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ことのはいけばな

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花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。地軸の傾いた地球に乗って、太陽の周りを一巡り。花を立て言葉を立てて、遊行します。
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#花活け

ことのはいけはな 芒種 第25候『蟷螂生』

ことのはいけはな 芒種 第25候『蟷螂生』

たくさんの命が生まれる季節

紅花が咲き、蛍が生まれ、梅の実が色づき、、、

リッチな生命の季節。

死から生へ、

生まれた先から死へ向かう

一瞬の輝き ブライト

光の季節がジューンブライドと呼ばれるのだろう。

*新月や見えないだれかへ揺蕩いの想い留める花の束(つか)かも

*花束のBabyのようにくるまれて手渡す君も祝われていて

ことのはいけはな 小満 第24候『麦秋至』

ことのはいけはな 小満 第24候『麦秋至』

お花屋さんへ

年上のお友達の誕生日にブーケをあげたいから

目に飛び込んできたのは簪のような蕊が花火のように色っぽい和芍薬

金沢から届いたという

次に見つけたのは山紫陽花

ひかるむらさき

濃いふた色の蛍光を 紛らかしてあわいを繋げていくように

京鹿子のつぶつぶ蕾はベビーピンク、撫子のはなびらは羽毛、乙女百合のうつむき加減に花粉をかくまう

それにナルコユリの花びらのように真っ白い斑、

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ことのはいけはな 小満 第23候『紅花栄』

ことのはいけはな 小満 第23候『紅花栄』



「詩える白の手毬あぢさゐ
銀葉の雨情の羽の抱くやう
弟切草は螺旋に巻かれた金杯を
明朝木陰で溢れさす」

純白の大頭のあぢさゐ

をいけた日は、紅花栄うという日であった。

白と赤は、源平より前から

男と女

精液と経血

そういうならわし

夕焼けに染まった紅花畑を今でも覚えている

こんな大潮の夜 夜陰に乗じて白い雲が川霧となって

丘を包みこむ

(うた)

宵闇に

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