わたし
点滅している青信号を渡ろうか渡らないか、いつも悩むよね。てか、なんで信号の色がみどりなのにみんな青信号って言っているの?
今月はアルバイトを入れすぎたせいで、頭も体もごちゃごちゃになってしまった。先週土曜日はバイトを終えてすぐ、家に駆け込んでいた。そこから、一歩も家から出ることがなく、今日の17時まで、丸2日間ずっとスマホの世界に閉じこもっていた。
締め切りが迫ってきた課題も見に行きたかった映画も友達の誕生日会も、全部捨てて、ただ食べて横になってまた食べて横になっての生活を繰り返していた。誰とも喋らないその薄暗い灯りが揺れている6畳の部屋で、「わたし」というものが消えた。
そういえば、韓国人の友達とのLINEでのやりとりを中国のSNSにあげたら、バズった。
11月10日00時27分にあげたものだけど、現時点(11月14日の19時38分)までの閲覧者数は296537人、もらったいいねは1.3万だった。5日間もかからなかったこの数字は、私が生きてきたこの22年間に出会った人の数より多いかもしれない。いただいたコメントの数も300に超えていて、家に引きこもったこの2日間は、SNSのコメント返しに必死だった。より多くのいいねを稼ぐために、続編は何個もあげた。反響が気になりすぎて1時間に何回もアプリを開いた。
同じような質問に何回も答えた、同じようなコメントに「ありがとう」と何回も返した。なのに、嫌ではなかった。
私が誰かに必要されているような感じがした。
「私を見て欲しい」という心の底に秘めている欲望が満たされていた。
この幻のネットの世界で、「わたし」というものを必死に探した。だけど、白くて淡い霧に囲まれたように、先が見えず、心の虚無感は日々膨大していた。
こんな引きこもりの生活を打破したのは、明日のコリア語中間試験だった。復習しなかったら明日のテストは死ぬという恐怖に支配され、やっと家から出た。
ずっと気になっていたカフェに勉強しに行った。ギリギリ閉店時間の20時まで粘って会計に向かったら、店員さんに「勉強は捗りましたか?」と聞かれた。話しかけられるという設定がなかったので、びっくりしすぎて目が大きくてなってしまい、「何言っているの」って脳が高速運転した。頑張って頭を落ち着かせて、店員さんたちと軽く会話を交わした。
ぼんやりしていた店員さんたちの顔がはっきり見えた。何を勉強していたのかとか、こんなごく普通の話をしかしなかったのに、虚無感から救ってくれた、静まっていた私の心を賑やかにさせてくれた。
店を出た瞬間、世界が鮮明になった。小雨の中で走っている自分が、「わたし」を感じられるようになった、「今、この瞬間に、ここで」私というものが生きていると感じられるようになった。
ちなみに、私は点滅している青信号を渡ろうとするほうで、中国では、緑色の信号のことを緑信号と呼んでいる。
text/xiao
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