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創作時間

展示された1枚の絵。
そこに時の流れ圧縮された時間を視ることはあるだろうか。

太陽の位置が変われば、カンヴァスが受ける光の量も変化する。
それは創作物が背負う時間。

構想を練る、色を混ぜる、塗る、削る、上塗りする、記名する。
それは創作者が生きた時間そのものだ。

何かを生むには莫大な時間投資が必要である。
故に創作物は時間の塊。

大して代わり映えのしない変化すら創作物の一部なのだ。

変化こそ時間を視る術。
目には見えない、本当に存在するのかすら判らない時間を人が信じるのは、人が変化を捉える能力を持っているからだ。

創作者が手放すことでそれは陽に当たる。
籠から飛び出て羽を広げる様を人が眼にして鳥は巡り巡る。
そうした時間を背負って今、貴方の目の前に在る。

1枚の絵に折りたたまれた時間の存在を知る。
それが創作者を何度でも立ち上がる不死鳥たらしめるのだ。



*塗り絵:ミリー・マロッタ『動物たちの塗り絵ブック』より
*水彩色鉛筆

ご覧下さりありがとうございます。書く力は灯火のようなもの。ライトに書ける時も、生みの苦しみを味わう時も。どこかで温かく見守ってくれる方がいるんだなあという実感は救済となります。