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Q&A「ドラムの打ち込み方が分からない」

こんにちは、オーナーの吉田です。

先日サロンメンバーさんから「ドラムの打ち込みが分からない」と相談を受けたので、それを毎月行なっている外部向けゼミの中で解説しました。

その大まかな内容をnoteにもまとめたいと思います。タイトルにもある通りドラムの打ち込み方なので、主にDAWで作曲をしている方向けの文章になると思います。

「打ち込みは自分の好きなように作っていい」とよく言われると思いますが、違和感を覚えないようなルールがあるのも事実なので、順を追って説明していこうと思います。

まずドラムとは

ドラムという言葉が指すものが人によって違うと思いますので、一旦「リズムを受け持ち、ハーモニーを重要視しないパート」をドラム(パート)としようと思います。

バンドなどで演奏されるドラムセット、吹奏楽の合奏で使用されるパーカッション類、TR-909のようなドラムマシン、1音だけのサンプルやループサウンドもドラムという言葉に含まれるのでは、と思います。

ドラムのパターンに時代やジャンルによって定番フレーズがあるのですが、今回は超基本フレーズから解説していきます。

守:基本的なパターンを知る

生のドラムの場合

Addictive DrumsBFDなどで打ち込む方が多いと思いますが、基本的には人が叩くような腕2本で演奏できるパターンを用いることをお勧めします。

初心者が教本や指導者に叩かされがちな8ビートのパターンを基に考えてみます。黒丸が音が鳴る部分、白丸が音が鳴らない部分で、丸は8分音符だと考えてください。

1.     2.    3.    4. 
●●●●●●●●
 ←ハイハット・シンバル
○○●○○○●○ ←スネアドラム
●○○○●●○○ ←バスドラム

このパターンを打ち込んで物足りない感じがする場合は、下のルールに沿って音符を増やしたり減らしたりしてみましょう。

ルール
バスドラムは1,3拍目
スネアドラムは2,4拍目
ハイハット・シンバルはそのまま

パターンを変えた一例として、次のようなものが考えられると思います。

1.     2.    3.    4. 
●●●●●●●●
 ←ハイハット・シンバル
○○●○○○●○ ←スネアドラム
●○○●●●○● ←バスドラム

ドラムマシンの場合

TR-909やTR-808のようなドラムマシンにはステップ(≒音符の数、普通は16ステップ)があり、それぞれ楽器のオンオフを決めるような作り方をします。

生のドラムの場合は2本の腕で演奏できるようなパターンが自然に聞こえることが多いですが、ドラムマシンの場合は何種類もの楽器が同時になるようなパターンもあります。

今回は、よくダンスミュージックなどで聞かれるリズムを見てみましょう。こちらもルールに沿ってパターンを変更してみてもいいかもしれません。

●●●●●●●● ←ハイハット・シンバル
○○●○○○●○ ←スネアドラム
●○●○●○●○ ←バスドラム

ルール
バスドラムは1,2,3,4拍目(4つ打ち)
スネアドラムは2,4拍目
ハイハット・シンバルはそのまま

破:少し応用する

パターンをさらに作りかえてみる

上に書いたルールはかなり厳しいものなので、バンドスコアやネットで他のドラムパターンを見つけて、少しずつルールを破っていきましょう。

例えば、ハイハットの音を減らしてみたり、バスドラムとスネアドラムのルールを入れかえてみたりすると聞こえ方が全く変わると思います。

ちなみに、上の8ビートより細かい16ビートでパターンを作るとさらに幅が広がります。

パターンをつなげる

Aメロ、Bメロ、サビと展開のある曲を作る場合は、セクションごとにパターンを変えるとメリハリがつきます。

また、パターンが変わる直前にフィルイン(考えるより丸パクリすることをお勧めします)を、変わった瞬間にクラッシュ・シンバルを鳴らすと変化したのがより際立ちます。

とはいえ、適当なパターンを3つ並べても有機的につながっているように聞こえないことも多いので、実際の作例を参考にしてみるといいと思います。

離:色々なテクニックを使う

音色をレイヤーする

生のドラム音源を使っていると、何となくバスドラムが薄いような気がしたり、スネアドラムの音色が気に入らないと気があるかもしれません。

そういう時は複数の音色を重ねてみましょう。バスドラムならより低音が強いものを重ねたり、木質の硬い音を重ねたりしてもいいと思います。スネアドラムならクラップを重ねてみてもいいかもしれません。

「こういうことをしてもいいのか」と思う方もいるかもしれませんが、本物のドラムでも、例えばスネアドラムは表面に皮、裏面にスナッピーが張ってあるのでレイヤーされた音が鳴ります。

ループ音源を使う

作曲するにあたって1音1音吟味して音を置いていくことも必要ですが、時と場合によって、既にあるものを使った方が素早く作れることも多いです。

例えば、DAWなどに付属しているループ音源(2小節とか4小節分の録音)を自分が打ち込んだドラムに重ねてもいいですし、EQでローを削ってシャカシャカした音だけを使うのも面白いと思います。

ドラムの音ではない音をドラムのように使う

例えばホワイトノイズをリリース長めに設定して鳴らすとスネアドラムのように使えそうな音が鳴ります。

環境音を切り刻んでサンプラーに入れてみたりしても面白いかもしれません。アイデア勝負です。


いかがでしょうか、もし分かりにくい部分があったらコメントなどでお知らせください。

また、今回お話ししたような内容をオンラインサロンでもお話ししています。10日間の無料会員登録で中の様子を確認してもらえたら嬉しいです。

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