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虹の橋を渡ったももちゃんが伝えたかったこと

 ゴールデンレトリーバーのももちゃんは、夫の実家で暮らしていたワンちゃん。
 この写真は、旅立つ1ケ月前に私が撮影したものです。
 口腔ガンの末期とは思えないほどの、明るくて優しくて健気で、愛に満ちあふれた笑顔。
 この笑顔は、ももちゃんの性格と生き方をそのまんま現わしています。

 今日は、夫から依頼されて、ももちゃんとお話した時のことを書いてみますね。


ももちゃんの魂とつながると…


 こげ茶色のソファーに伏せて拗ねるような目でこちらを見ている姿が浮かんできました。
 「待ってたよ~!やっと来てくれたね!」

 私が夫の実家を出て暮らし始めてから、私が会いに来るのを待っていた様子を見せてくれたのです。

 「あっこちゃんに会いたかった。会いたかった~」
 ももちゃんの愛情とせつなさが入り混じったような感情が、ふわ~っと私の中に入ってきました。


今は、どんな所にいるの?


 ものすごく眩しい光の中にいる感覚が伝わってきました。
 そして、ふわふわと宙に浮いている感じ。
 下の方を見ると、光の間からお花畑のような美しい風景が遠くに見えていました。
 とても軽やかで、さわやかな清々しい気持ち。

 「生まれ変わる準備をしてる」というメッセージが伝わってきました。

 どうやら、犬にしようか猫にしようか決めかねている様子。
 今度は男の子に生まれてひとりの女性に寄り添い、その人を孤独感から守ってあげたいそうです。
 なんて、優しいのだろう!
 そう、ももちゃんは、いつだって誰にでも優しいワンちゃんでした。

 「それは、なぜ?」と尋ねてみると、
 「あっこちゃんを守ってあげられなかった」と…

 私は、はっ!としました。

 夫の実家に暮らしていた頃の私は、精神的なものから体調を悪くし、一時は家事もできず外出もできず、ほとんど寝て過ごしている状態でした。
 誰にも理解してもらえない辛さが、孤独感を深くしていったのを思い出しました。

 私が夫の実家から離れたことが、ももちゃんに、「守ってあげられなかった」という思いを抱かせてしまったことに、胸がぎゅっと締めつけられました。
 ごめんね、ももちゃん。

 「ももちゃんだけが私の気持ちを理解してくれて、いつも寄り添って癒してくれて、守ってくれたよ」
 「ももちゃんがいてくれて本当によかった、ありがとうね」
 そう伝えると、写真のような優しい笑顔を見せてくれました。
 私の顔は、涙でぐちゃぐちゃになっていました。


もっと早くに病院に連れて行ってあげればよかった。ごめんね。


 夫は、ももちゃんの歯茎の腫れに気づいた時、大したことないだろうと高をくくっていたことで病気の発見が遅れたことを、ずっと悔やんでいたようです。
 「ももは怒ってるんじゃないか?」
 それが知りたくて、謝りたくて、私にももちゃんと話してほしいと言ってきたのです。

 「あの頃、どう感じていたの?」と尋ねると、左側のほっぺの辺りに、ヒリヒリとドックンドックン脈打つ感覚が伝わってきました。
 ガンができた箇所です。

 でも、すっごく痛いとか辛いとかしんどいとか、そういうものではありません。
 気持ちは落ち着いていて、ネガティブな感情はいっさい湧いてきません。
 実際に、辛そうな表情を見せることはほとんどなく、穏やかに過ごしていたそうです。

 「進行を止めることは無理だったよ」というメッセージが伝わってきました。
 あの時すぐ病院に連れて行っても、結果は同じだったと。

 「みんなが会いに来てくれて、いっぱい撫でてもらえて、嬉しかった~」
 ももちゃんの病気のことを知って、いろんな人が、ももちゃんに会いに来てくれたことを、とても喜んでいました。

 人が大好きなももちゃん。
 家族親族が集まった楽しくてにぎやかな時間が1番幸せだったと教えてくれました。
 そして、その中心になってみんなを繋ぐことが、自分の役割だと感じていたそうです。
 最期までそういう時間を過ごすことができたことで、安らかに旅立つことができました。


 ももちゃんは、「笑顔」でいることが、どれだけ自分の人生を豊かにし、周りの人の人生も豊かにしてくれるものかを身をもって教えてくれました。
 初対面の人でも、誰に対してもいつも笑顔でした。
 近所の小学生たちからも人気者だったももちゃん。
 多くの人に愛され続けた犬生は、あっぱれでした。

 人間よりも寿命が短いワンちゃんたち。
 見送るのは胸が張り裂けそうなくらい辛いけど、その生きざまには、飼い主さんに伝えたいメッセージが必ずあります。
 それを受け取ってより豊かな人生を生きていくことが、亡くなった子たちへの1番の供養になると信じています。


最期まで読んでくださって、ありがとうございました。







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