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井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #34

対症療法に陥りがちな子育て⑤
「もったいないイベント」対話ドキュメンテーション前編

(#33のつづき)

 さて、子育ての「根本解決」とは何でしょうか? 「それって『もったいない子育て』!? 」第5回のオンラインイベントは子育ての「対症療法と根本解決」について、みなさまとあれこれ話すことができました(参加くださったみなさまありがとうございました!)。

 まずは、自分自身の子育てで「あ、これは対症療法だな」と思い当たることをみんなでシェア。いろいろな事例が上がりました。

 子育てにおいて、どれが対症療法で、どれが根本解決に当たるのか。#31のように、「遅刻しないように子どもの身支度を親がやってあげる(対症療法)」「子どもが自分でできるようになるためにスモールステップで少しずつ任せる(根本解決)」といった例は比較的分かりやすいです。でも現実の子育てでは、多様な要素がからまり、その境界線を見定めるのが難しいケースも多い、ということが対話から見えてきました。

 「ほかの親子の事例を聞くと、『あ、それは対症療法だな。あ、それは根本解決だな』と
分かるけれども、自分の子育てについては分かりづらい」という参加者の声にみんなうなずきます。

 なぜ難しいのか。対話の内容をキーワードで振り返り、自分なりの意味付けを加えて整理してみました。

■目に見える分かりやすい結果
 目の前の症状をすぐに解決して安心したいーーだからこそ、人は対症療法に飛びつきます。「幸せに生きる」といった、目には見えにくいことが人生において大事なことは分かっている。でも、それを叶えるためにどうすればいいかは分かりにくく、すぐには結果を得られない。だから「テストの点数」「合格」など、目に見える分かりやすい指標があると、それを欲してしまいがち。

■成長過程にいる存在&子どもの特性
 子どもはいつでも成長過程にあり、どんどん変化していく存在。そして、それぞれの子どもは異なる特性を持っている。

■スモールステップの手法は多様
 根本解決へ向かうためにはスモールステップが必要。でも、Aちゃんにぴったりのスモールステップが、Bちゃんにも合うとは限りません。また、現在のAちゃんにぴったりのことが、1週間後のAちゃんに合っているとも限りません。

 さらに、「安心感の土壌」も必要だという対話に至りました。

(#35につづく)




書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親)

新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ねる。現在、米国在住。



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