好きな本の話をしよう


大学生の頃、大学までの行き帰りの電車で毎日本を読んでいた。片道約1時間ほどの道中は、わたしの大事な読書タイムだった。
本を読むスピードが速かったわたしは、1日1冊のペースで本を読み終えてしまうため、本への出費は、バイト代を注ぎ込んできたライブに劣るともないものだったと思う。勿論金額の大小はあるからイコールではないけれども、熱量として。

小学生の頃は親に与えられた本を読み、中学生になると友だちと本の貸し借りをするようになった。(この友だちのことはまた別の機会にnoteに書きたいと思っている)
貸し借りのきっかけとなった本は、あさのあつこの『バッテリー』。最初は、電池?と茶化しながら読み始めたのだが、すっかりハマってしまい(今でいうと漫画のキャラクターにハマるような感じに近かった。主人公の巧は完全にわたしのタイプど真ん中だった)、自分でも本を購入して読み耽った。1巻ごとに、当時聴いていたJUDY AND MARYの曲をイメージソングとして当てはめていた(ちなみに、1巻はKYOTO、2巻はDAYDREAMだ。そのあとは忘れた)

社会人になってからは、初めは鞄に本を忍ばせて通勤していたが、最初に利用していた線は混雑がひどく、本を開ける状態ではなかった為挫折し、今は今で睡眠時間の確保を優先してしまい、全く本を読むことが無くなってしまった。

それでも時々本屋に寄って、好きな作家さんの新刊が出ていないかチェックし、購入はしている。そろそろ積読が溜まってしまってどうしようか、と思っていた時に、緊急事態宣言のために自宅待機が余儀なくされ、くしくも本を読む時間が出来た。

好きな作品を挙げればキリが無いので、まずは作家さんを羅列しよう。敬称略、順不同。

江國香織
母親から勧められて読むようになった。デュークが始まり。低い位置のテンションのまま淡々と進んでいくが、それが心地よい。例えていうならプールに潜って水の中から空を見ている感じ。わかる人がいたら握手。

有川浩
ライトノベル作家だったらしい。だからかとても読みやすい文章。塩の街シリーズも、図書館戦争シリーズも、単発の小説も大好き。『植物図鑑』が人生の目標(ストライクど真ん中の男性が出てくること、ああいう生活がしたい、という理想が出てくること、など)。ハードカバー版で持っているくらい。だから映画は絶対観ないし、無かったものにしている。

森見登美彦
『夜は短し歩けよ乙女』からまんまとハマってしまった。京都が舞台の作品が多く、京都好きとしてはそれもたまらない。本は文庫派だが、好きすぎて『宵山万華鏡』はハードカバーで購入した。彼の文体はとても特徴的でそれが魅力でもある。そんなイメージを破った『ペンギン・ハイウェイ』もまた素敵な作品だ。本来こういう作風で書きたかったとかなんとか。

乙一
あさのあつこ同様、中学生の時に好きになった作家さん。ホラー系かと思いきやファンタジーで、少しミステリーも。その不思議な雰囲気に、作品の中に引き込まれていってしまうような。『きみにしかきこえない Calling you』と『さみしさの周波数』、別の名義で執筆している(噂…と思っていたら、このnoteを書くにあたって調べたところ2011年に公言していたらしい。)『吉祥寺の朝比奈くん』が好き。中田永一名義のこちらは現実味と青春の混ぜられた雰囲気の小説が多い。

森絵都
児童小説から大人向けまで。風に舞い上がるビニールシートが直木賞を受賞したことでも有名かと思う。この作品も勿論好きだが、わたしのバイブルは『カラフル』。心が荒んだ時、精神的に落ちている時、真っ新な気持ちになりたいときに読む。カラフルはわたしの心の安定剤。

そのほか、前記したあさのあつこ、瀬尾まいこ、小川糸、中山千里、三浦しをん、柴村仁などなど。

書いていたら本を無性に読みたくなってきた。
まずは、この殺伐とした雰囲気に荒んでしまったわたしの心の安寧のために、カラフルを読み直そう。

たぶん、人は1人一冊心の安定剤になるような本を持っておくと、人生が楽になると思う。


おわり。




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