができる5歳児に大人のような聞き分けを求めてしまう。。。いくら言葉が達者で大人のような口ぶりで話すことができても、娘はまだまだ小さいこどもなのである。それを思い出すための2歳児大作戦!!娘を2歳だと思い込むことで、娘の「できている部分」に目がいくので、否定する頻度は圧倒的に減る。ついでに、「できている部分」を口に出して、「おぉ、〇〇やってくれてるんだね」と伝えることで、娘を肯定する頻度も増えてくる。

余裕のない日々の中なので、私たち親もすぐには変えられない。どんなに2歳児だと思っていても、注意してしまうこともあるし、できない部分が目に付く日もある。でも、気づいた時にできるだけやればOK!!何もしないよりはマシ!!の精神でコツコツ取り組む。できない自分を責めてはいけない、だめ、絶対…!ちょっとでも取り組んでいる自分、素晴らしい♪♪と自分を褒めなきゃやってられない。すると、ちょっとずつ娘のできている部分が見えるようになってきた。で、やっぱり娘も変わるんだな、これが。爆発の頻度が一時よりちょっとずつ減ってきたのだ、すごい。

しかも2歳児だと思い込んでたら、だんだんと泣き叫ばれても、娘が赤ちゃんと同じ生き物だと思えてきた笑 抱っこしたり、トイレに一緒に行ったり、娘と一緒に過ごす時間も苦痛じゃなくなってきたのだ。思い込み、大事!!で、私とのスキンシップが増えると、娘がめっちゃおとなしくなってビックリ。そうか、やっぱり、くっつきたかったんだよね、すまん!!まだまだ授乳中は、殺気立ったりするけれど、一時期より家の中がだいぶ平和になった今日この頃である。


3-5年後に家族で世界に飛び出します、たぶん◎