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ポートランドの記憶

4年前の秋、アメリカのオレゴン州ポートランドに留学した。もう4年も前なのか。
半年だけだったけれど、私はポートランドのことが大好きになった。

ポートランドは程よく自然があって、秋の木々は色鮮やかで、過ごしやすい気候だった。日本の秋なんてないようなもんだから、すごく感動した
し、毎日公園の中を歩いて学校に行くのがとても好きだった。

街の雑貨屋さん、古着屋さん、色んなものが自分にフィットして心地よくて、自分が自分でいられた気がする。

老夫婦のおうちにホームステイをしていた。マザーは少し身体が弱くて一緒に出かけたりはあまりしなかったけど、いつもカラフルなお洋服を着てて可愛くて、私の服もいつも褒めてくれた。ファザーは、明るくて元気でいつも朝ごはんとお昼用のサンドイッチをつくってくれた。ふたりとも本当に優しくて、至れり尽くせりだった。元気かな。

毎日学校に通って、課題をして、放課後や週末はちょっと仲良くなった数人の友達とたまに遊んだり、一緒に勉強したりした。でも、だいたいはひとりだった。1人で図書館にいたり、ダウンタウンをぶらぶらしたり、少し遠くまでバスに乗って行ってみたり。とにかく自由だった。たまに1人でいるのが虚しくなって悩むこともあったけど、それでもポートランドという街がわたしをいつも助けてくれた。なんか意味わかんないけど、本当に。あの街の雰囲気と気候とほかにもすべてが私の中にスッと入ってきてずっと支えてくれていた。

スタバで飲んだパンプキンスパイスラテが美味しかった。アメリカのスタバでは秋の定番らしい。おうちでファザーが作ってくれることもあった。おうちのキッチンはいつもどことなくスパイスの香りがしていた。キッチンのダイニングで課題をするのが好きだった、大きな窓があって夕陽がよく見えた。

ここ数年、日本のスタバでもパンプキンスパイスラテが飲めた。今年ももちろん飲んだ。なつかしくて美味しくて、すごく嬉しかった。夏の終わり、季節の変わり目でメンタルが不安定な時期だったけど、ポートランドの記憶がよみがえって、それがまた私を支えてくれた。ステイ先のおうちのキッチンにいるみたいに落ち着いた。

コロナもあって、今のポートランドは私がいた頃とは少し違うかもしれないけど、それでもポートランドはずっと私の特別で、大好きな場所で、お守りみたいに私をいつも助けてくれる。
本当に死にそうになったときには、ポートランドに行こうと思う。

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