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ほぼ漫画業界コラム97【読切の作り方】

リクエストは読切の作り方について。特にキャラクターの深掘りがどこまで出来るのかって話ですね。昔は僕も悩みましたね。僕は読切を作るのが大嫌いでした。と言うよりコスパが悪くて嫌だと思っていました。当時は読切をマネタイズする手段ってのが殆どなかったのです。だって単行本出ませんから。にもかかわらず読切って結構労力がかかるんですよ。結局、世界設定やキャラクターは作らないといけません。しかも完結させないといけないから、下手したら連載よりも考えるのが大変なんです。特に少年漫画でファンタジーとかになると、本当に大変。だから僕がマンガワンの編集長になってからは一切、読切は作りませんでした。新人だろうがなんだろうが、とにかく全員連載させてました。

ですが、今の時代になって読切の価値が上がってきました。SNSの発達によって読切でもマネタイズが可能になったということ、また、読者層が変わって短いエンタメを消費する層が増えたことも原因ですね。だから、僕もめっちゃ読切を作るようになりました。昔、読切とか無駄だから作りたくないと言っていたら大炎上して大御所作家さんに怒られたことがありますが、当時はマネタイズできないからそう言ったんですよ。マネタイズできる今となったら、どんどん読切を作りますね。現金な人間なんです。

じゃあ、どうやって読切を作るのか?キャラクターの深掘りはどれくらいやれるのか? 答えはページ数によります。20ページから100ページ超えまで読切だって全然違うじゃないですか。でも、大丈夫、どんなページ数でも対応できる方法があります。今日は特別に教えちゃいましょう。

20Pにつき1人です。

エッセイなどを除く一般的な読切であれば、20Pの読切で1人のキャラクターを描くのが限界でしょう。昔は16Pとかでもなんとか行けましたが、今は1Pあたりのコマ数が減ったので20Pで1人。40Pなら2人。60Pなら3人。こう考えると作りやすくなります。ちなみに登場人物の数という意味じゃないですよ。あくまでもしっかり描写する場合、つまり主人公との関係性を見せるキャラクターです。で、キャラクターの深掘りって基本、キャラクター同士の掛け合いでやるじゃないですか。で、主人公と関係性があるキャラクターが増えれば増えるほど、主人公のキャラクターを深く描写できますよね。多面的に描くことができる。深掘りできるってことですよね。

だから、読切の書き方がわからないというあなたは、まずあなたが作りたい物語の主な登場人物が何人かを考えてみてください。2人の話なら40Pの読切を書きましょう。20Pだったら1人しか描けません。主人公とモブ的な家族とかくらいかなぁ。結局、構成力なんですよね。読切を書くのに必要なのは構成力です。当然、P数が増えれば増えるほど高い構成力が求められます。僕は三幕構成の勉強は必須だと思っています。慣れたら随分楽になりますよ。


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