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「信越化学、ヤモリの手模した接着技術取得 半導体製造に」に注目!

信越化学、ヤモリの手模した接着技術取得 半導体製造に - 日本経済新聞 (nikkei.com)

信越化学工業は22日、米企業が保有するヤモリの手を模した構造を使って接着する技術を使用する権利を取得したと発表しました。先端が分岐した極細の毛が高密度で生えているヤモリの手の特徴に着目した技術で、半導体製造プロセスにおけるウエハーの仮固定に使う材料などへの応用を想定します。

取得したのは米スタートアップのセテックス・テクノロジーズが開発した「生物模倣による乾式接着」という技術。具体的な契約内容は明らかにしていません。ヤモリの手を模倣した構造を材料表面に加工することで摩擦などが生まれ接着できます。セテックスが消費者向け製品の開発に特化する一方で、信越化学は自社の材料技術と組み合わせることで企業向けに製品開発を進めます。

半導体製造のウエハーを仮固定する工程で、接着剤を使わずに済めば、接着剤やそれを溶かす溶剤の利用を減らすことができ、半導体製造プロセスの脱炭素につながるとみています。従来の接着剤では対応できない高温の製造プロセスでも使える可能性があります。

セテックス社は、ヤモリの手を模した構造を材料表面に作り込むことにより、材料に強摩擦、粘着、接着性を与える技術を開発したベンチャー企業です。信越化学は、新たな要素技術として生物模倣による機能発現技術に着目。セテックス社より取得した技術と、それに最適化した信越化学の材料を組み合わせることで、「接着剤残渣フリーな、クリーンな工程内での対象品のハンドリング」や「接着剤では対応できない高温でのプロセスで、対象品の保持機能を付与する」、「接着剤無しで繰返し接着が可能になることにより、顧客のGXを促進し、環境フレンドリーなプロセスの実現に貢献する」といった多様な分野での応用が可能になります。

半導体プロセス材料を始め、各種産業に用いられる機能材料を手掛けている信越化学。信越化学独自の材料に、表面加工による機能付与というユニークな要素技術を組み合わせることで、他社にはないよりよい技術革新につながることに期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。