見出し画像

「メタバースで複数ブランド試着 丸紅が期間限定サイト」に注目!

メタバースで複数ブランド試着 丸紅が期間限定サイト - 日本経済新聞 (nikkei.com)

丸紅はファッションに特化したメタバース(仮想空間)の運用を始めました。複数のブランドを試着でき、コーディネートの相談やモデルとの交流もできます。まず、6日から期間限定で一般公開し、2025年にも通年でのサービス開始を目指します。リアルと電子商取引(EC)の利点を「いいとこ取り」した新たな購買体験を生み出します。

21日までスマートフォンやパソコンから利用できるメタバース「WEAR GO LAND」を一般消費者向けに無料で公開しています。利用者は自身の分身となるアバターを操作して、ブランドの店舗を巡って自由に試着できます。

試着時にはマネキンの肌の色合いを5種類から選択し、身長も5㌢刻みで5段階に設定できます。

このアバターを操作して、ブランドの店舗を巡って自由に試着できます。気に入った服があればECサイトに移動して購入できます。将来はECサイトに移動せずメタバース内での直接購入も視野に入れます。

メタバースならではの利点の1つが複数のブランドを一度に試着できることです。今回は主に10〜20代の女性からの利用を想定し、「X-girl」「9090」「louren(ローレン)」の3つの女性向けブランドが出店。計51種類の色や形の服を試着できます。

リアル店舗では購入前の商品を店舗をまたいで試着するのは難しいですが、メタバースで用意された服なら盗難の可能性もなく自由に組み合わせることができます。

また、友人がメタバースに集まって一緒に買い物できるのは通常のECには無い利点です。コーディネートを互いに意見しながら購入してもらうことも想定しています。

事前予約すればスタイリストのアドバイスも受けられます。チャットや音声を通じ髪形や好きなブランドを伝えれば、より好みにあった提案を受けることができます。

次回以降の期間限定公開や通年でサービス化する際には、骨格や体形、身長などの特徴をより詳細に設定できるようにする方針です。肌や瞳の色から似合う色を導いた「パーソナルカラー」に基づいたアドバイスも検討します。

イベントも取り入れます。6日には10代後半〜20代中盤の女性から人気の雑誌「ViVi」のモデル藤井サチさんと嵐莉菜さんのファッションショーを実施しました。2人のアバターがメタバースで試着できる商品を着てランウェイを歩きました。

このうち6日は2人が消費者から事前に寄せられた「おしゃれになるためにはまず何をすればいい?」などの質問に基づいてトークしたほか、当日チャットで寄せられるコメントに音声で反応しました。13日には俳優の綱啓永さんが登壇し、事前にSNSで募った質問に答える予定です。

矢野経済研究所の調査では、国内のメタバース市場は2027年度に約2兆円と、2022年から14倍に拡大するといいます。丸紅以外ではこれまで、セレクトショップ大手のビームスやファッションビルの「渋谷109」がイベントを実施しています。

ただ、メタバース市場全体の伸びをファッション業界としてどこまで享受できるかは不透明です。ファッションの場合、アバターと実際の商品の色や形、素材感の差異をどこまで埋められるかという課題があります。

また、メタバースの体験に適したVRゴーグルは普及しているとは言いがたく、スマホやパソコンを通じた体験が主流です。丸紅には今後、眼鏡型の情報端末「スマートグラス」や裸眼に装着する「スマートコンタクト」の普及も見据えてプラットフォームを立ち上げる狙いがあります。

丸紅は2022年もベトナムのホーチミン市においてスマートシティの開発におけるメタバース空間を活用したサービス展開の可能性について導入可能性調査や、2023年のイベント池袋文化祭2023にてメタバース空間内にドコモショップを設置するなど、様々な活動を行ってきました。

「WEAR GO LAND」の体験によって、ブランドにとって新たな消費者へのアプローチに、また、消費者にとっては試着などの際に感じる課題感の解決になるかを検証していくとのことです。

次世代のデジタルファッションモール構築を目指す丸紅の「次世代事業開発本部」の今後の価値創造に期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。