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対話型の学びには、「知的謙虚さ」が必要【CompathレターVol.2】

皆さん、お疲れ様です。Compathレター担当のがみです。
CompathレターVol.2をお届けします。

『Compathレター』は、皆さんの忙しい日常の中に、ふと足を止めて自分や社会について少し考える時間を提供するニュースレターです。日々流れる様々なニュースの中から厳選し、そのニュースから思い浮かぶ小さな“問い”も添えてお届けします。

今回お届けするのは、リクルートワークス研究所という機関が発表した、対話型の学びに関する研究結果です。性質上、企業で働く個人を対象にした研究ではありますが、学生生活やそのほかの集団生活でも同じことが言える内容だなと思ったため、自分の環境に置き換えて読んでいくことをおすすめします。是非、読んで、一緒に考えてみてください。

ニュース紹介 ~対話型の学びには、「知的謙虚さ」が必要~

まず、「知的謙虚さ」ってなんだろう?って思いますよね。
通常の謙虚さと何が違うのか。記事の中ではこのように説明されていましたので、引用させていただきます。

知的謙虚さ(intellectual humility)とは、デューク大学のマーク・レアリー氏が2017年に提唱した考え方(注)で、開放性、好奇心の強さ、あいまいさの許容度との相関が高いこと、そして、学習行動や学習成果、批判的思考、共同的な学びとの関連が見られることが明らかになっている。謙虚さは、控えめな態度を指すが、知的謙虚さは自身の知性に対する限界を認め、限界があることを前面に出し、その結果を受け入れることを意味している。
ただ単に控え目で腰が低い、という意味を持つ「謙虚さ」に対して、「知的謙虚さ」には自身の認識や常識に対して固執的ではなく、自分と異なる価値観に興味を持ってそれを受け入れる姿勢が強い、ということのようですね。

この記事では、対話型の学びを阻害する要因として、「恥ずかしくてあまり話せない・・・」という消極性と、「ああ、それって○○ってことだよね」と自分の枠組みで決めつけて対話をしてしまうことの2点を挙げていますが、知的謙虚さは特に後者に関することのようですね。
確かに、せっかく他者と対話しているにもかかわらず、自分の枠組みだけで判断をしてしまっては学びに繋がることは少なそうです。

では、この知的謙虚さはどのようにして高められるのか。この研究では、「対話型の学びの機会の多さ」と「社外のネットワークの豊富さ」が重要だと述べられていました。他者から学ぶ機会が多いことが、知的謙虚さの高さに繋がっている、というのです。そして、閉じた関係性だけで生きるのではなく外部のいろんな関係性を持つことも重要だ、ということのようですね。

最後に、企業の人材開発という観点では、個人が「知的謙虚さ」を自主的に高めることは難しいため、他者から学ぶことを前提とした場つくりを企業側がするべきだ、という主張で、この記事は終了していました。

元記事:リクルートワークス研究所『対話型の学びに欠かせない「知的謙虚さ」』

https://www.works-i.com/project/interactive/effect/detail002.html)

このニュースを読んで考えてみたい「問い」

いかがでしたでしょうか。
是非このニュースを読んで、皆さんがどう感じたのか、少し時間を取って掘り下げてください。
以下に、その考えのサポートになればと思い、私が思う掘り下げたい”問い”の候補を挙げてみたいと思います。

Q1. これまで他者から学んで自分の考えが広がった経験ってどんなことがあっただろう?
Q2. 逆に、あまり学びにならなかった他者との対話ってどんなものがあっただろう?
Q3.自分が知的謙虚さを発揮しやすいことや発揮しにくいことってあるだろうか?テーマや関係性、健康やコンディションなどなど・・・。
Q4. 他者の意見を受け入れる知的謙虚さは重要だが、「自分の考えを持つ」ことも重要だと言われる。どう両立できるのだろう?

続いて、私自身がこのニュースを読んで考えた事をシェアしたいと思います。

このニュースを読んで最初に思ったことは、
わかっちゃいるけど、知的謙虚でいるって難しいんだよなあ・・・」でした。

特に、一つのコミュニティでの生活が長くなると、関係性が固定化されて「学ぶ側」と「学ばせる側」とに分かれてしまう、その中で知的謙虚でいることって本当に難しい、と感じています。実際、自分は今の企業で務めて7年目なのですが、何かを学ぶ機会よりも、学ばせる、教える機会の方が圧倒的に増えました。対話が円滑に進みそうな対等な関係性というよりも、上司部下のような上下関係の関係性が増えてきたのです。そういった関係性の中において、「いや、誰からでも学べることはあるはずだから!」と思い続けるのって、「わかっちゃいるけど、難しいよなあ・・・」と思うのです。

思い返すと、世の中には上下関係があふれているなと思います。先生と生徒、先輩と後輩、上司と部下。
この上下関係って、知的謙虚でいることの天敵なんじゃないでしょうか。上と目される立場の人は、「自分が導かないと!正しいことをしないと!」と気負ってしまうし、下と目される立場の人は、「言うこと聞かないと!」と従順になってしまう。どちらも、対等に対話ができる関係性とはほど遠いですし、この関係性であふれている中でどのように対話をしていけるかが重要なんだろうなと思いました。

そこを踏まえると、社外のネットワークを作ること、つまり、既存とは別のコミュニティに行き、上下関係などがない場所に行くことは、対話的な学びをするうえでとても重要なんだなと思いますね。そこで他者からの学びを受けることで知的謙虚さが生まれ、それによって既存のコミュニティでも少しずつ知的謙虚でいやすくなるように思いました。

新しい関係性を作っていくことって、本当に大事だなって思いますね。

おわりに

いかがだったでしょうか?
是非ニュースを読んで、考えてみて、それぞれの考えや感想がありましたら、シェアしてくれると嬉しいです。
一つのニュースでも捉え方はきっと様々。「こんな角度から考える人もいるんだ!」「自分と全然違う考えだけど、面白いな!」そう思うことが増えれば増えるほど、有意義な時間になっていくんじゃないかと思っています。

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この「Compathレター」は、北海道東川町で、北欧発祥のフォルケホイスコーレをモデルにした大人の学び舎を運営しているSchool for life compathがお届けしています。
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それでは、また。

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