【7月ドラマ化!】『どうか私より不幸でいて下さい』ネーム作家・ましきさんインタビュー
2022年に小説投稿サイト・エブリスタで開催した「comico 女性向けマンガ原作大賞」で大賞を受賞し、comicoでコミカライズした大人気WEBTOON『どうか私より不幸でいて下さい』が、2024年7月9日(火)より日本テレビ系全国ネットでドラマ化決定!
本作はさいマサさんの原作小説を元に、構成(ネーム)をましきさん、線画を竹野筍さんが担当していますが、ドラマ化を記念し、この記事ではネームを担当しているましきさんにお話を伺いました!
数々の魅力的な演出が光るましきさんですが、実は現役学生さんなんです。
インタビューでは、本作の制作の裏側だけではなく、ネーム作家と学生生活の「二足のわらじ」のコツなども教えていただきました!
インタビューのラストには、ドラマ化を記念してましきさんに描き下ろしていただいた特別イラスト&コメントも掲載しています♪ ぜひ最後までお楽しみください!
▼線画作家・竹野筍さんのインタビューも公開中!
ましきさんインタビュー
――自己紹介をお願いします!
ましき ましきと申します。 現在comicoにて『どうか私より不幸でいて下さい』のネームを担当しております。
――『どうか私より不幸でいて下さい』がドラマ化されると聞いたとき、どう思いましたか?
ましき 月並みですが、非常に嬉しかったです。 面白い原作を漫画という形で読者に届けるネーム作業を担当する身として、原作の魅力が伝わった嬉しさと、これからさらに多くの人に作品を知っていただける喜びをいの一番に感じました。
しかし、いまだに手応えがないというか、まさに「夢にも思わない」事態だったので、驚愕しているというのが正直なところです。
私はまだ作家業自体の経験が浅く、ずっと趣味の範囲だったので、連載に携わることすら夢にも思わなかったことなのに、「映像化……?」と展開の早さに脳が追いつきません……(笑)。
――ましきさん、本作が連載デビュー作ですもんね!
ましき はい! ネームのお仕事としてももちろんですが、原作を誰よりも熟読していると思っているので「馴染み深いキャラクターとお話が、ドラマでどのように動くのだろう?」「主題歌はどうなるんだろう?」みたいな、「大好きな作品の映像化が決まったファン」みたいなマインドもあります。
――ましきさんがcomicoで描くことになったきっかけについて教えてください。
ましき 大学でcomicoとの合同授業があり、そのときに課題として、大人女性読者向け恋愛の第1話のネームを描いたところ、編集者さんの目に留まり、お声がけいただきました。
そこで、『どうか私より不幸でいて下さい』の第1話ネームを描かせていただいたところ、正式にお話をいただき現在に至ります。
――ましきさんがネームを描く上でのやりがいはなんですか?
ましき 原作の面白さを損ねることなく、読者を惹きつけ続ける構成を考えることがやりがいです。
原作が本当に魅力的なので、「最終回まで読者を離脱させない」という思いでいつも制作しています。
――原作愛をひしひしと感じるお言葉です……! そのために、なにか意識していることはありますか?
ましき やはり読みやすさですね。 原作小説が文句なしに面白いので、ネームに求められるのは、とにかく読者に読みにくいと思わせないことだと思っています。
――その「読みやすさ」というのは、具体的にどういうものでしょうか?
ましき ビジュアル的な見やすさと、読み進めるテンポ感です。
ビジュアル的な見やすさは、とてもシンプルなことですが「どのような状況なのか(5W1H)」を明確に描くことです。
あとは、アングルや場面が不自然に転換しないこと、同じアングルが続くようなつまらなさを無くすことなど、目から入る情報をスムーズに理解してもらえるような構成を意識しています。
読み進めるテンポ感については、読みながら詰まる箇所やダレる箇所をなくすイメージです。
――読みやすいネームを作るために、どんな工夫をしていますか?
ましき 自分のネームを何度も読み「読んでる途中で違和感を覚えるところがないか」「引っかかって手が止まる箇所がないか」を重点的にチェックします。ここでビジュアル的な見やすさも同時に確認します。
しかし、何度も読み返すとどうしても読み慣れてくるので、最終的には担当さんのチェックに委ねていますね。
――違和感や引っ掛かりをとにかく無くすことがポイントなんですね!
ましき あと、WEBTOONは目線をあまり動かさず、流れるように読むという点において、映像に似たような印象を自分の中で持っていて、ネーム制作の時にも映像をイメージしながら作っています。
それこそ、読んでいてドラマを見ている感覚になるような、ドラマだとこういうアングルのイメージだな〜とか考えたりしながら制作しています。
――次に、作業環境を教えてください。
・iPad Pro(12.9 インチ)(第4世代)
・Apple Pencil(+ペン軸)
・スマートフォン(原作を読んだり、コンパニオンモードを使用)
・CLIP STUDIO TABMATE2
ましき 話すことが特にないくらいシンプルです。今のところ、ネーム以外の制作もこれで完結させているので、固定された作業デスクはなく、これらを持ち出していろんな場所で作業しています。 作業中はiPadに傾斜をつけるため、キーボードを逆さにして使っています(笑)。
――キーボードを逆さに……! これはアクロバティックですね(笑)。
次に、一週間の制作スケジュールを教えていただけますか?
ましき 本来はこういう計画なのですが、正直この通りにはなかなかいきません。 週によって学業の方の課題量が増減するので、曜日別のルーティーンが定まらず、とにかくその時の締め切りが近いものから着手して片付けています。
――かなりハードですね……! ご多忙な中で、学業とネームのお仕事を両立するコツはありますか?
ましき スケジュール管理が要かと思います。中でも、自分の作業時間の感覚を把握しておくことが重要です。
「これだけ時間があれば、これだけの作業ができる」という感覚が掴めていれば、締め切りまでにどれくらいの時間が必要かだいたいわかるので、それでおおよその見通しを立てて動いています。
あと、ある程度の妥協も場合によっては必要かと思います。「70点くらいの及第点を継続させる」という、ある漫画家さんの話を授業で聞いてから、満点の出来に固執せず、とにかく締め切りに間に合うよう完成まで持っていくことを第一に制作しています。 残りの30点は担当さんや大学の先生を存分に頼りますね。
――これはとても重要なポイントですね。どうしても細部まで拘りたくなってしまう作家さんの気持ちもわかるのですが、プロの仕事である以上は〆切を第一優先で進めていくのが大事、ということは、すべての作家さんにお伝えしたい大事なことです。
ちなみに、制作に悩んだときはどうしていますか?
ましき 悩んだときは、潔く作業を一旦中断します。
そして小休憩を取るなどした後、再度描きかけのネームを読んだり原作を読み返したりして、リフレッシュした気持ちと落ち着いた視野を持って再開します。それでもダメな時は、参考のためにcomicoの他作品を読んだりもします。
――comicoではどんな作品を読まれていますか?
ましき 現代ドラマ系の作品が好きで、『イジメ返し』のWEBTOONらしい表現などは参考になります!
――最後に『どうか私より不幸でいて下さい』の見どころと宣伝をお願いします!
ましき 「姉妹」という血縁関係のもとで繰り広げられる状況の壮絶さが、かなり見応えのある復讐ものだと思います。
また作画がとっても綺麗で、キャラクターのビジュアルがとにかく良いところも見どころです。
さらに、個人的に伏線回収などもできる限りこだわって構成しておりますので、2周目以降もお楽しみいただけるかと思います。
ぜひ、実際に読んでお確かめください。よろしくお願いします!
『どうか私より不幸でいて下さい』はcomicoで好評配信中!
ましきさん、ありがとうございました!
『どうか私より不幸でいて下さい』原作小説もWEBTOONもドラマも、ぜひそれぞれ楽しんでくださいね!
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ドラマ&原作情報
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▼原作小説はこちら!
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