あざなえる縄の裏っかわ
放課後の誰もいなくなった教室で、夕日が差し込むあたりをしばらく見つめていた私は、気まぐれで図書室に向かうことにした。騒がしい日中の教室とは違い静かな時間の流れる空間で、私はその人を見つけた。図書室の隅に座るその人は、やけに真剣な顔をしながらえんぴつの音をガリガリ、とまさに削るようにノートに響かせている。その姿からなぜか目が離せなくなり、しばらくその様子を眺めているとその人はスッと顔をあげた。
なにみてるの?
ふいに向けられた問いに戸惑う私の顔を、図書室に差し込んだ夕陽が照