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人生はチョコレートの箱: Munsell Color Tree

フォレスト・ガンプに影響されて

「人生はチョコレートの箱みたい。食べるまで中身は分からない。」というのは、映画「フォレスト・ガンプ」で母親が言っていたということばです。

大好きな映画で何度も見ていますが、最初のシーンで空を舞っている羽がもう、名作を予感させます。どこに落ちるんだろうとずっと目で追っていると、フォレストの足元に落ちます。そして、本当に波瀾万丈な人生を送った後のラストシーンで、再びフォレストの足元から羽が舞い上がり、空を漂い始めます。

このシーンと音楽は、この先何が起こるかわからないワクワク感と静かな感動をもたらし、とても印象的です。

今日紹介する2019年9月29日生まれのMunsell Color Tree (CNo34)は、食べるまで中身は分からないチョコレートの箱、ということばにインスピレーションを受けて作りました。小さな女の子が少しずつ成長していくイメージです。私には子供はいませんが、甥夫婦の小さな娘の成長を思い描いて作っています。

ちなみに、この曲の冒頭だけは高校生の頃作った曲の一部を持ってきました。残りの部分はまたの機会に使おうと思っています。

Munsell color treeと脳

Munsell color tree というのは、マンセルが体系化した表色系を、3Dの木の形で表現したものです。とても鮮やかで美しく、目に楽しいものです。このカラフルで楽しい感じが、何が出てくるかわからないチョコレートの箱というイメージと重なり、タイトルにしました。

ちょうどこの曲を作っていた頃、色の認知障害に関する原稿を執筆中でした。色が分からない、というと色盲・色弱を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は脳梗塞などの脳の損傷によって、後天的に色が分からなくなる場合があります。つまり、色という特性を処理する特別な領域が脳の中にはある、ということになります。これは、後頭葉の中の舌状回・紡錘状回と呼ばれる領域の一部であると考えられています。

色は言語と関係する

色は目を介して感じるものです。では完全に視覚的なものなのでしょうか。実は、色は言語と深い関わりがあることが示されています。赤,黄,青など色には名前がついていますが、色は本来光の波長による違いであって連続スペクトルです。これを切り分けて名前をつけるというのは、赤というカテゴリー(ピンクっぽい赤も黄色っぽい赤も赤の仲間)を作る、つまり、赤という概念をつくることと近いのです。色の認知障害とは無縁にみえる、つまりことばの障害だけのようにみえる失語症の患者さんに塗り絵をさせると、奇妙な色を塗ることが知られています。これは、色の概念に影響が及んでいるからなのかもしれません。

少々難しい話になりましたが、興味のある方は下記の本に詳しく書いています。一般には難解かもしれませんが、高次脳機能に関わる仕事の方なら参考になるかもしれません。


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