交流イベント参加者の「満足した」は"本当"なのか?-「見えない不満」の解決策を探して-
交流会やミートアップなど、リアルでの交流イベントが勢いを取り戻してきている今、交流イベントの主催者・運営の方としては、
いかにしてイベントに来てもらい、楽しんでもらえるかを従来よりも深く考えなければならなくなっています。
イベントを充実させるため、交流のテーマや流れを考えるだけでなく、アイスブレイクやグループ分けなど、さまざまな工夫を凝らし、その結果「満足してもらっている」という実感を得ている方も多いでしょう。
しかし、参加者からの「楽しかったです!」という声やアンケートでの高い「満足度」をもって、「みんなに満足してもらえた!」と思っていいのでしょうか?
というのも、私自身の経験として、確かにイベントを楽しむことはできたけれど、
「もっと充実した場にすることはできるんじゃないか?」と感じることが多々あったからです。
「私のもやもやを、他の人はどう思っているんだろう?」そんな疑問を晴らすため、何らかの
交流イベントに参加経験のある20, 30代の男女にアンケートを取ってみました。
交流イベント参加者の「満足した」は"本当"なのか?
そもそもイベント終了後のアンケートをどれだけ信じていいのか?これが私の最初のもやもやです。とりあえず先に答えを見てみましょう。
「あまり楽しめなかったとしてもアンケートでは『満足した』等のポジティブな回答をする」にとても共感した人が1/3以上!?予想外の多さです。
なぜこうなるのでしょう?。
以下、私の意見です。
前提として、イベントの主催/運営されている方に対してはリスペクトと感謝があります。自分じゃこんな大変なことできないよという思いも含めて。それもあり、ちょっと思うところはあっても、
わざわざネガティブなフィードバックしようとは思いません。少しでも楽しかったと思えることがあれば、「楽しかった」「満足した」と答えます。
逆に言うと、「満足した」と回答している以上、瞬間的には楽しいと思えることがあったのはほぼ間違いないでしょう。しかし、その回答の場合は
「満足した」出来事以外の不満が見えてこないのです。
満足度90%台だからOKだ!みんな満足してくれた!という認識を持つのは少々危険なのかもしれません。
交流でありがちなモヤモヤ
次は少し角度を変えた質問です。
私自身が交流の場でよく思うのは、
「こんだけ人がいるんだから、もっと素敵な場になるポテンシャルあるのでは?」ということです。
なんというか、
参加者全員が本来の力を発揮できてない気がするんです。かくいう私もです。いまや社会人として標準的なコミュ力を持っていますが、元々は結構な「コミュ○」(あまりいい表現と思えないので規制します)でした。
そうなると、
自分のことをうまく伝えられないし、会話を広げたり深掘ったりできないんです。つまり、自分の魅力も相手に伝わらないし、相手の魅力も十分に理解できないのです。
全員が全員、高いコミュニケーション能力を持っているかというとそうではありません。むしろ、絶対の自信を持っている人なんてごく少数ではないでしょうか。
このもやもやについてはみなさんどう考えているんだろう?ということで次のアンケート結果がこちらです。
1/3以上の人が「表面的な会話になりがちで相手のことをよく知れない」に"とても"共感すると回答しました。
"とても"ですからね。これまた驚きです。
実際、初対面で、短い時間の中でお互いのことをよく知るのは難しいです。
「何からどう会話を進めればいいかわからない」「その場でふっと出た話題に飛びついて場当たり的に話してしまう」「当たり障りない内容ばかり話してしまう」「話したい/聞きたいことはあるけど、その場の流れに合わせて話題に出せないまま終わる」
他にもいろいろ小さなもやもやはあると思います。私たちは、これが
"当たり前"のこと過ぎて、もはや解決しようとすら思っていないのです。でも実際には"問題"であり、解決すればより望ましい姿になるはずです。
交流した全員と仲良くなる必要はまったくないと思いますが、「交流イベント」ということもあり、
新たな人と知り合って継続性のあるつながりを作ることは一つのゴールでもあるはずですが、それが達成されることは実際のところ多くはないのではないでしょうか。
ではどうすればいいのか?
先ほどの二つのグラフを踏まえると、強引ではありますが、「うまくコミュニケーションできなかったから、交流イベントを100%楽しむことができなかった」という論理が成り立ちます。
ではどうすればうまくコミュニケーションを取ってもらうことができるのでしょうか?この記事では簡単にポイントだけ述べていこうと思います。
まず、そもそもお互いにコミュニケーションを取ろうと思えるようなイベント設計にすることが重要です。
たとえば、ITエンジニア交流会と銘打つのか、
20代限定駆け出しエンジニア交流会と銘打つのかで、当然ながら人の集まり方もコミュニケーションの盛り上がり方も変わります。
そのうえで、イベント主催側からコミュニケーションを促す仕掛けを用意するとうまく回ります。これまでのイベント主催者さんへのインタビューでは以下のような施策が挙がりました。
・名札
・自己紹介タイム
・アイスブレイク
・ミニゲーム
・トークテーマ
・食事
・グループ分け(なるべく近い属性でまとめる)
とはいえ、自己紹介や名札では情報量も伝えられる人数も限りがありますし、ゲームやトークテーマがメインになりすぎると、人と人との関係性という点ではあまり深まらない可能性もあります。
ではどうすればいいのか?
そんなことを考えながら、こんなものを作っています。
https://twitter.com/commuuto
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