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コモンクリエーションで、SIM Appletの開発、やるってよ

こんにちは、コモンクリエーションです。

最近、弊社が力を入れて取り組んでいる分野が、「SIM Applet」技術です。ネットワークベンダー様やIoT機器ベンダー様とともに、SIMカード/SIM Appletを活用して付加価値のあるサービスの検討を進めています。

この技術自体は以前から存在しますが、IoTの普及に伴い、セキュリティニーズの高まりや省コスト化のキーファクターとして、注目が高まっています。

この記事では、弊社が取り組むSIM Appletの概要について、お伝えします。

SIMカードについて

SIMカードとは「Subscriber Identity Module Card」(加入者情報を記録したICカード) の略です。契約者情報や電話番号などの識別情報が記録されており、通信端末にセットすることで通信を始めることができます。

このSIMカードに搭載されているICカードは、CPUとメモリで構成されており、基本的にパソコンとほとんど同じ構造です。

SIMカードに搭載されたミニコンピューターを使うことで、記録された情報の不正利用を防止し、安全に情報を利用できます。

https://medium.com/@xesey/smart-cards-and-sim-cards-6da161c9e86b より

SIM Appletとはなにか

SIMカード(ICカード)にはJava Cardランタイムが搭載されていて、独自のJavaAppletを動かすことができます。
端末やネットワークと対話するための仕組みがSIM Toolkitとして提供されており、これらを使って作られたプログラムをSIM Appletと呼んでいます。


SIM Appletの可能性

■ SIMアプレットを使用したデバイス盗難防止アプリの検討
https://www.nttpc.co.jp/technology/sim_applet.html
SIMカードにHWや基地局の識別機能をもたせ、特定のデバイスや場所から外れたら通信をブロックする仕組みを搭載

■ SIMを活用したモバイルバンキングのセキュリティ向上に関する検討
Computer Security Symposium 2016 11 _ 13 October 2016
スマートフォンでのオンラインバンキング認証にSIM Appletを活用することで、ログイン認証を強化

■ IoT機器のゼロタッチコンフィグ
https://prod.ucwe.capgemini.com/wp-content/uploads/2023/03/How-Zero-Touch-Will-Transform-IoT-Device-Deployement_Whitepaper_November-2021.pdf
IoT機器の認証とセキュア通信機能をSIM Appletに持たせ、遠隔地からIoT機器の設定を無人で実施

日本国内の状況

一般に発売されているSIMカードでは、ユーザーが自由にSIM Appletを開発して搭載すること困難です。
そんな折、SIM内の通信プロファイル領域とアプレット領域を分けて管理できる「アプレット領域分割技術」がNTT Communicationsから発表されました。この技術によりユーザーが自由にSIM Appletを載せることを可能になっています。

このようなサービスを背景に、SIM Appletを活用した事例がさらに広がっていくと予想されます。

おわりに

弊社では、SIM Applet関連の技術検討や開発に取り組んでおります。
今後もSIM Applet関連の情報や、開発リソースについての発信などを実施してまいります。


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