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映画『笑いのカイブツ』【2024#4】



感想の前に


先週やっと観たのですけど、なかなか書く気になれなくて。そこまで言えばわかる気もしますけれども。

感想(ネタバレあり)


例によって情報なしで観ました。タイトルから察するに、芸能界というかお笑い?ですごい才能な人がいたということかなと。自伝みたいなものかなと。大筋は間違ってないんですけど、実話?

嫌いではないけれど、説明がなくてわからない部分がありますね。なんでお笑いに文字通り命をかけるようになったのか。
なにか、きっかけがあったんでしょうけど、例えば、子どもの頃いじめられていて、でもちょっと面白いこと言ったら、一目置かれるようになったとか。
いわゆる鍵っ子、って最近も言うんですかね。共働きとか最近だと普通なので、だいたいそうなのかな。それで、テレビとラジオだけが友達みたいなもので、まぁ大阪だったらゴールデンの時間にも東京よりはいろいろやってそうだし、ラジオとかも充実してそうね。
そういう背景的なものはあんまりなくて、いきなり、「海賊王におれはなる」じゃないけど、「お笑いで天下取ってやる」みたいな。
まぁそこまでは良いとしましょう。

ハガキ職人やって、レジェンドになって、お笑い界?に乗り込んでいくのは良いんですけどね。どのへんがすごいかわからんのです。
劇中劇じゃないですけど、映画の中でお笑いに限らず、芸みたいなものを表現するのって難しいと思うんです。時間が足りないし、絶対的に面白いなんてできないから。例えば、後輩、先輩、大御所みたいなのがやってるお笑いがほんとにつまんない感じで、自分だけ面白くて、やっぱ俺が一番や!というならわかるんです。ラジオで読まれたりしたものが、文字として出てくるのとかは少しくらいあるんですけど、面白いわけでもない。
先輩がつまらない → なし
自分が面白い → なし
っていう状態で、ただネタを書きまくってるだけで自分が一番というのはちょっと何言ってるんだかという感じ。
そもそも、天才を表現するのって難しいと思うんです。勝負の世界で100連勝無敗とかならわかりやすいですし、そういうのでもない。ラジオのレジェンドとか、普通は何年かかるのをどれくらいでなったとかわからんし、何人くらいレジェンドいるかもわからんし、例えば10年ずっとやってて1人しかいないとかならすごさもある程度分かるけど、そうでもない。
天才を見せる方法の一つとしては、主人公を凡人にして、凡であることをひたすら示して、周りの人を天才に仕立てるとかもあるだろうけど、フォーカスされるのは本人なわけだし、天才を天才として見せないといけない。つまりはこの場合は、先輩につまらない笑いをさせて、本人はそれをぶっちぎる才能がある、それを見せないといけない。
例えば先輩がそこそこ面白くて、本人もそんなにすごくはないけど面白いとかだったら、誰も天才だとは思わない。

まぁ天才の話は良いとして、お笑いに人生かけて全力でやったけど、コミュ障だからやっぱり夢はかなわなかったということを言いたかったのかもしれないけど、どこの業界でも同じようなものじゃないかなぁ。
正しいことをやり続けても報われないなんていくらでもあるし、世の中のシステムっていうのは、先輩とか大御所がのさばるために作ったものだから、基本的には出る杭は打たれるし、報われないのが普通。システムを変えられるような才能がなければなければ跳ね返されて終わり。
力をためて、力を隠して、仕留められるときが来たら一発で仕留める。それくらいじゃないと大成功はできないかなと。力を使う機会がなく終わることもあるかもしれないけど、私は、そういうものと思ってる。

話がそれてしまった。映画の方は、ツチヤの演技悪くないんだけど、暗いんだよね。シリアスなのは良いんだけど、それで笑いは難しいじゃない?って感じ。本人がほとんど笑わないのに他人を笑わせるっていうのはそれだけで難しいんじゃないかな。まぁ演技が悪いんじゃなくて、キャラクターの話で、岡山さんは次を期待するレベル。
菅田君に関してはさすがとしか言いようがない感じでした。居酒屋で3年くらい働いてたやろ?っていうくらいのプロの接客。菅田君が主役でっていうパターンもあればちょっと観たかった感じもするけど、そうするとピンクを代わりにできる人がいないんだよね。1人2役とか?

やっぱり、
「面白くない笑い(笑)」と「圧倒的に面白い笑い」がないと、もやもやー。カイブツってなんだろうね。

映画館情報など


シネ・リーブル池袋。会員なので1400円。シート変わったのかな。結構いい感じでした。前の方に座ったからへたってないとかだろうか。人もいっぱい入ってたけど、げらげら笑ってもいないし、むしろクスっともしてなかったんだけど。面白かったのかは少し気になるね。

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