【スイレン・キッチン】①ハンバーグ
※※おうち時間をちょっとでも楽しんでもらえればいいなと
完全に思い付きで書いたのでだいぶ緩い内容です。
パロ・メタ・スラングありありのあり。あらかじめご了承ください。※※
プロローグ
~ある日の池野家の一室にて~
蓮 (あー、だめだ。煮詰まってきやがった……)
蓮 (こっから先の展開が見えねー……この一個先はわかんのにな。どーやって繋がるんだコレ……)
蓮 (一生見つかる気がしねー……あー、漫画づくりって、やっぱ……)
<コンッ ココココンッ・コンッ
??「ハンバーグつく~ろぉ~♪」
蓮 「……」
??「ひき肉こねよ~♪」
蓮 「…………」
??「あつあつ目玉焼き~のせる絶対にーのせるゥ~~♪」
<ガララッ
蓮 「彗花……アタシ、プロット詰めるからそっとしといてくれって言わなかったか……?」
彗花「うん、言ってた」
蓮 「じゃあなんでジャマすんだよ! しかも昨日観たア○雪のなんか変な替え歌までつけて、ア○みたいに扉叩きやがって!」
彗花「だって、ア○雪おもしろかったんだもん。オ○フかわいかったよねぇ」
蓮 「ああ……だがノー天気そうに見えてアイツ、エ○サが切り捨てざるを得なかった愛の概念を体現してて……って、そうじゃねーわ! ア○雪の話は今どうでもいいんだわ!」
彗花「えー? ジャマするなって話? でも蓮、どーせ煮詰まってたところだったんでしょ?」
蓮 「ぐ……っ。なんでそれを……」
彗花「ふすまの向こうにも聞こえてきたよ、『……先が見えねぇ……漫画づくりって、やっぱつれぇわ……』ってブツブツ言ってるの」
蓮 「や、やめろマネすんな! ……違うっ、そんなん言ってねーし!!」
彗花「まーとにかくそんなんだから、どーせそのままじゃいいアイデアも出ないだろーなって。ちょっと気分転換したほうが閃きも出やすくなると思うよ!」
蓮 「だから、ハンバーグ作りってか? ……ま、確かにそうかもな」
彗花「ふっふーん、ひき肉が安売りだからたーっくさん買ってきたの! 無心にこねれば漫画づくりのいいヒントも出てくるよ!」
蓮 (……体よく駆り出されただけか。まったく、彗花のヤツめ……)
蓮 (しゃーない、観念してハンバーグ作るとするか……)
1.)材料
~ハンバーグ~
・ひき肉(なんでもよい) 約400g
・玉子 Mサイズ1個
・パン粉 約50g
・たまねぎ 半分~1個
・炒める用の油 量によって小さじ1~大さじ1
・塩、コショウ、ナツメグ
・差し水用の水 大さじ1程度
~ソース~
・ケチャップ
・赤ワイン
・塩、コショウ
(※多少順番が前後してますがご容赦ください)
彗花「ひき肉は、今回は特売だった豚ね。ここは牛でも、牛豚の合いびきでも、なんでもいいよ! 鶏ひき肉と水切り豆腐にすると和風になってこれもおいしいけど、また今度ね」
蓮 「あれ? パン粉ねーじゃん」
彗花「パン粉は、食パンがビミョーに余ってたからおろし金でちょちょっとすりおろして使うの。生パン粉みたいになっておいしいし、食材はハケるし一石二鳥♪」
蓮 「ふーん……さっきスマホでサクッと調べたら牛乳とか入れるって書いてあったけど、そーいうのはいいん?」
彗花「んー、多分におい消しとコク出し用だと思うけど、うちはいつも使ってないからいいや。ナツメグも切らしてたら入れないし。なんだったらパン粉とか玉子だって使わないときもあるよ」
蓮 (てっきとーだな、おい)
彗花「今『てっきとーだな、おい』って思ったでしょ」
蓮 「お、思ってねぇよ?」ビクッ
彗花「もー……蓮はいい加減、考えてることすぐわかるっていうの自覚したほうがいいと思うなぁ? ま、別に怒ってるわけじゃないけど」
彗花「〝てっきとー〟でいいんだよ。どんな材料が何グラム入ってなきゃいけないとか、絶対この順番に沿わなきゃダメとか、考えただけで疲れちゃう。ハンバーグって、ひき肉がいい感じにまとまってて、いい火加減でジューッて焼かれて、すきなソースかけて食べるものだもん」
彗花「おうちの料理って、みんなそんな感じだよ。楽しく作って、最後においしく食べれればいーの!」
蓮 「お、おお……なんか、説得力あるな」
彗花「まぁ、おいしく食べるためにある程度は手順とか、味付けのバランスとか、そーゆーのは気を付けなきゃだけどね。わたしもたくさん失敗して、お母さんによく怒られたよ……へへっ」
蓮 「ふーん……まぁ最後にモノ言うのは練習量っつーのは、漫画も料理も変わんねぇのな」
蓮 「じゃ、ひとつマジにやってみっとすっか」
彗花「そうそう、その意気だよ! じゃあ下準備から始めよ~!」
2.)下準備
彗花「それじゃあまず、タマネギをみじん切りにして耐熱容器に入れてね。その間、私は他の材料の準備しとくから」
蓮 「ウィーッス……えーっと、タマネギのみじん切りは……まず半分に切って、2方向から切り込みいれて……んで、ザクザク切ってくんだっけか……」
ハウスcookingチャンネルより (ハウス食品サイトにも!)
蓮 「……できた! けど、ちょっと”みじん”って感じじゃねーな……」
彗花「どれどれ? ……うん、全然へーき! そしたら耐熱容器にふんわりラップをかけて、電子レンジで【500w3分】チンしてね!」
蓮 「オケりょー」
<ピッピッ……レンジブオオォン……
蓮 「これタネに入れるやつだろ? フライパンで炒めるんじゃないん?」
彗花「それだとすっっっ……ごく時間がかかっちゃうの。それも悪くないけど、今日はたくさん作りたいから時短時短!」
<パラピロポロン♪
彗花「蒸気がぶわぁって出るから気を付けながらラップ外して、状態見て」
蓮 「んー……なんかうっすら透明になってるよーな」
彗花「うん、バッチリ! そしたらそのタマネギを全部、炒めていくよ。熱したフライパンに油を引いて、温まったら耐熱容器からたまねぎを移して中火でじっくり火を通してね」
蓮 「ッス。油はどのくらい?」
彗花「んー、タマネギの量にもよるけど……とりあえず大さじ1/2くらいでいいかな。でもここはバター1かけ(10gくらい)でいくよ!」
蓮 「ふーん、なんか理由でもあんのか?」
彗花「おいしいから!!!」
蓮 「アッ ハイッ」
彗花「それじゃあ、加熱して熱いから気をつけながらフライパンに移してね」
<ジュ~~~~……ジュッジュ~~~~……
蓮 「なんか色変わってきた。茶色っぽいけどいいのか?」
彗花「あ、うんオッケオッケー! 本当はチリチリ3歩手前くらいまですると最高においしいんだけど、今日のところはこんな感じで」
蓮 「なんだかんだ、これでも5分はかかるのな」
彗花「それでも、電子レンジでショートカットしてるから早いほうだよ~。生のタマネギから炒めると20分くらいかかるんだから! 前にテレビで言ってたのは、チンするとタマネギの……さいぼー、がはかい? されて……えーっと……」
蓮 「あ、なるほど。細胞壁が破壊されるから水分が出やすくなって、火が通る時間が短縮されるのか。納得」
彗花(……なんか勝手に納得されて、悔しい……!)
蓮 「んで? 炒め終わったタマネギはひき肉と合わせるん?」
彗花「あっ、そのまえに別の容器に広げて粗熱を取って! そのまま入れちゃうと、タマネギの熱さでひき肉が傷んで、風味が悪くなっちゃうから」
蓮 「りょ。さっき使った耐熱容器でいいか……」
蓮 「ん? 彗花、何持ってんだ?」
彗花「保冷剤だよ、容器の下に置いておくと早く冷めるの! お店でもらったの取っとくと、こういうとき役に立つんだよ~へへっ♪」
彗花「さて、それじゃあタマネギが冷えるのを待ってる間に、他の準備ね! ひき肉をボウルに入れて、パン粉と溶き卵、それから塩・こしょう・ナツメグを入れるよ」
蓮 「調味料って、どんぐらい入れとけばいーんよ?」
彗花「今回は下味程度で、ビンなら2~3振りくらい。お弁当用にしたりや何もソースかけないときは、もう少し多めでもいいかも。あ、どっちでもナツメグは入れ過ぎないほうがいいかな、ちょっとで十分強いから」
蓮 「ふーん……じゃあ、パラパラ振りかけて、っと……」
彗花「そうこうしてるうちに、保冷材のおかげでタマネギも十分冷えたよ! 触ってちょっとぬくもってるくらいなら大丈夫……というわけで、これもボウルに入れて……」
彗花「……よし、ハンバーグの山場、いくよ……! 覚悟はいい……?!」
蓮 「お、おう……(そんな気合い入れないとアカンもんかよ……)」
3.)こねる!
彗花「蓮、ちゃんと手洗えた?」
蓮 「おう……手ぇ洗う前に腕引っ掴まれて『爪切りが先!!!!!』って睨まれたときはどうしようかと思ったけどな」
彗花「そっ、そんなおっかない顔してないじゃんっ! それに大切なんだよ、食材を手で捏ねるときはバイキンが入らないように注意しなきゃ食中毒になりかねないんだから! 爪の間は特に菌が入り込みやすいんだからね」
彗花「あと、爪が長いと単純にお肉の油のヌルヌルが入り込んで取れにくくなっちゃうよ。そんなのいやでしょ?」
蓮 「ま、確かにそりゃーゴメンだな」
蓮 「それじゃ、いよいよ捏ねてくわけだな?」
彗花「はい、庭上サンお願いしマース」
蓮 「よっしゃまかせろ………………っとォ?! うわなんだこれ!! ブニュってする!!!!」
蓮 「うっわ~~~~きっめぇ~~~~~~!!!!!!」ギャハハハハハハハハハッ
彗花(蓮ってテンション上がると目見開いて大笑いするよね……リアクションが美葉と茎一並み……まぁそこは触れないでおこう。でも、)
彗花「一応言っておくと、食べ物なんだから粗末に扱ったらだめだよ? ありがとうって思いながら作ってね」
蓮 「わーってるって! なぁ、これどのくらい捏ねればいいんだ?」
彗花「んー、これも好みによるけど……お肉の歯ごたえを残したかったら食材が混ざる程度、滑らかな触感がよければしっかり混ぜて。ただ、手の熱でもひき肉が傷んじゃうからなんにせよほどほどにね!」
蓮 「じゃ、その真ん中くらい目指すか……だけど、なんかちょっと汁気多すぎじゃね? これホントにまとまるん?」
彗花「あっ、ちょっと水分が多かったかな。そんなときはパン粉をちょっと足して、と……これでどう?」
蓮 「ん……お? おー……! いい具合になってきやがった!」
彗花「よかった、うまくいって! タネがまとまらないときはツナギの量で調整できるけど、多くなっちゃうと食べたときお肉の風味が薄くなっちゃうから、ちょっとずつ足すの」
彗花「ちなみに、鶏肉&豆腐の和風ハンバーグのときは、乾燥ヒジキとか入れるとうまみが増すし健康にいい感じがして、わたしはすきだなぁ」
蓮 「なるほど、いろいろやり方あるのなー。……よし、これでどーよ?」
彗花「うんバッチリ、タネが手につかなくなるくらいだね」
彗花「ちょっと待ってて、わたしも手を洗うから……それで、ふたりで一気に成型してこ!」
4.)空気抜く!
彗花「それじゃあ、蓮が捏ねてくれたタネをハンバーグ型に成型してくよ! 最初に作りたい数だけタネをゆるーく等分しておくと、楽ちんだよ」
蓮 「……なんだその、ゆるーく等分っつー矛盾を孕んだ概念は」
彗花「いや、ほら……厳密にぴったり分けなくていいけど、だいたいで等分になるようにしといてねってくらいの意味」
彗花「……こう書いとかないと、『半分に割ってんのに何でいびつな方とか出てくるんだよw』とか、『等分と書いたからにはすべからくg単位で調整せねば』とか、いろいろ……いろいろね? いろいろ……あるから……」
蓮 「そ、そうか……(触れちゃいけないトコか……つか他の誰か乗り移ってね?)」
彗花「ハッ……コホンッ。これはザックリ4等分にしたから、ひと塊手のひらに乗せてね」
蓮 「こう? ……あ、あーっ! 知ってるぞ、この後……! 両手の間でペチペチキャッチボールみたいにすんだろ!」
彗花「そのとーり! タネの中の空気を抜くんだよ、このままだと焼いたときに中で空気が膨らんで形が崩れちゃうからね。それで一緒に、小判型に形を整えていくんだよ」
彗花「手に油を塗って、こーんな……感じで」ペチッペチッ
『ハンバーグの空気抜き、成形の仕方、コツ』いろことあきは様より
蓮 「こーんな……感じか……」ペチッペチッ
彗花「……」ペチッペチッ
蓮 「……」ペチッペチッ
彗花「……前に、お母さんと、美葉と茎一と、四人でハンバーグ作ってたんだけどね……」ペチッペチッ
蓮 「おー?……」ペチッペチッ
彗花「……お母さんが成型したハンバーグ見て、『……ハクユウコウ……』って涙ぐんでたんだけど……蓮、なんのことかわかる?」ペチッペチッ
蓮 「…………それは…………絶対知らねーほうがいいやつだな……」ペチッペチッ
彗花「……そっかぁ……」ペチッペチッ
蓮 (……伯○考……)ペチッペチッ
彗花「…………うん、できたぁ! あっ、くぼみ入れるの忘れてた」グッグッ
蓮 「おー、わりといー感じに4個揃ったんじゃん? ちょっと足りない分は小さくして別のサイズにしとくか」
彗花「完成は目前だよ! 石けんで手を洗ったら、ジューッと焼いてこ~!」
5.)焼く!
彗花「フライパンに油を引いて、よーくあったまったら成型したハンバーグをそっと乗せていくよ」
蓮 「よっと……こんなトコか? 火加減は?」
彗花「強火! 最初にキッチリ焦げ目を付けとくことで、肉汁を逃がさないの! あっ、でも焦げすぎると食べるときに苦みになるから注意してね。火にかけて1~2分、目を離さないこと!」
蓮 「わ、わかった……!」
<ジュウ~~……
蓮 「ん……このくらいでどうだ?」
彗花「うん、いい感じだね♪ そしたらフライ返しでひっくり返して、もう片面も同じように強火でGO!」
蓮 「よっと! 他のハンバーグ崩さねーように返すのけっこームズいな……でもぉー……やったったぞっ! と!」
<ジュウ~~……
蓮 「裏もだいたい同じくらいに焼けたんじゃねーか?」
彗花「いいね! そしたら火を一番弱くして。フライパンのフタ、スタンバっといてくれる?」
蓮 「ん。こっからどーするん?」
彗花「大さじ1くらいの水を、さっとフライパンの鍋肌から入れてっと」
<シャワーーーーーッッッッ
蓮 「お、おいっ、なんかふらいぱんやべーことになってる!!」
彗花「大丈夫だって、フタ被せて」
蓮 「ホイッ!」
<カポッ ……ジュー……
彗花「中までしっかり火が通るように、蒸し焼きにするんだよ。この大きさだったら……7分くらいで様子見てみようか」
蓮 「……ふ、ふーん? ま、わかってたけど? さっきのは……場を和ませるためっていうか??」
彗花(下唇突き出てるよっていうのは、黙っといてあげよう……)
<…………ジュー……ト……ナナフン……ケイカ………………
蓮 「それじゃ、フタ開けてっと。おっうまそー、もう食えるんじゃね?」
彗花「待って、仕上がってるか確認するから。この竹串を、どれでもいいからプスッとハンバーグに刺してくれる?」
蓮 「おー」プスットナ
蓮 「……おっ、なんか透明な汁がドドッて出てきたな」
彗花「OK! 残りのハンバーグも同じようにして、肉汁が透明だったら火を消してね。濁ってる場合はまだ中が生焼けだから、2~3分ずつ様子見ながら加熱するよ」
蓮 「……ん、全部問題なさそーだぜ」
彗花「よーっし! それじゃあハンバーグをお皿に移して、ソース作るよ~!」
6.)焼いたハンバーグの上に何を乗せるかは――お前の物語だ
彗花「ハンバーグを焼いたフライパンに、ケチャップ・赤ワイン・塩・コショウを入れて、弱火にかけるよ。だいたいケチャップ2/3、赤ワイン1/3、塩コショウはパラパラってくらいの割合かな」
彗花「アルコールを飛ばさなきゃダメなんだけど、すぐ焦げちゃうから注意しながら混ぜ合わせてね」
蓮 「……わっ、マジで結構すぐ焦げんのな。だいたい……こんなもんか?」
彗花「迷ったときは味見味見~♪ はい、小皿。よそってペロッとやっちゃって♪」
蓮 「ペロッ……これは麻yケチャップソース! うん、酒のヘンな感じもねーし、なんならこれだけでメシ食えそうなくらいうめーわ。肉汁のうまみが効いてんなーあーうめ~~~」
彗花「そしたら火を止めて、これでハンバーグに掛けるソースの出来上がり!」
彗花「これが一番定番で、ハンバーグから出た汁も活用できるけど……他にもいろいろあるよねぇ。大根おろしとポン酢でさっぱり言ってもいいし、甘辛く味付けたキノコあんかけも絶妙だし……ハンバーグはなにを乗せても受け入れてくれる、器のひろ~い料理だよ……」
蓮 「そっか、別にケチャップソースに限ったわけじゃねーもんな。ハンバーグに何を乗せるかは……お前の物語だ、ってことか……」
彗花「さっきからやたらモノマネっぽいのしてるけど、なんのネタ?」
蓮 「やってみたかっただけだよ!!!!!!クソッ//////」
蓮 (でも……何を乗せても……何を選んでもいい……それは自分の物語……そうか!)
蓮 (あそこでアイツをああして……ちょっと助言っぽい感じで主人公に……おっ、おああ! キタッ、来た来た来たぞこれ! 展開、繋がった!!)
蓮 「……彗花、サンキュな」
彗花「ん? どーしたの改まって?」
蓮 「おかげで、煮詰まってたところ超えたわ。おまえの言う通り、気分転換して正解だったぜ……じゃあアタシ、ネームに戻るわ!」
彗花「………………………………え、何言ってるの?」
蓮 「へっ?」
彗花「言ったじゃん、ひき肉が特売だったって。まだまだひき肉、残ってるんだよ?」
蓮 「……へっ?!」
彗花「今のはおかず用の冷凍分ね。次はお弁当用のミニハンバーグだから。最後に、今晩の食卓の特大ハンバーグステーキ! あつあつ目玉焼き~のせる絶対にーのせるゥ~~♪」
蓮 「ガチだったんかい!! なんでそんな買ってるんだよ!!」
彗花「だって、実はひき肉って別にそんな安くないんだよ?! 最近あんまり値下がりしなかったんだから、これを逃したらいつハンバーグ作りだめできることか……!!」
彗花「ううっ、うちにフードプロセッサーがあれば……ひき肉になってるやつじゃなくても、安いお肉買っていつでも細切れにしてひき肉にできるのに……」
蓮 「細切れ……ひき肉……『でもきっと、“細切れにしてしまう者”というのが正確な表現かもね。そう、挽肉(ミンスミート)のミンサー――人の心を、バラバラなものとしてしか把握できない奴、ってね――』……ハッ つい出てきちまった……」(註※上遠野浩平先生著『ビートのディシプリン』最高のやつなんで読んでください。特にDISC2)
蓮 「いや彗花、頼むわ、マジで今波がッ」
彗花「ん~~~~~~~~~~~~~…………?」
蓮 「――~~~~~~っ! わーったよ!! あーもうっ……こうなったら秒で終わらせっからな!!」
彗花「蓮のやる気が出たみたいで嬉しいなっ♪ 流れはだいたいわかったでしょ、残りの食材ガンガンさばいてこーね!」
7.)まとめ
材料
~ハンバーグ~
・ひき肉(なんでもよい) 約400g
・玉子 Mサイズ1個
・パン粉 約50g
・たまねぎ 半分~1個
・炒める用の油 量によって小さじ1~大さじ1
・塩、コショウ、ナツメグ
・差し水用の水 大さじ1程度
~ソース~
・ケチャップ
・赤ワイン
・塩、コショウ
手順
①材料を出来るだけ全部並べておきます。
②タマネギは問答無用でみじん切りにし、耐熱容器に入れ、ラップをし、【500w3分】電子レンジにかけます。うっすら透明になったら油(バター推奨)を引いたフライパンに入れ、中火で茶色になるまで炒めます。無論飴色を目指して頂いても何ら問題ございません。炒め終わったら別の容器に広げて粗熱を取ります。保冷剤などがあれば容器の下に入れておくと時短になってso GOOD。
③ボウルに【ひき肉・②で炒めて冷めたタマネギ・溶いた玉子・パン粉・塩コショウナツメグ】を入れます。きちんと手を洗って……洗いましたか? 洗いましたね? その清潔になりたての手を、満を持してボウルの中に突っ込み、遺憾なく【】内のモノどもを捏ねてください。手に引っ付かなくなる程度にまとまったら仕上がりです。水気が多くまとまらないときは、パン粉をチョイ足ししながら様子を見てください。
④タネをすきな大きさに手のひらに乗せて、両手でキャッチボールみたいに叩きつけ、空気を抜きます。……伯邑○……。小判型にまとめたら真ん中にくぼみをつけてバットとか、まぁそういう感じの平たいところに並べておきます。……安らかに……。
⑤フライパンに油を引き、良く熱したら④で成形したハンバーグを焼いていきます。強火で短時間に焼き目を付け、ひっくり返し、もう片面にもしっかり焼き目が付いたら、差し水をフライパンの鍋肌から注いでフタをします。手のひらサイズのハンバーグなら7分、がっつりなハンバーグステーキなら10~20分、様子を見ながら蒸し焼きにします。だいたいのところでフタを開け、竹串……とか、つまようじ……とか、なければ箸でいいんですが、とにかくブッ刺しまして、あふれ出る肉汁が透明であれば火を止めてください。
⑥ハンバーグを皿に移し終わったら、その後のフライパンにケチャップ・赤ワイン・塩コショウを入れて、弱火で混ぜます。アルコールが飛んだらケチャップソースの完成です。
⑦最後に、焼けたハンバーグにソースをかければできあがり! ⑥のソース以外でも、乗せるのは何でもいい……それはお前の物語だ。
8.)おまけ
蓮 「や、やっと……作り終わった……」
彗花「おつかれ~! いやぁ……まるで鬼みたいな活躍だったねぇ、蓮♪」
蓮 「おかげさまでな!! あーあ、もう夜じゃねーか……」
蓮 「あれ? でもビミョーにタネ余ってるくね?」
彗花「うん、成型して大きさ揃えたときに、ハミ出ちゃった分だね」
彗花「そうだ! これをこーして、平べったく……それからジューッと……♪」
蓮 「あ、なるほど……ハンバーガーのパテみたいにすんのか」
彗花「そうそう! またバンズ買ってきて、おうちでハンバーガー屋さんゴッコするのもいいかなって♪」
彗花「いつもは余ったタネはピーマンの肉詰めにしてるんだけど、今ピーマンないし」
蓮 「あー、それもうまそうだなー……『孤独の○ルメ』でも確か、新鮮なピーマンにひき肉焼いたん挟んで食ってた回があったっけ……って、ありゃつくねか」
彗花「コ○グルはいいよねぇ……ゴ○ーさんがおいしそうに食べてて……」
蓮 「……」<グーキュルル
彗花「……」<グキュールルル
蓮 「……腹減ったな、飯にすっか」
彗花「そだね……」
――こうして、特売ひき肉1キロ/パック980円(税別)×2パックは、無事おいしいハンバーグへと変身し、池野家の冷凍庫の中で食べられるその日を静かに待つことになるのでした。
しかし、ハンバーグの上にのせる目玉焼きが半熟か固焼きかでふたりは大ケンカすることになるのですが……それは別のお話。
おしまい。
次回予告!
たいへんたいへ~ん! きんぴら作ろうと思って買ったサツマイモの残りが化石に片足ツッコんじゃってる! これはシチューにして救出しないと……え? もう4月末? 寒い日もあるからだいじょーぶ! 次回、『サツマイモシチュー』。レッツおうちでクッキング☆
おうち読書のおともにしてやって頂ければ幸いです!
ご感想やレビュー、誠に励みになります……!
頂いたカンパは、同人誌での作品発表や品質向上にありがたく使わせて頂きます!