「コマツ、インドに石炭採掘機械の再生施設 50億円投資」に注目!
コマツ、インドに石炭採掘機械の再生施設 50億円投資 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
コマツはインドで石炭採掘向けの鉱山機械の再生施設を立ち上げます。投資額は3600万ドル(約57億円)。欧州を中心に二酸化炭素(CO2)排出の多い石炭は使用を削減する動きがありますが、経済が急成長するインドでは2030年に2023年比で石炭需要が5割増えるとみられています。今後10年ほどは成長が続くとみて積極的に投資します。
インド中部ナグプールに「サービスセンター」と呼ぶ、顧客の鉱山事業者が使う採掘機械を再生する施設を新設します。刃のついた円筒を回転させ連続掘削する鉱山用機械の基幹部品などを再生します。分解や修理、再組み立て、機能テストなどの工程を経て新品同様にします。機械の寿命が伸び廃棄物の削減にもつながります。2年ほどかけて投資します。
コマツはインドで、坑道をつくって地下深くの鉱物を採掘する「坑内掘り」向け機械に力を入れます。現在インドでは地表から広範囲を削る「露天掘り」が主流ですが、坑内掘りは鉱山の地表への影響が少ないなどの利点があるとされ、今後広がる余地があります。
「インドでは今後10〜15年はそれほど大きく需要が減ることはない」(小川啓之社長)。市場調査会社のグローバルインフォメーションによると、坑内掘削機の世界市場は2030年に2023年比37%増の118億1467万ドルに達するとみられます。
インドは2023年に人口が中国を抜いて世界一となり、急増するエネルギー需要に石炭も活用しなければなりません。同国石炭省は石炭の需要が2023年の約10億トンから2030年には約15億トンに増加すると予想しています。特に坑内掘りについて2030年までに採掘量を3倍にする計画を立てています。
日立建機もインド東部のカラグプールで鉱山機械の工場拡張を検討しています。タタ自動車との合弁会社のタタ日立が建設機械用の工場を構えており、鉱山機械の製造やメンテナンスにも対応できるようにします。石炭の露天掘りの需要を狙います。投資は2027年3月期以降になる見込みです。
コマツは現場で長期間稼働した建設・鉱山機械から取り外したエンジン・トランスミッションなどのコンポーネントを回収し、分解、洗浄、部品再使用判定し部品加修後に再使用もしくは部品交換、再組立、性能検査、塗装、出荷検査などいくつもの工程を経て新品同様によみがえらせ、再び市場に供給する「リマン事業」を行っています。新品と同等の品質保証とコスト低減を提供し、産業廃棄物を減らして、地球環境への負荷を軽減しています。なお、リマンにより、新品を作った場合に比べ、2021年度でおよそ43,600トンのCO2削減効果があると見積もられているとのことです。
今後もリマンの取り扱いは増えることが予想されており、コマツの今後の取り組みに期待しています。
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