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オリジナル病

昔、ブレイクダンスをしていて

一時期、オリジナリティを追求するあまり

ベーシックな技を構成から外してネタを組み立てようとしていた時期があった。

(例えば、六歩やチェアーをやらない。←やり始めに覚える超基本の技)


四六時中頭の中でダンスのことを考え

最近はあんまりやらないことを掘り起こして今っぽくしたり

他のジャンルの動きを取り入れてブレイクダンスっぽくしたり

映画を観てアイディアを探したりもした。

特に少林寺とかの拳法ものや、ミュージカルとかを良く観てたと思う。


ある時、知り合いのダンサーにベーシックな技をやらないようにしていることを話したら

「そういう奴いる」って言われたことがある。


オリジナリティを追求することのデメリット


できることが少なくなる

0からじゃないにしても

ベーシックを外して1から作ると時間がかかるから

結果として持ちネタの数が少なくなる。


さらに、オリジナリティはすぐ身につくものじゃないのに

オリジナルムーブが少ない時は踊りを見せたくなくなるので

結果として人前であんまり踊らない内向きのダンサーになる。


人に教えることができない

オリジナルな技はパクってはいけないので

もちろん教えることもできない。

なので人に教える時に困る。


そもそもブレイクダンスは

あんまり技やムーブを習ったり教えたりする性質の踊りじゃない

というのも大きな理由かもしれないけど。


オリジナリティを追求することのメリット


誇りを持って踊れる

オリジナルな技やムーブだから、どんな格上のダンサーや大御所や海外のダンサーにも矜持を持って挑める。


オリジナリティの大切さを理解できる

そうやって誇りを持って自分をレペゼンしたことがあれば、オリジナリティの大切さを一番実感できると思う。

「どうだ!俺の踊りどうだ!」って感じでめちゃくちゃ高まる。

※レペゼン 地域とか自分を代表するみたいな意味。


結論

産みの苦しみを味わわないと、オリジナリティの大切さを実感できないし

オリジナリティがないとやってる「意味」がない。


オリジナルに傾倒する時期は必要だけど基本を大切にする時期も同じくらい必要。


余談だけど、僕が引退するあたりから

ファンデーション(基本)を見直す流れになってきて

踊りを踊れているかであったり、フレイバーがあるか

ということに比重が移っていった。

※フレイバー 匂いとか雰囲気と言う意味でおおむね良いと思う。


考察

以上はダンスをやっていた経験を裏付けにした話で

経験談としてはそれでいいけど

もう少しコラムっぽくと言うか

もう1、2歩踏み込みたい。


オリジナリティは既存のものとの対比によって存在し得るし

今あるオリジナルは、今まで先人たちが作り上げたものの前に

少し踏み出した小さな一歩なので

先人やオリジネイターには敬意を払うべき。


それはもちろんもっともなことだけど、

クリエイターや表現者は

原則、外に向けて自分を発信する。


誰かの心に届けたり、動かしたり

感動してもらうことが大きな目的の一つになる。


なので理解不能であったり意味不明なものでは独りよがりにしかならない。


今後もオリジナリティを追求していく上で重要だと思うことが

どこにオリジナリティを置くかということ。


色々考え調べていると

漫画や小説で読者が読む速度を作者が意図してコントロールするという話があって

同じ内容でも読書速度が変わると読者の脳は全く意味を変えて認識するのだという。


そうかもしれないし、可能であればとても面白い手法だと思う。


ここではその手法のことについて深堀はしないけど

視点や切り口、手法そのものであったり

工夫の仕方やオリジナリティをどこに求めるかなど

いろいろなやり方を追求するのはとても面白い。


オリジナリティって言うとなんか難しい感じもするけど

要するに、受け手に面白いって思ってもらいたいし

自分が受け手の時も面白い物に出会いたい。


そこを忘れないようにしたい。



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