35_カラーイメージについて考える(6)〜「黒」の色彩心理

画像1 白や黒は「色」として忘れられがちです。そのくせ「好きな色は?」となると「黒」と回答があったり。色の正体は反射したり透過したりの光なのですが、観察対象の物体がほとんどの光を吸収して視覚が光を捉えない時に「黒」を感じます。
画像2 前回、学生課題の「職業のカラーイメージ」で取り上げた「格闘家」のカラーイメージには「闘志」や「情熱」を感じる「赤」が必ず含まれていましたが、もう1色よく使われていた色が「黒」でした。黒や暗色は「重さ」や「硬さ」を感じさせやすく、「重量」や「強さ」をイメージした結果使われたのだと思います。
画像3 「黒」から連想する言葉としてよく出てくる<+イメージ>には「高級感」「重厚感」「強さ」があり、<ーイメージ>として「恐怖」や「不吉」「不安」に直結するような言葉が登場します。そして学生課題の5色構成で「格闘家」の他に必ず黒が使われていた職業がありました。
画像4 「ホスト」です。職業のイメージワードとして挙げられた「夜の世界」「カリスマ」「高級感」「影」「大人」などが黒のイメージとリンクしているように思います。
画像5 「格闘家」の黒とどう違うのでしょうか。ペンタグラフを比べると「華やかさ」の高さと「親近感」の低さは共通していますが、ホストは「明るさ」の低さが目立ちます。「重さ」「強さ」というより、やはり「夜」のイメージが強いのでしょうね。
画像6 複数の「ホストをイメージした5色構成」には黒の他に共通する色がもう一つあります。赤紫〜紫系統の色です。ここは「女優」のカラーイメージと共通するところであり、「色気」「妖艶」「高級感」とリンクしているのでしょう。▶︎https://note.com/colorfulvision/n/n8a9b625c5a08
画像7 同じ「黒」でも全く違う連想から繋がるイメージがそれぞれ存在するのは面白いですね。

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