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考えすぎと俯瞰のリズム

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へんなものを見つけて考えて遠くから眺める 整合性と破壊、偏愛と狂気/冷静な神経質
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2018年11月の記事一覧

あざなえる縄の裏っかわ

放課後の誰もいなくなった教室で、夕日が差し込むあたりをしばらく見つめていた私は、気まぐれで図書室に向かうことにした。騒がしい日中の教室とは違い静かな時間の流れる空間で、私はその人を見つけた。図書室の隅に座るその人は、やけに真剣な顔をしながらえんぴつの音をガリガリ、とまさに削るようにノートに響かせている。その姿からなぜか目が離せなくなり、しばらくその様子を眺めているとその人はスッと顔をあげた。 なにみてるの? ふいに向けられた問いに戸惑う私の顔を、図書室に差し込んだ夕陽が照

ナンデナンデ星の住人たち

幼いころ、毎晩父の帰りを待って一緒にお風呂に入っていた。仕事場に電話をして、お風呂に入りたいから早く帰ってきてと急かしていた。 帰ってくるとすぐに浴室に入り、体を洗って湯船につかる。自分よりはるかに体の大きい父が湯船に入って、お風呂のお湯があふれる様子を見てケタケタと笑っていた。 お風呂では父にたくさんの質問をした。 ものはなんで落ちるの?なんで水が鼻に入るとツーンとするの?なんで血は固まるの?なんで水はあっためると消えるの?人はなんで生きているの? 父は自分の知識

なめらかな曲線が美しい理由を考える

やっぱりデジタルってアナログにかなわないな、と思う瞬間があります。 そう書き出してから、デジタルとアナログの辞書の定義が気になって調べてみたのですが、なんとなく納得できなかったので自分なりに定義してみました。 デジタル 連続的な物事をある単位で区切って表現すること アナログ 連続的な物事を連続的なまま表現すること これがいまのところ自分が納得できる定義です。 なんだか変なはじまり方になってしまったので、もう一度最初からやり直します。 やっぱりデジタルってアナログ

ひらめきを3Dに。

文章を書くとき、頭の中に立体ができあがるような感覚がある。 具体的には頭の中に縦軸と横軸と奥行きのある数学でいうところのユークリッド空間みたいな場所があって、そこにとある立体を作り出す感じがしている。あくまでたとえ話だけれど、自分の中でなんだかしっくりきている。 文章を書きたいと思う瞬間を考えてみると、それはきっと自分の目の前にあるものやことが、自分の人生ときれいに交わった気づいたときだ。そして、ある出来事に出会ったときに、それととてもよく似ている出来事を知っていたり、あ