見出し画像

【おしらせ】『夢かうつつの雪魚堂~日本橋、みこころうつしの紙雪舞う~』が「ことのは文庫 ライト文芸賞」を受賞しました! あと近況報告

御礼

雪魚堂 イメージ ロゴ入り

 昨年エブリスタにて発表した『夢かうつつの雪魚堂~日本橋、みこころうつしの紙雪舞う~』が、「ことのは文庫 ライト文芸賞」を頂戴しました! 連載中から応援してくださった皆様、本当に、本当にありがとうございました……!

 一昨年、友達に連れられて紙博さんを訪れたとき、オタク特有の紙愛に歯止めが利かなくなり「紙……いいよね……」「紙……紙でなんか書きたい……」「和紙のとんてんかんてん漉くのがいい……」「ともかく紙でなんか書きたい……」と夢想を温めておりました。キャッチ―な要素も盛り込んだら通らねぇかなとか下心満載でイケメンが3人くらい出てくる感じの企画書をしたためたのですが呆気なくボツり、その後世間がごらんの有様となって、後回しになっておりました。

 後述しますが『スイレン・グラフティ』の続刊が見込めなくなったので先に1年生編を同人誌で完結させようといろいろ動いていたのですが、だいたいの構想も出来ているのに、どうしても書けない。どうしたものか、と悩んでいたときに「ことのは文庫 ライト文芸賞」が開催されることを知りました。前から憧れていたレーベルだったので思い切って挑戦してみよう、と破れかぶれで寝かしていた上記のネタをこねくり回しました。

 前からキャッチ―を狙っていくと必ず盛大に滑るというジンクスがあり、開き直って「もう知らねぇ!! イケメンよりうさんくさいオッサンがすきだ!! カタブツでキーキー言ってる女子がすきだ!! ついでに何考えてるかわかんねぇショタぶっこんでおねショタにしてやれ!!!!!!」と自分のすきなのだけ詰め込みました。あと昔からホラーとかお化けは苦手だからなんか陽気なのがいいよねってことでああなりました。でも『呪術廻戦』はおもしろいよね。野薔薇ちゃんと東堂くんと伊地知さんがすきです。

 ともかくぜんぶぶっこみました。胸キュンシーンがないと、とか、もっとイケメン出さないと、とか、いやこんな重たい話ウケないでしょ、とか、聞こえてくる幻聴をぜんぶ薙ぎ払って書き切りました。正直もうこれで無理だったら個人で細々やっていくしかない、とも考えてました。

 すきなことを書きました。ほしい救いを書きました。私だけじゃなく、なんとなくさみしくて、所在のない誰かと、みんなと、夢かうつつもさだかでないけど、確かに歌い合って踊り合って笑い合って頷き合えた、そんな場所があったらいいなと書きました。

 そして、幻聴とか現実とか弱っちい自分とか、そんなものに負けそうになるのをずっと助けてくれたのは、他でもない読んでくださった皆様です。雪魚堂だけじゃない、スイレンを、アン安を、やなればを、その他の作品を、読んでくださった皆様のおかげです。そしてときに、読んだときの気持ちを私に渡しに来てくださったからです。

 これからもけっつまづきながら、引き続き執筆に精進してまいります。
 なにとぞ今後とも、ご声援賜れれば幸いです。

『スイレン・グラフティ』の完結と今後の予定について

 上段で少しふれました通り、電撃文庫から発売している『スイレン・グラフティ』にですが続刊の予定はございません。ただ事前に申し上げた通り、最低限1年生が終わるまでは責任を持って書き切るつもりでした。なぜなら彗花と蓮の家庭の事情が落ち着くのがその時期の構想だからで、これは二人の家庭環境をあのようにすると定めたときから決めていました。

 ただ、それだけにとても重たい話でハードルが高く、ずっと書き出せずにいました。このままだと書けずに終わる、という懸念から無理やり年末から書き出してはいたのですが、つい最近ようやくゴールの目途が立ったためここでお知らせした次第です。そして退路を断つ所存です(白目)。

 スイレンの続きを待ってくださっている方には遅いご報告となって本当に申し訳ありませんでした。実際、協力をお願いしていた方に不義理を働いてしまったこともあり、慚愧の念に堪えません。それでも、雪魚堂を経てからでなければ、ここまで辿り着けませんでした。その中でふと出てきた魚之丞のある台詞が、心の整理をつけさせてくれたからです。

 お察しの読者諸兄もいらっしゃることと思いますが、スイレンのテーマの一つは家族です。ゴールはある程度決まっていたけど、そこに辿り着くには自分の中で家族とは何なのか、という答えをはっきり出さなくてはなりませんでした。うんうん唸っていても見つかりませんでしたが、雪魚堂を通してめぐり合うことができました。どうかご容赦を、というのはあまりに図々しいので、遅れた分だけ誠心誠意、したためてまいります。

 というわけで、『スイレン・グラフティ』③&④は2021年春季の同人誌即売会で新刊頒布となります! 今ね、11万字まで書いたからあと約9万字です!! でも印刷所の〆切が3月末だからあと1ヶ月切りました!!!!!!!! がんばります\(^O^)/!!!!!!!!!!!

 また、社会情勢的に参加予定の同人即売会が中止or延期、もしくは自己判断で参加を取りやめる可能性もございます。いずれの場合にも新刊発行は続行し、WEB通販等で頒布します。詳細が確定しましたら改めてご案内いたしますので、今しばらくお待ち頂ければ幸いです。


どうでもいいことと雪魚堂のこぼれ話


 最初和紙がたくさん出てくる紙問屋の話がいい~~~て思ってたんですが調べているうちに紙漉き工房もとても魅力的で、どっちにしよう……どうしよう……とぐるぐるしてました。いやどっちもやったらええやん、ということで最初は紙問屋、あとから紙漉き工房を出すことに。

 というわけで雪魚堂としてはふんわり三部作くらいかな、と考えてまして、二作目に紙漉き工房の話に触れ、そっちのヒロインと成海でクロスしたら楽しいや~んとか勝手に考えてます。え? また打ち切りになったらどうするんだって? そんときゃ同人で出しゃいいだけよ(^O^)/ というのは本気半分強がり半分なので、書籍で出たときはぜひ応援してやってください……まぁまずそこのスタートラインに立てるかやけど……。

 あと応募要項が「大人女子が楽しめる」とあったのですが「大人女子は何を楽しむのかわからねぇ……!!!(モブおじだから)」と悩んだ挙句、学生時代の同期たち(女子含む)とオンライン飲み会して訊ねました。みんな「大人女子……とは……?」「胸きゅん……とは?」「イケメン……とは?」とプーさん顔になってすごく安心しました。変わらねぇよな俺ら。「あれだよ、壁ドンじゃなくて胸をドンってするんだよ!!!」って出てきた案はありがたく使わせて頂きました。でも想定してたのああいう場面じゃないよね。ごめんな。

 それとこれは本当にどうでもいいんですけどアニメの『呪術廻戦』にドはまりして(OPの野薔薇ちゃんにフリクリみを感じて調べたらキャラデが平松禎史さんだった段階でもう逃げられなかった)、原作買おうとしたら軒並み売り切れで転売ヤーを呪殺するにはどうしたら……と真剣に考えていたら、「今e-honで全巻セット予約復活してるよ」って友達が教えてくれて速攻ポチッたら15分後には予約終了しててとても怖かったです。これが旬……これが爆売れ……。野薔薇ちゃんが、もう本当に野薔薇ちゃんが、ありがとうしかない……東堂は大天使……伊地知さんはお疲れ様ですってお茶差し入れたい(事務職だから共感がひどい)……。

 このあとはずっと呪術の話が続くので終わります。暖かくなってまいりましたが、皆様も引き続きご自愛ご養生の上日々を少しでも心安くお過ごしいただけますように!

頂いたカンパは、同人誌での作品発表や品質向上にありがたく使わせて頂きます!