見出し画像

#01. ある晩、街中のことに関する打ち合わせで

 前回の更新からほぼ1ヶ月、何も更新しないまま経ってしまった。時間が経つのは早い、特に師走は猛スピードでかけてゆきますね。

 さて、12月19日の夜は街中を使った社会実験を行うメンバーの打ち合わせに参加してきました。僕は店を閉めてからの参加だったので、ちょっと遅れて。

 これはもともと行政が発起人となり、街の活性化の機運を高める目的として立ち上げたプロジェクトで、行政の関係者、地域の不動産や建築業者、商店街やこまがねテラスの方、建築士会など20名以上のメンバーで構成されています。今回は主要メンバーの打ち合わせにお邪魔させていただきました。

 「社会実験」という言葉は使っているものの、街中で店をやっている身からすれば、午前11時に店を開けたら毎日が社会実験で、その肌感覚やお客さんとの会話の中での発見をもとにまちなかのことへ思いを馳せるし、新しいアイディアも考える。
 今回も参加するにあたって、以前、営業していた古本屋兼シェアスペース(約1年半で閉店)で、来店者にとっていたアンケートを見直しました。

 僕の場合、やはりこの地域に店があることが一番のやりがいになっている。店の中で起きていることは、その店を囲むひとまわりふたまわり大きな地域の中でも起きていることだと思っている。
 そこがなにかを考えるときの出発点だし、そこ以外の立ち位置を持たない僕からすると、不動産屋の方の街の見方や建築家の視点から見た街の活用は規模的にも動かすお金的にもだいぶスケール感の大きなもので、ふだんはない気づきがありました。

 僕はハード面をつくることはできないから、ソフトだと思う。ソフトでありながらそれなりに強く根を張ってゆくものを考えている。
 根を張るとはどういうことか、それは当事者になること。ほんのちょっとの当事者感でいいから、自分自身がその場を成り立たせることに関わっている自覚のある人たちが増えれば、あとはそこかしこで生まれるものがあるし、協働の機会は増えるし、継がれてゆくこともあると思う。
 土壌だけ耕せれば、なにかが生まれるなんて、ちょっと楽観的といえば楽観的に見えなくもないけれど、なにかを猛烈にやりたいと志した個人活動の力を信じているとも言える。

 皆で足並みを揃えることは必要ないし、それぞれの企みをもって街に関わる多様さとそれが絡まる様子がこれからの可能性になる。
 おそらくそうやっていろんな人を巻き込んでゆくことが僕が関わる意義かなとぼんやりとした雑感がありました。


 今回の打ち合わせでは来年3月頃に開催予定の空き物件ツアーの物件候補地を洗い出しました。
 商店街エリアの地図を広げて、飲食店向き、物販向き、住居も可といった空き物件の位置を確認しながら、それぞれが持っている地域の情報を共有しました。それだけで少し街を見る解像度があがりました。
 空き物件は、次の資金繰りのためになるべく高い値段で手放したいオーナーもいれば、誰かに借りてもらいたいけれど店舗と住居がくっついていて水まわりを共有していたりすると貸せない場合もあって、一筋縄ではいかない。街の歴史と個人史が結びつき、時代も相まって発展もして衰退もするモデルなので、これは繰り返されてゆくものなのでしょう。
 その繰り返しの中で少しずつの変化を獲得して、その時代時代に前向きなムーブメントが起きたり、消えたり、そしてまた起きて…を繰り返してゆくのでしょう。

 僕らは街という焚き火にくべられる1本の薪。いつか次の薪がくべられるまで。あらたな火をつけられる、それまでの火種。えんやこらせーどっこいせー、ファイヤー!


 さて、今頃はCOLORを一緒にやっていたマスイさんはスリランカにいるはずですが元気でしょうか。まったくインスタの更新もないから現地にどっぷり浸かっているのでしょう。(ルンルンとは現地で合流できたのでしょうか)
 COLORSの出展者もその後、それぞれのペースで歩みを進めている。そんな報告を店頭で、インスタのDMでもらって僕もそれを励みにしています。

(COLORS 室根)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?