27歳限界童貞が"童貞卒業"した方法2。
前回の記事でも紹介したように、童貞だけを集めたアイドルを立ち上げることになった僕。
グループ名は "SDT48(スペシャルドウテイ)"。
さっそくオーディションサイトでメンバー募集を始めた。
2ヶ月ほどの募集期間を経て、8人の童貞がオーディション会場に現れた。
正直僕は「応募来るかな…」と半信半疑だったため
「本当に来た笑」という感じだった。
オーディションといっても所謂アイドルオーディションのようなダンス、ボーカル審査などは皆無で、簡単な自己PRや特技披露などが行われた。
そして上記の左から4番目のおじさん(川嶋さん)を除き、6名の童貞がオーディション合格を果たした。
ちなみに川嶋さんは、既婚者であったため不合格となった。
そこに僕を加えた7名で、飲み会のノリと勢いだけで始まった童貞だけを集めたアイドル"SDT48"の活動が幕を開けた。
いきなりTikTokでバズ連発
アイドルというものに特に知識がなかった僕は、とりあえず流行の発信地であるTikTokを始めることにした。
すると驚異の100万回再生越えのバズを連発し、わずか1ヶ月あまりで2万人ほどのフォロワーを獲得するに至った。
"童貞アイドル"というコンセプトから「バズりそうだな」と思っていたことは思っていたが、まさか若者からここまで支持されるとは正直思っていなかった。
最初は信じられない量のdisりコメントで埋め尽くされていたが、活動を続けていくうちに応援してくれるファンの方々も増えていき、グループ結成から3ヶ月経ったタイミングで、初のリアルイベントを開催することにした。
初イベントは、台風直撃という悪条件の中、幸いにも40名以上の方々にお越しいただき、成功に終わった。
40名と聞くとそこまでの数字に思えるかもしれないが、当時お客様がきてくれるのか不安なままイベントを開催した僕たちにとっては、とても大きな数字だった。
その後もSNSの発信とイベントを続け、徐々にファンの方々も増えていった。
しかし、ここでまた新たな壁にぶつかる。
それは各メンバーのモチベーション格差である。
メンバーの中には芸人さんや役者さんと並行してアイドル活動を行っているものも多く、それは僕も承知の上だった。
・アイドル活動を優先させるべき(結果が出ているアイドルにコミットし、後々本業に専念する)
・アイドル活動はあくまでサブ(アイドル活動を広報活動として捉え、本業に専念する)
この2つの意見がグループ内でも分かれ、長い話し合いが行われた。
しかしその意見はまとまることなく、グループは新たなステージに向かうことになる。
2期生メンバー募集
メンバーの方向性がまとまらず、SNSの発信力や集客力にも翳りが見え始めたことをきっかけに、新メンバー募集という新しいプロジェクトが立ち上がる。
そして同時に、3名の既存メンバーがSDT48から脱退することになる。
それは、るい、いっとく、そして僕である。
SDT48は元々、自分が売れるために立ち上げたグループである。しかし活動を続けるうちに「グループを成功させたい」という気持ちの方が日に日に強くなっていった。
そしてグループを成功させるには、自分がアイドル活動を継続するよりも、裏方としてグループを引っ張っていくことの方が有益だと判断した。
他の2名も、「このメンバーで続けないと意味がない」「アイドルにしては年齢を重ねた自分より、フレッシュなメンバーの方が成功できる」などの思いから、グループを退いた。
童貞卒業のイントロ
2023年5月ごろ、"SDT48プロデューサー"という新たな肩書きを手にした僕は、新メンバーオーディションの企画制作に日々追われていた。
当時僕は、新メンバー発掘のためにTikTokのライブ配信を毎日行っていた。
少しでも耳目に触れて、グループや自分のことを知ってもらう必要があったのである。
フォロワーが特段多い訳でもない自分にも、毎日コメントをくれる視聴者さんなども現れて、嬉しかったのを覚えている。
そして同じ時期に、残された4名の1期生メンバーの最後のイベントが開催されることになった。
ラストイベントの集客に困っていた僕は、今では行っていないが、フォロワーさんに片っ端からイベントのお誘いDMを送りまくっていた。
「このイベント来てくれませんか?」といった感じで。
ほとんどの人はリアクションを示さない中、ある女性から返信があった。
イベントについてのご案内を続けている中で、とある事実が明らかになった。
それはDMのお相手が、僕のTikTokライブをほぼ毎日見てくれている視聴者さんであること。
正直そこまで多くの方からコメントをいただいている訳ではなかったので、「よくコメントくれる子だ」と分かった時は妙な親近感を覚えた。
待ち合わせ
先のイベントでは、集客を地道に行い、何とかラストイベントを開催することができた。
そして、先の女性はというと…
イベントには来なかった。
仕事がやはり忙しかったようで、当日会場には現れなかった。
せっかくなので一目見たかったのだが、「まあ仕方ないか」と納得した。
しかし同時期に、スポンサーさんの挨拶周りで出張に行くことになる。
そして奇遇にも、その出張先が連絡を取っていた女性の住むエリアだったのである。
僕は下心100%で彼女にメッセージを送った。
「今度会えませんか?」
「はい」
前後に色々やりとりがあったが、なんと会えることになったのである。
下心100%で飛行機のチケットを取り、下心100%で飛行機に乗り込み、下心130%で飛行場に降り立った。
昼間のうちに仕事を片付け、予約していたホテルに向かった。
少し休憩してから、近くに住んでいる友達と久々に会った。
お店を予約していなかったので、おすすめのお店を聞いたりなんかして過ごしていたら、待ち合わせ時間まであと1時間。
若干緊張していたが、ここまで来たら楽しむしかない。
下心270%の僕は、待ち合わせ場所に向かって歩き出した。
初対面
待ち合わせ時間5分ほど前に到着し、TikTokを見ながら時間を潰していた。
すると後から…
「初めまして〜」
と明るい声が聞こえてきた。
後ろを振り返ると…
そこには"美"が立っていた。
実はDMのやり取りはあれど、女性の外見や雰囲気も全く知らない状態で待ち合わせしていた。「どんな人かな〜」なんて思っていたけど、何のことはない。
ただ"美"がそこには佇んでいた。
その後は、"美"がおすすめという焼き鳥屋に移動した。
初対面だったが、気さくで話しやすい雰囲気の女性だったので安心したのを覚えている。
その後はバーに移動して、その後カラオケに行った。この辺はもうだいぶ酔いが回っていた。
3軒目のカラオケを出たところで僕は口を開いた。
「もう遅いしホテルで休憩していく?」
かなり下手くそな言い回しだったように思うが、"美"は「何もしないなら」と答えた。そして一緒にホテルの部屋に帰ったのである。
勃!!!!!!!
今思うと最低すぎるが、「何もしないなら」という"美"に対して、僕はめちゃくちゃ"何もした"。
しかしありがたかったのが、"美"がそれをとても優しく受け止めてくれたのである。
ただ、世界は残酷だ。
受け入れ難い現実と直面することになる。
勃たない(^ ^)
最初は「そんなはずはない、だって下心700%の俺が」と思っていたが、数分間の試行錯誤を重ねた結果、それ以上大きくなることはなかった…
「ごめん…」と声を振り絞り"美"の方を見た。
"美"は嫌な顔一つせずに「しょうがない」と言ってくれた。やさ。
自分が情けなかった。自分が緊張しているというだけで…
彼女にかける言葉が見つからなかった。
そして気がつくと朝になっていた。
2人で一緒にベッドで横になった感覚は残っていて、その時間が一番心が満たされていたのははっきりと覚えている。
帰りの支度を済ませて、2人で近くの食堂に朝食を食べに行った。
"美"の胸元にかなりデカめのキスマがついてしまっているのを見て「やっぱおれ童貞だな…」と思ったことを強烈に覚えている。
力加減とか分かんなかった…まじすまん。
その後最寄り駅で"美"と別れ、僕は東京に帰った。
"美"にとっては分からないが、僕にとってはとても充実した時間だった。
ペットボトルの水を口移しで飲ませてもらった瞬間が下心の最高潮だった。
第二回
楽しい時間だったのは間違いないが、時期や場所など偶然が重なって"美"に会うに至ったこともあり、それ以降会うことはないだろうと思っていた。
しかし心のどこかで"美"のことが気になっている自分がいた。
中途半端な形で終わったとはいえ、初めて一夜を共にした女性であることは間違いない。
そんな矢先…
"美"から連絡があった。
「今日私の誕生日なんだ!」
唐突な連絡だった。
まさか向こうから連絡が来るとは思っていなかったので、とても驚いたのを覚えている。
そして気がつくと彼女に会いに…
飛行機のチケットを予約していた。
まあ正確に言うと、せっかく久々に連絡を取ることになったので、その流れで「また会いたい」と伝えたら「いいよ」と言ってくれた。からの飛行機予約である。
そして約2週間後の週末に…
またもや同じ地に降り立つことになる。
今回は前回とは違って、仕事でもなんでもなくただ普通に"会いに来た"だけである。
童貞卒業のイントロ2
そして待ち合わせの時刻通りに彼女が現れた。
仕事終わりの深い時間(確か23時すぎ)での集合だった。
1.近くのバーでお酒を飲んだ。
2.ホテルに向かった。
3.SEXした。
というようにスムーズに事が進めば、僕はこの年まで童貞ではなかっただろう。
1〜2はまだしも、問題は3である。
前回の反省点を踏まえ、お酒を飲み過ぎなかったり、なんとなく事前の知識を蓄えて望んだ。
とはいえ"勃たなかった"というあのトラウマにも似た感情が、まだ残っていた。
途中でコンビニに寄って、お酒とかおつまみを買ってホテルに戻った。
なんとなくテレビを2人で見ながら過ごしていた。
M-1を優勝する前の令和ロマンが出ていたことを、なぜか鮮明に覚えている。
そしてそれぞれシャワーを浴びて、部屋に…
謎の緊張感が漂っている。
いや緊張しているのは僕だけなのかもしれない。
今回は僕から彼女の手を握った。
しかし握り方が不自然すぎて「?」みたいな顔をされた。
しかし彼女は拒絶することもなく、それを受け入れてくれた。
テレビを消して、部屋の電気を消して、その時は訪れた。
前回よりはスムーズに事が進んだ。
そして、ゴムをつけて…
違和感
……………
あれ、おかしいな。
あれ、なんか…
…………..
勃たなくね?
そんなはずはない、だって目の前にはこんなに素敵な女性がいるじゃないか。
でも…
しかしながら、僕のアレは一向に元気になることはなく
「今日も無理だね…」となった。
前回と同じように彼女は「しょうがない」と言ってくれたけど、流石に..
そしてその日も最後まで決着がつくことはなく、朝を迎えた。
朝
実は前々からのやり取りで、次の日は一緒にどこか出かけることになっていた。
一緒に食事を済ませて、期間限定の展覧会に行った。
展示物を見たり、グッズを買ったり(ちなみにその時に買ったコースターは、コーヒーをぶちまけて使い物にならなくなってしまった)
その後一緒にゲームセンターに行った。
ゲームセンターはあまり行ったことがなかったので、意外にも楽しい場所ということを教えてもらった。
とりあえず総合的に、めちゃくちゃ楽しかった。
その後は一緒にホテルに戻って、少しだけ一緒にお酒を飲んだ。
時間は19:00前後だったと思う。
ぼーっとテレビを見ている途中、まだ会って2回目にも関わらず、彼女との楽しい時間が蘇ってきた。
地方ということもあり、なかなか彼女に会うこともない。
なんなら今後一切連絡を取ることもないかもしれない。
「もう帰るね」と彼女が言った。
今の自分の気持ちに素直になることにした。
「好きです」
彼女はとても驚いていた。
それはそうだろう、だってまだ2回しか会ってねえのに。
正直僕も、彼女の全てを分かっていた訳ではなかったが、「もっとこの子のことを知りたいな」という気持ちに嘘はなかった。
しかも、昔から思ったことはすぐにやりたくなってしまうタイプ。
自分の気持ちを押し込めておくことはできなかった。
少し間を置いて「考えさせて欲しい」と返事が返ってきた。
まあ会って間もないED男に告白されて、すぐに断らなかったのも、彼女の優しさだろう。
僕は「うん」と言った。
"別にショック受けてませんよ顔"で言ったけれど、たぶん顔にはしっかりショックの色が出ていたと思う。
そして「もう帰る」という彼女を駅まで送っていくことにした。
正直めちゃくちゃSEXしたかった。
というより、2回連続で中途半端な形で終わってしまった申し訳もあり、なんとしてでも最後まで彼女と時間を過ごしたかったのである。
いやごめん普通にSEXしたかっただけかも。
まあ帰るというからには仕方ない。
すまし顔で「送っていくよ」と言い放ち、既にパンツを脱ぎ去り、その中は既に裸状態だったバスローブから、ジーパンに着替えた。
駅までは5分ほど歩いた。ノーパンで。
改札の前について彼女が振り返った。
僕は、もう一度自分の思いを彼女に伝えた。
彼女は「ありがとう」と呟き、改札の奥へと消えていった。
その時一度も振り返らなかったのが、やけに印象的であった。
次の日は東京で朝から大事な仕事があったので、足早にホテルに帰った。ノーパンで。
もう長い間吸っていなかったが、途中でショートホープを買って、1本だけ吸ってゴミ箱に捨てた。
そう、ノーパンでね。
始発列車に乗り込み、空港へ向かった。
彼女からの連絡はない。
その日の仕事も無事終わり、さらに1週間が過ぎた頃、彼女から連絡が来た。
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