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2回目の帝王切開、出産レポ

1回目は26wでの早産だったが、2回目は38w。

子宮頸管無力症の私にとっては大大大大大快挙である。

そして、あんなにお腹が膨らむのも、膨らみすぎてヘソが捲れ上がるのも、お腹が重くて重くて腰が痛いのも人生初であって、経産婦だがほぼ初産妊婦の気持ちだ。

血糖コントロールは良好で、インスリン開始当初は37w〜38wで100単位打つことになるかもと糖尿内科の先生に言われていた私は、なんとか60単位で抑えられていた。

その為、胎児の体重過多や発育不全も羊水過多もなく経過良好。予定通りの入院、出産となった。

それでも産休中は産科の先生から、
「くれぐれも無理しないように。縛ってある糸が切れたら即入院、即定帝王切開だからね。」
と、クギを刺されていたのだが。

夫「(前に比べて)順調で良かったやん。スーツクリーニング出してきて」

実母「今からしんどいしんどい言ってどうするの?産んでからが大変なのよ?前より経過は順調なんだしもっと動いても大丈夫でしょう」

と言われることがよくあって、


よくさ、産前イライラすると

「マタニティブルー?」
「ホルモンバランスの崩れ?」
「産前うつ?」

とか言われることあると思うんだけど、

絶対それだけじゃないから。怒
ただでさえホルモンバランス崩れてるのに、真近にいる人間が妊婦を慮れないデリカシーの無い発言をすることが問題だから。怒
ホルモンバランス崩れてなくてもこんなこと言われたら全てが嫌になって鬱になるわ。怒


夫は妊娠は病気ではないと悪気なく言い放てる人だから理解ができる頭はないし、実母も私を産んだのが遠い昔のできごとで「私の時はもっと世間は妊婦に対して冷たかった、アンタは恵まれてる」とか言う始末だからもう自宅が本能寺だよ。2人とも燃えてしまえ。



そんなこんなで38wから出産のため入院に。

一通り入院中の過ごし方の説明を受けたあと、看護師さんから「他に何かご不明な点や質問等ありますか?」と聞かれたので、そのキッカケを心待ちにしていた私は満を持して用意していたことを伝えた。

私「入院中の過ごし方は大丈夫なんですけど…、あの、今回も前日に点滴のルート通すんですよね…」

看「ええ、そうですね、先生からそのように指示を受けてます」

私「あの、前回のシロッカー手術の入院で、前日に8回やっても通せなくて、結局当日にしたので、今回は最初から当日にして欲しいんですけど…とても痛かったので…」

看「そうなんですね…ちょっとこちらで確認してみますね」

(看護師さん一旦部屋を出る)
(いや、貴女が失敗した人ではないのに非常に申し訳ない、ごめんよ、でももう嫌なんだよ失敗されるの)
(点滴マジ嫌い震えるほど嫌い)

看「うどんさん、すみません、やっぱり前日にしないといけないみたいなんで、チャレンジさせてもらえないですか?」

私「はい、わかりました」

そしたら最初からレベルMAXの看護師さん出てきて一発で済んだ!!

これこれ!!最初からこうしてくれよ!!!

経験の浅い看護師にトライアンドエラーをさせるのも質の向上に繋がるとか、そんなのはマジでいらないのだ。人見てしてくれ頼むから。点滴ホント嫌いなんだよ(何回でも言う)痛いのも嫌だけど、もうあの体内に物質がずっと存在するのを感じ続けるのが気持ち悪くて点滴ホント嫌い(しつこい)


手術の説明の後でも、前回麻酔された時、時間がかかって苦痛だった為、それも伝えさせて貰ったらめっちゃ手際良く済ませてくれる先生に当たった(偶然かもしれないけど)


私、なんて感じの悪い患者なんだ。
って思うけどさ、でも、

どこの医療施設でも、内容によるけど伝え方さえ間違わなかったら大概考慮できる所は考慮してくれる。クレームを減らすためにホスピタリティを教育される施設が昔に比べて当たり前となっているから。

言わなかったらしてくれないし、言い過ぎてもしてくれない。そこの匙加減。


さあ無事点滴ルートも通り、いざ出陣。

ちなみにTwitterママ垢は産みに行く直前に法螺貝の絵文字をツイートする。法螺貝ツイートを見た相互さん達は、頑張ってきてねとリプする。
リアルどころかTwitterでもコミュ障の私は普段からリプする人もごく僅かなので、頑張ってきてねリプがつかなかったらどうしよう、寂しすぎるという理由から法螺貝ツイートする勇気はでませんでした。しのう。


あとはね、もうまな板の上の鯉ですよ。

手術スタッフさんに全てお任せ。
下半身麻酔だけめちゃくちゃ我慢して。
でも今回の麻酔科医の先生上手だったからすんなり終わったけど。

きたきたきたきたきた。
この表在感覚から解放され、深部感覚が鈍麻されし世界に、また私は来た!

触覚は全くない。冷感、温感もない。
下半身は全く動かない、でも圧迫感覚はある。

電メスで自分の肉が焦げる臭いが立ち込める。
タンパク質が焼ける臭い。

お腹と子宮を切ったあと、
やがて残された圧迫感覚が最大になる。

ギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコギュッコお腹を先生達が押しに押して、赤ちゃんを外界に解き放とうとしている為だ。

いや押し過ぎじゃない?って分かるぐらいには麻酔してるはずなのに感覚残ってるんだよね。これ痛くないけど麻酔が効いてるのかどうか心配になるんだよね。


そして、ドゥルン!!!という感覚から、響き渡る赤子の大きい大きい声。

「ぼわぁぁあああ゛あ゛あ゛!!!
 ぼわぁぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

1人目とはえらい違いだ。耳がキーンてなる。
控えめに言ってうるさい。


先生方、助産師さん、看護師さん各位リアルに爆笑してた。元気すぎて。

看護師さんが抱いて見せにきてくれた。

3616gのもっちりビッグベビーだ。

やっと会えたね、1人目は蚊の泣くような声の小さい子だったから、ママ安心したよ、元気に産まれてきてくれてありがとう!!!

泣くというより安堵、安堵しかない。

やっと終わった、人生最後の出産。
頑張った、私頑張ったよ。


さ、先生方、チャチャっと閉腹しちゃってくださいよ。もう1秒足りとも手術室とグッバイしたいの私は。


しかしここからが私の峠だった。

開いたお腹をまたまたギュッコギュッコ押して中身を詰めながら塗っていく先生方。

え。いた…いたいいたい…
い゛だだだだだだだだ!!!!!
もっそい痛いんですけど!!!!!!

叫ぶ私。冷静にギュッコギュッコする先生方。
優しく声かけしながら麻酔量をボンボン上げていく先生。

これ麻酔切れ?え?まだお腹開いてるんだよね?めちゃくちゃ痛いんですけど????泣

息子誕生の時は泣かなかったのに、閉腹であまりの痛さに泣く私。母性どこいった?

いや産後の子宮収縮の30倍ぐらい痛い。

麻酔増量のおかげで少しは和らいだけど、
今度は身体がついていかず嘔吐。

坂上二郎のごとく「吐きます!吐きます!」と叫ぶ私。(実際嘔吐した)

容赦なくギュッコギュッコする先生。

いや、医者って冷静だよね。目の前の患者が手術中麻酔効かなくなって叫んでも全く手を止めずに当初の予定通り手術していくんだもん。マジ揺るがなかった。ギュッコギュッコする手止まらなかった。鬼か。



手術が無事終わり、死んだ魚の目をした私に、外の廊下で待機してくれてた夫が「元気なでかい子やったで、ありがとう、おつかれ様」と労いの言葉をかけてくれた。

夫愛してる、こちらこそありがとうだよ。
となりそうなシーンだが、つい先ほど最後の峠を越えたばかりの私はそんな余裕もなく、「あ、はい、あとよろしく」としか返せなかった。むしろ、ホント男は子ども産めない身体でいいよな、憎い、と思うぐらいまで闇堕ちしていた。




ああ、手術でもあんなに痛かったのに、

これから後陣痛の子宮収縮イベントが待ち構えている。

帝王切開後の痛み+後陣痛は途切れなく痛み止めを飲んでも気休めでしかないぐらい痛い。

しかも、子宮収縮してるから触診するために看護師さんが定期的にお腹押しにくるんだぜ?嫌だ。嫌すぎる。



生まれた息子は本当に元気で、母が糖尿病だったことで起きる新生児低血糖、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、呼吸障害、先天奇形等オールクリアで最初からGCUへ行ったと看護師さんから教えてもらった。

痛い思いして辛かったけど、それが最大の救いだった。

やっと安心した私は、とりあえず深い眠りについたのだった。

 

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