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「鹿児島県、牛由来の温暖化ガス削減実験 味の素やJA連携」に注目!

鹿児島県、牛由来の温暖化ガス削減実験 味の素やJA連携 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

鹿児島県は2日、牛のゲップやふん尿に含まれる温暖化ガスを減らすため、味の素やJAグループ鹿児島、畜産業のカミチクファーム(鹿児島市)などと連携協定を結びました。温暖化ガスの削減が見込める飼料を牛に与える実験を始め、効果が見られれば対象を広げます。

味の素が2011年に開発したアミノ酸製品「AjiPro-L」を含んだ混合飼料を、県内7農業法人・組織(1組織あたり数頭から数十頭)に配布する試験を始めました。栄養の吸収が良くなり肥育期間が短縮できるといい、牛のゲップに含まれるメタンは5〜10%、ふん尿の一酸化二窒素(N2O)は25%程度削減できるとしています。

協定の締結式には塩田康一知事や味の素の前田純男執行役常務のほか、JA鹿児島県経済連、カミチクファームやナンチク(鹿児島県曽於市)など7つの農業法人・組織と、鹿児島大学、鹿児島銀行などが参加しました。

塩田知事は「カーボンニュートラルにつながる取り組みを通じて、県産牛肉の付加価値向上とカーボンクレジット導入も視野に農家の収入増にもつなげたい」と述べました。

近年、世界的な人口増に伴いたんぱく質の需要が増加する中で、たんぱく源としての牛肉・生乳の生産が注目されています。一方で、牛の糞尿やげっぷに含まれるメタン・一酸化二窒素など、牛の生育に関わる温暖化ガス排出量は全世界の排出量の約9.5%を占め、地球温暖化の原因の一つとして喫緊の課題になっています。

鹿児島県は肉用牛(肉用種)の飼養頭数約34.3万頭(2023年2月1日現在)で全国1位(全国シェア18.2%)を誇る日本有数の畜産県である一方、県の温暖化ガス排出量の約2割が畜産由来、そのうちの約6割が牛由来と大きく、また、昨今の飼料高騰等によって県の基幹産業である畜産業の収益性が悪化しており早急な対応が求められていることから、県内畜産業の振興を図るため温暖化ガス排出削減と産業競争力の両立を図るGXを推進することとしています。

味の素は科学的知見に裏付けされた性能を持ち、業界ナンバーワンのシェアを持つ当社製品「AjiPro-L」を活用したソリューションがあり、これを用いて肉用牛・乳用牛起因の温暖化ガス排出削減と畜産事業者の収益改善を図ります。

今後、この分野で味の素が果たせる役割に期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。