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僕らはみんなコミュニティで生きているからこそ、コミュニティ活動力が必要なんだ | 長田 涼

こんにちは。
コミュニティ活動力教育事業 スタッフの長田 涼(ながた りょう)です。

今回は僕自身の視点で、コミュニティ活動力事業がなぜ必要なのか?について考えていきたいと思います。コミュニティフリーランスとして、さまざまなコミュニティに関わってきたからこそ感じていることを、本noteに書き記していきますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

長田 涼(ながた りょう)
コミュニティフリーランス。スポーツ大学を卒業後、ユニクロ→スポーツイベント会社→IT企業を経て、2018年にコミュニティフリーランスとして独立。私たちの”はたらく“を問い続ける対話型コミュニティ「Wasei Salon」、トランジションコミュニティ「グリーンズジョブ」のコミュニティマネージャー。また、コミュニティで生きる人の対話の場「コミュニティのカレッジ」のコーディネーター、CRファクトリーでのコミュニティ事業開発、複数社コミュニティアドバイザーも務める。2022年に東京から鞆の浦へ家族で移住し、地域コミュニティの可能性を模索中。
Twitter:https://twitter.com/SsfRn
Proff:https://proff.io/p/nagataryo


コミュニティ運営者視点の限界

コミュニティの専門家 コミュニティフリーランスとして活動開始したのが2018年の夏。もう4年以上もコミュニティと向き合い続けて、数えきれないほどのコミュニティと関わらせていただきました。

オンラインコミュニティが中心ではありますが、オンラインサロン・コミュニティマーケティング・地域コミュニティ・ラーニングコミュニティ・NPOコミュニティなど、多種多様なコミュニティに触れて、コミュニティの可能性や価値、そして難しさを嫌というほど体験してきたように思います。

それらを振り返って思うのは、「この地球上で生きているひとすべてが、コミュニティに関わっている」ということです。コミュニティに関わっていない人なんて存在しませんし、もはや地球がひとつのコミュニティと言ってもいいのかもしれません。

それを裏付けるかのように、ハーバード大学の幸福になるための研究で『良好な人間関係・コミュニティに属することが幸せになるために必要なこと』と、結論づけました。どうやら僕らにはコミュニティが必要不可欠みたいです。社会的な生き物とはよくいったもの。

そうなったとき、「ひとりでも多くの方が、いいコミュニティを生み出せるようになれば、この社会もいいものになっていくはずだ」と考えて、コミュニティ運営者がコミュニティについて考える学びの場を3年前からつくってきました。

結果、300~400名ほどの方にご参加いただき、描いている未来に近づいているはずだったのですが、どこか抜け落ちている感覚を抱くことに。コミュニティマネージャーとして多くのコミュニティに関わるなかでも拭いきれない、この感覚はなんなんだ…。

考えた結果、それは「コミュニティ運営者の視点だけでは、この社会を良くしていく限界がある」ということでした。


現代には「コミュニティ活動力」が必要だ

ひとつひとつのコミュニティには、必ず「合う・合わない」の概念が存在します。

例えば、僕がAというコミュニティの適性があったとしても、Bのコミュニティには合わないかもしれない。そういったことが、すべてのひと・コミュニティに起こります。

そうなったとき、ひとりひとりが自分に合うコミュニティを見つけることが肝になるのですが、これはかなり困難な話です。それはコミュニティの数がどんどん増えている現代で出会えることの難しさと、コミュニティを意識的に体験しているひとが少ないので、コミュニティリテラシーが乏しいケースが多いから。

コミュニティで本当にいい体験をしていくのであれば、

・自分に合うコミュニティと出会う力
・合わないコミュニティから離れる力
・コミュニティに馴染んでいく力

そういった「コミュニティ活動力」を、ひとりひとりの個人が持っていることが大切になります。

もちろん、それぞれのコミュニティ運営者は、個人の力に左右されないようにコミュニティという環境を整えていると思いますが、やはりそれにも限界があるのです。

現代はあらゆる世界でコミュニティが求められて、形もどんどん多様化していき、オンラインオフライン問わずコミュニティが溢れる世界になっています。web3メタバースの出現により、さらに混沌としていくのは間違いなさそうです。

この流れが進めば進むほど、コミュニティに対するリテラシーが参加者には求められ、先ほどあげたような「コミュニティ活動力」が必要不可欠な社会になっていくと思います。


日本のコミュニティ観をアップデートする

さらにひとつ付け加えるとしたら、「コミュニティ観」をはぐくむことも大切なポイントだと思っています。

コミュニティ観とは、「コミュニティをどう捉えているのか?」ということ。

問いにするとしたら、「あなたにとってコミュニティとは何か?」「コミュニティにおいて大切なことは何か?」ということになるのでしょうか。

このコミュニティ観をはぐくみ、コミュニティ的フィルターで世界を接することができるとしたら、コミュニティ活動力が身につくスピードも変わるだろうし、社会が優しい世界に近づいていくと思うんです。それは、他者への想像力をはたらかせ、尊重し合うのがコミュニティの世界で大切にされている価値観なのですから。

ただ、まだまだコミュニティという言葉に対して、「閉鎖的」「息苦しいもの」「怪しいもの」「ネットワークビジネス」などの偏見が多いのが現状です。僕も勘違いされることがしばしば…

そんな状況を変えていくためにも、日本のコミュニティ観をアップデートすることが大切なアプローチになる。

新しいコミュニティ観という基盤をはぐくむことは、社会にとっても大きな意義があると信じています。

このコミュニティ活動力教育事業が、そんな未来へつながっていくといいなと、僕は関わる中で強く想っています。


最後に

「コミュニティってなんで必要なんだろう?」
これは、僕が定期的に考えている問いです。

今回のコミュニティ活動力教育事業に関わるなかで、このnoteに書いたように「コミュニティと社会が密接につながっている」ことを整理することができてきたように思います。きっと、ここに書いたことが上記の問いへの僕にとっての”現状の最適解“かもしれない。

ただ、ひとによって返ってくるものが異なってくる問いだと思っています。

皆さんは、この問いに対してどのように答えますか?
ぜひ、このプロジェクトを通して、おひとりおひとりの答えに触れさせてもらえると嬉しいです。

それでは、引き続き本プロジェクトの行く末を楽しみにしていてください。


▼呉さんによるコラムはこちら

▼コミュニティ活動力教育事業についてはこちら