環境変化のログといま自分がやるべきことのメモ。

4月から会社での役割が変わった。一部門長から部門全体を統括する責任者に。管轄するプロジェクトはやや間接的なものも含めて、8つから37に増える。メンバーは11名から43名になった。

そろそろ1ヶ月が経とうとしているが、はっきり言ってその変化に全くついていけていない。目先の数字を何とかすることに精いっぱいで、本来この役職の人間がやるべきことに着手すらできていないのが現状である。

このままではいけない。
「今、私がやるべきことはなんだ?」

まだ探っている段階ではあるが、いまの考えを整理しておく。

最近やってたこと

まず、はじめに少し前まで(昨年10月から今年の3月まで)に取り組んでいたこと、意識していたことを整理する。

それは一言で言うと、利益主義への意識の切り替え、であった。営利企業としての責任を果たすこと。法人の(資本主義)社会における最も重要なミッションに、もっと真摯に向き合う。そして、それをチームの当たり前としてインストールし直すこと。ここから私の言動がつくられていた。

それをすることでいくつかの気づきがあった。
これまでの自分は現状改善の意識が強く、目標達成に執着できていなかった。要するに、目標達成から考えると遠回りなことや優先すべきではない改善に集中してしまう場面を許容してしまっていた。

そんななか、目標設定の水準をこれまでよりも厳しいものしたが、きちんと会社に利益を残せる活動ができるのだとわかれば、それに賛同して、これまでの行動や意識を自ら変えてついてきてくれる社員が少なからず存在した。この人たちにほんとに支えられた。

その一方で、それ(会社のミッション達成)とそれに向かって前向きに行動を変えようとする現場環境だけでは、ついて来れない人のほうがまだ若干多いこともよくわかった。加えて、現状自分の能力では、10人未満のチームならば、モチベーションの高いプレイヤーを2名獲得することで持続的に成長していく組織は運営できるが、それ以上の規模では対応できないということにも気づけた。

どれも当たり前のことで、典型的なマネージャーのミステイクでかなしくなるが、半年くらいで再認識することができてよかったと思っている。

もうひとつ意識レベルを上げたのが、採用だ。これまで私たちの部署では、新卒を育てることで毎年数名の増員をしていたが、中途採用にも力を入れることにした。

新卒を優先していた背景だが、中途よりも新卒のほうがチームの文化浸透がやりやすく、採用コストも安いのでそのほうが費用対効果を出しやすいと感じる部分があった。が、これは正直に言って活躍してくれる人材を中途採用で獲得する自信がなく、その問題から目を背けていたというのが実情だと振り返る。

プロジェクトの数が増えない場合や安定的に利益創出ができていたタイミングは新卒採用中心の人事戦略でもよかった。けれど、2ヶ月に一つくらい新しいプロジェクトを開始し、早急に会社の利益率をあげていかなければいけないフェーズでは、年に一度の新卒採用だと戦力化が間に合わない。言い方が難しいが、ストレートに言ってしまうと、入社後しばらくはコスト人材になってしまう。

数名の中途採用を実施してみたとき、想定できていなかった良い点があった。それは、コンスタントに新しい人材が入ってくると、いつもより社内の空気が和やかになる、ということである。特に今回は第二新卒レイヤーの採用が中心だったこともあり、他社での経験から学びを得つつ、新入社員に業務を教えるという、ギブアンドテイクがそこかしこで発生する。

これにより、出社する人の数も増えた。結果として、ずっと同じメンバーで仕事をしていたときの停滞しがちな空気感が徐々に影を潜めていく感覚があった。

有限なコストとプロジェクトの終了リスクなどを考えると、そろそろ一旦新規採用をストップしないといけないが、組織の成長のために、いつ・どのレベルの人材を獲得するのか?について、自分ゴト化のレベルを上げられたのは良かったと思う。


やるべきこと

といった、これまでの取り組みと反省を踏まえて、今やるべきことである。

  • メンバーの士気をあげる
    管轄するかプロジェクトが8から37に増え、自分の経験領域の濃淡も相まって、全部1人で全てを管理し成長させることができない状態になった。
    この状況では、自分の能力を上げることよりも、チームの力を借りて、同時並行で各プロジェクトを成長・維持させることの方がよっぽど重要である。

    そして、そのためには再度メンバーの強みと弱み、それからやる気が出るツボを把握して、強みとやる気が最大化される触媒になるように自分自身を持ってこなければいけない。

  • やるべきことに集中する
    とはいえ、自分のスキル成長ももちろん重要である。だが、その方向性はこれまでとはベクトルが違ってくる。

    現状を精緻に理解して、時間をかけてでも着実に改善していく能力値の開発ではなく、いかに少ない時間で最大の成果を得られるような活動をするか、そして数ある選択肢から最も優先すべきことに瞬間的に集中する環境をつくる能力値を鍛えないといけない。

    自分という変数で、もっともレバレッジをかけられるところはどこか。研ぎ澄ませていきたい。

  • 環境を楽しむためのマインドの切り替え=まず新しい役職にふさわしい「心」を手に入れる
    やることははっきりしてきたが、ここで浮上するもうひとつの問題は、この切り替えが私にとって楽しくない方向への舵切りであるという点である。

    正確には、この切り替えを楽しめるマインドがまだ整えられていないのだ。改善主義的な世界線では、一つひとつの改善に時間はかかる一方で、大きな失敗もしない。目標設定も前年比+5-10%であることを考えると、達成率もおのずと95-105%くらいの枠に収まってきていた。

    組織が身を置いているいまの経済状況では、そのスピード感では全然遅い。が、生来、何かを達成したいというモチベーションは弱く、圧倒的に「どうすれば自分はもっとよくなるのかな?」にやる気の源泉があったタイプなので、自分以外の何か(今回で言えば会社の利益)を自分以外の誰かに決められたところに到達させるために自分の身の振る舞いを決めていくのは、私の正確的にいささか億劫な作業である。

    現状の理解では、「これこそ成長の階段である」と捉えてやるしかないと腹おちしているので問題ないが、この「ベキ論」の世界ではどうしてもガス欠のスピードが速くなりがちなので、よりよい解釈のしかたがあるのかどうかはやりながら模索していきたい。

  • 優秀な(プレイング)マネージャーを1,2名採用すること
    最後に人を連れてくること。これは長のつく人間の仕事のうち、最も重要な仕事のひとつだ。特に赤字転落した会社をV字回復させ、1年で黒字転換させるためには、即戦力なプレイングマネージャーの採用はキーファクターになる。

    幸いなのか不幸なのかはわからないが、こういった事業部を統括しながら採用の戦略設計もやるポジションとしては比較的年齢が若いほうだと思うので、この点もうまくつかっていきたい。

    体力があって独身者も多い20代と徐々に体力が衰え始め、プライベートで守るものも多くなってくる40代前後とでは、転職のハードルも変わってくるところがあるだろう(私自身転職したことないのでその辺はあんまりわからん)。


だいたいこのあたりかな。これから始まる(らしい)GWで準備と切り替えを行い、再出発のギアをあげていきたい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?