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不公平感を募らせる根の深い問題! 「スモークハラスメント」

こんにちは、コンプライアンス・オフィサーの越田です
長らく禁煙していましたが、札幌に戻り再び喫煙者になりました
 
 
 
スモークハラスメント=健康被害! だけではない・・・?
 
スモークハラスメントと聞くと
「吸い殻が山のようになった灰皿」
「副流煙による健康被害やニオイ」
などが思い浮かぶでしょう
 
しかし、禁煙・嫌煙が当たり前になった現代は
新たな問題が出ています
 
多くの会社で、オフィス内禁煙や敷地内禁煙
(オフィスビル、商業施設、医療機関)
が一般的になった近年で「スモークハラスメント」は
今までと違った問題を生み出しています。
 
私の会社員時代終盤に通っていたオフィスビルは
最新のランドマークビルの高層階でした。
 
当然ながら、敷地内禁煙で入居企業従業員向けに
小さな喫煙室が目立たないように設置されていました
 
 


 
自席から喫煙室に行くにはエレベーターを乗り継ぎ
フロアの端まで入り組んだ通路を歩きます。
やっと喫煙室に着いても狭い部屋のため満員で、
順番待ちすることもあります(笑)。
 
自社フロアの自席と喫煙室の往復だけで20分以上かかることもあります
それにタバコを吸う時間が加わりますので、
喫煙者は長時間オフィスを離れるということになってしまいます
 
敷地内禁煙や高層ビルのオフィスでなくても
コンビニや公共の喫煙所、駐車場の自分の車まで
タバコを吸いに行く人もいるでしょう。
 
タバコを吸うのは個人の嗜好なので
禁止された場所以外での喫煙は自由です
しかしながら、オフィスに出勤しての業務遂行を
考えた時に別の問題が発生します。
 
仮に1回15分を1日5回で合計75分間自席にいない・・・となると
 ・1日の勤務時間の問題
 ・残業の問題(75分少ないのに残業つけるの!?)
 ・非喫煙者から見ると仕事をサボっている
 ・私(非喫煙者)も75分間の息抜き時間が欲しい
 ・離席時の外部から当事者への電話の対応
 ・離席時の当事者への来客対応
 ・当事者への報連相や決済事項が滞る など
 
つまり、本人の勤務時間の問題以外にも
社内の他の従業員に必要のない業務を負わせる可能性が高まります
同じ部署内スタッフの時間を奪っているとも言い換えられます
 
こういった不満の蓄積は
喫煙当事者から他社員への
ハラスメント(不快感や精神的な苦痛を与えること)
と捉えることもできます

これが、現在の「スモークハラスメント」です
 
非喫煙者との不公平感や残業時間の正当性
多職員への負担、ニオイなど違った形で
社内・部署内の歪みを広げていき
職員間の対立や人事評価、部署内での離職などの
大きな問題に繋がることも珍しくありません
 
 

残念ながら、このスモークハラスメントには
明確な解決方法はありません
 

対策として「全社員禁煙」を打ち出す企業もありますが・・・
 
 ・プライベートを含め全面禁煙にすると発表したら離職者が急増した
 ・禁煙チャレンジに手当支給すると発表したら施行前に喫煙者が増えた
 ・タバコが吸えないことで喫煙者メンタルダウンの訴えが発生した 
 
などという、残念な事例も発生しています。

 
会社全体で充分に話し合い、
喫煙者・非喫煙者ともに納得できる社内のルール
を設けることが解決への近道でしょう
 
(両者納得:これが大変難しいのですが・・・)


読んでいただきありがとうございます。上場企業や大企業以外では定着していない「コンプライアンス」をわかりやすく伝えていきたいと思います。