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#03. 926BLD、オープンへ向け

 駒ヶ根市すずらん通り沿いにある926BLDの改装が終盤を迎えているようです。シェアオフィスのオープンは、おそらく駒ヶ根では初の試みになるでしょうか。近年、駒ヶ根にも都心部と田舎の二拠点生活をされる方やリモートワークといった働き方をする人たちが増えてくる中、意外となかったのがシェアオフィスだったように思えます。
(隣の宮田村や伊那市にはシェアオフィスとして使えるような場所がいくつかあったりします。)
産業と若者が息づく拠点施設(allla):伊那市公式ホームページ (inacity.jp
inadani sees – 農と森のインキュベーション - (inadani-sees.jp)
MIYADA村人TERRACE|長野県上伊那郡宮田村にあるコミュニティースペース (miyadaterrace.jp)

 もちろん、駒ヶ根市内には駅前に市民交流センター「アルパ」、商店街の中には市民活動支援センター「ぱとな」といった施設はあります。しかし、それらの施設がサポートしている「市民」は「非営利団体・個人」のことを指しており、ボランティアサークルや趣味のグループ活動には向いていても、例えばフリーランスが仕事をしようとすると営利目的の利用は不可だったり(もしくは使用料が通常の3倍だったり)、1人で利用するには会議室は大きすぎたり、かといってフリースペースは不特定多数の人の出入りがあるので落ち着かず、電話やZOOMでの打ち合わせには向いていなかったりしてほとんどが使えないというのが現状です。

 駒ヶ根にフリーランスがいないからシェアオフィスがないのか、シェアオフィスのようなものがないだけでニーズはあるのか。このあたりはまだまだ未知数ですが、駒ヶ根に店を構えて来店するお客さんと話している僕の肌感覚としては、仕事場を探されている人たちはいるような気がしています。
 ただ、その使い方が毎日決まって出勤する仕事場を求める人もいれば、田舎に滞在している一定期間だけ使えればいいとか、ふだんは自宅で仕事をしていても、来客や打ち合わせの事務所として使える場所が欲しいとか、週2くらいで店を出したいとか…要望が多岐に渡ります。このあたりのニーズのすり合わせは、シェアオフィスを運営しながらやってゆくのがいいのかもしれません。

 さて、僕は昨年の春から12月上旬までモニターとして926BLDの1階(101)を使わせていただきました。僕以外に5名くらいのモニターメンバーがいました。メンバー同士で集まって使用するときもありましたし、1人で利用するときもありました。今回は、そのときの感想をお伝えしてゆきます。
(僕がモニターで利用したときと現状では建物設備、利用方法などが異なるところもございます。あくまで参考程度にご覧ください。)


【926BLDの主な使用目的(僕の場合)】
 Wi-Fi環境があるところでのパソコン作業。なにか熟考するというよりも単純作業の仕事を持ち込んでいました。その他、2、3人で打ち合わせなどをする際にも使いました。
 モニターメンバーが僕以外に5人くらいいましたが、101のスペースを他のモニターの方と共有することはほとんどありませんでした。

【駐車場について】
 近いところだと商工会議所の2階の駐車場や駅前の立体駐車場を使うことになります。もし、2階のオフィスを借りて毎日のように出勤される方は月極駐車場を契約した方がよさそうです。
 近場だと通りを挟んで斜め向かいの月極駐車場(喜野ヤさん裏)か、さらにその駐車場の北側の月極駐車場、もしくは子ども食堂まみーずかふぇさんの前にある月極駐車場があります。大体月2,500円〜3,000円/台です。

【テーブル・イス】
 地図や資料などを広げて作業する際に大きなサイズのテーブルを使えて便利でした。無機質な会議用テーブルやパイプ椅子ではなくテーブルや椅子に個性があるので、そのときの気分でどれを使うのか選ぶのも気分転換になりました。
 すずらん通りは思ったよりも人通りがあって、店内に明かりがついていると外からのぞいていかれる方もいますが、その視線はほとんど気になりません。外から知り合いが手を振ってると気配でときどき気づくくらいの距離感です。

【エアコン・薪ストーブ】
 思ったよりも建物内は涼しく、窓を全開にしていれば夏場でもエアコンなしで大丈夫な日もありました。冬は薪ストーブがあるので暖かそうです。

【Wi-Fi】
 スマホ2台、パソコン1台、iPad1の合計4台を同時に繋ぐことがありましたがサクサク動いて快適でした。他の方との同時利用の際はデータの送受信は遅くなるのかもしれませんが、ある程度は、ゆずりあい、思いやりで使用すればいいのかなと思います。

【キッチン】
 水筒を持参していたのでほとんど使いませんでした。お隣にマフィン屋さんもありますし、コーヒーもテイクアウトできるので仕事をひと息つきたいときに利用するのもいいですね。マフィン屋さんの営業日の朝は、すずらん通りに焼き立てのマフィンの香りがして幸せな気分になります。
 天気の良い日は926BLDの入り口に付近に設置してある椅子に腰掛けて休憩していると季節の風を感じられて、それだけでいい気分転換になります。特に4月〜6月、9月下旬から11月上旬は気候的にも野外で過ごしやすいです。

【トイレ 】
 広めのトイレです。ソファもあるので赤ちゃん連れでおむつ替えをしたいときなどにも最適です。

【本棚】
 建築やまちづくり、インテリアやデザインの本、写真集やエッセイなど、オーナーさんの蔵書は興味深いものがありました。息抜きのつもりがけっこう読んでしまいました。

【音響・BGM】
 僕自身では選曲しないCDが並べられていて作業BGMにさせていただきました。それだけで仕事モードのスイッチが入りました。複数人で空間をシェアしていたら難しいかもですが1人で作業するときに自由にBGMをかけられるのは個人的には嬉しいです。

【テラス席】
 安楽寺さん側の薪が置いてある棚の隣のスペースにベンチを置いてテラス席があったらお昼のお弁当を食べたり、休憩したりするのにいいと思いました。同時使用して電話がかかってきたときに使えますしね。

【入り口付近】
 白いベンチが2脚ならんでいる入り口付近のスペースを使って物販があったらまた違った人の流れができておもしろそうです。
 パンや野菜などを売ったり、スタンドコーヒーなど、人がとどまっている箇所がすずらん通りにあると活気も出ますね。
 あと、現在、入居者の看板を付けている壁とは反対側の壁に掲示板的なものを付けていてもいいかもしれないと思いました。926の建物内に入らなくても、今後のイベント情報や入居者の人たちが宣伝したいことなどが見えてくると、そこから926の存在を知ってくれる方もいると思うので。

【その他】
 この926BLDの利用者が自身の特技や勉強、経験してきたことを活かして、月1回か、2ヶ月に1回など、それぞれが主催するイベントや講座を開催できるといいなと思いました。そうすると926BLDの利用者は限定的(数人)であっても、この場所がより地域住民に開けてきて、いろんな人が交わる場になる可能性があります。僕は東京にいたときに哲学カフェや読書会に参加したり、企画してたりしたのでそういうのでしたらお手伝いできそうです。あと、926BLDの利用者による音声配信なども行っていると926BLDという場所がどういう場所でどういう人たちが集っているのか伝わるのでいいと思います。昨今はいろんなSNSが増えていますが田舎の人のライフスタイルを考えると車の運転中や家事をしながら聞けたりする音声メディアは相性がいいんじゃないかと思います。

 コミュニケーションが生まれやすいコンパクトなサイズ感を活かして、この地域ならではのシェアオフィスのかたちが見えてきたらユニークだと思いました。

昨年の夏、息子と一緒に利用した際の様子

926BLDが募集中のシェアオフィスの詳細はこちらです。
https://926bldg.jimdosite.com

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