私がインタビューライターになった理由
こんにちは。私はインタビューライターの上野彩希(うえのさき)と申します。今日は私がインタビューライターになった理由を書こうと思います。
なぜ私はインタビューライターをしているのか。それは、自分のなかにある固定観念を打ち破って生きていきたいからです。
私は「〜しなきゃ」という固定観念に縛られることが多く、とくに自分の生き方やキャリアについて悩むことが多いと感じています。
それが顕著にあらわれたのが、20代前半の頃。二度の精神疾患に悩まされました。最初は大学4年の就職活動の時、そして2回目は新卒1年目の時です。時期は違いますが、原因は「〜しなきゃ」という固定観念や社会のルールのようなものに従うことばかり考え、自分を押し殺していたからだと思っています。
「大企業に就職して稼がなきゃ」
「新卒からやりたいことなんてできない」
「仕事は稼ぐためのもの。きついのが普通」
「みんなと同じようにちゃんとしなきゃ」
留学を経験し、人とのつながりや異文化を知ることを大切にしたいと思っていた私は、気づけば本当の自分を封印し、良い企業に就職することだけを考えていました。
心の病に苦しみながらも内定をもらったのは某IT企業。今考えると少しの興味もない仕事内容でしたが、つらい状況から逃れるために内定を承諾するほか考えられませんでした。
しかし、志望動機を嘘で固めて入社した会社でうまくいくはずがありません。入社後1年もせずして症状が再発。退職にいたりました。
私のキャリアが好転したのは、それからです。転職活動では、年収も企業規模も他の就活生の様子も気にすることなく、ただただ自分のやりたいことだけを考えて行動しました。
そうして転職した先が、スタートアップのホテルです。「人とのつながり」を重視しているホテルで、世界各国から来たゲストを連れて地域の商店街を案内したり、地域の人を巻き込んだイベントを開催したりするような面白いホテルでした。
面白い場所には面白い人が集まってくるのか、そこで出会う人はいつも私に刺激をくれました。
ホテルの外国人ゲスト向けに、日本語のレッスンや着付け教室を無償で開催する70代の地元の方。
世界中を旅し、10か国以上の言語をマスターした言語オタクのスタッフ。
自分の好きなことを信じ発信し続けて、人気アーティストになった人。
なかにはゲストと仲良くなって結婚し、アラスカに移住したスタッフもいました。
「こういう自由な生き方もあるんだ」
さまざまな価値観やバックグラウンドを持っている人たちとの出会いは、私の凝り固まった考えをほぐしてくれ、好きなことに踏み出す勇気をくれました。
もっと色んな人を知りたい。固定観念を打ち破って色んな世界を見たい。
これが、人との出会いで気づけた私の本当にやりたかったことであり、インタビューライターをする理由です。
そうして私は働いていたホテルでインタビュー企画を立ち上げ、イベントに関わったアーティストや、働くスタッフの取材記事を書くようになりました。結婚を機にホテルを退職し、2021年秋からはフリーのインタビューライターとして活動しています。
固定観念に従ってしまう私の性格は、面白い人にちょっと出会っただけでは変わらないかもしれません。インタビューライターに転身した今でも、いわゆる「文章術」通りに書くことにとらわれることもあるし、この先ライフスタイルが変わっていくなかで、働き方や育児などに対しても「一般的にはどうしているか」を基準にしては、比較して悩んでしまうと思います。
だからこそ、私はいろんな人の価値観や生き方を知っていくことが必要なんです。
違いを知り、自分はどうしたいかを見失わないために。固定観念にとらわれず自分が信じる道に一歩踏み出すために。
そして、インタビューを通して預かった誰かの貴重な言葉が、また誰かの背中を押すきっかけになり、その波が広がっていけばいいなと思っています。
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