20_色彩構成の授業やってます(1)〜センスの種まき

画像1 前回、デザイン専門学校で授業している「色彩構成」の課題についてお話ししました。今回はその続きです。どういう課題かというと、予めA4サイズにコピーされた共通フォーマット(28マスの直角二等辺三角形)にトーナルカラーという学習用の色紙を切り貼りして写真にあるような「色彩構成」をするというものです。第一回目のテーマは「color composition(1)無彩色+同系色」。無彩色と好きな同系色を画面に構築していきます。
画像2 写真の左側が学生の作品です。積極的にトーンのバリエーションも作っているし、魅力のある作品ですが、右上の白の欠けと全体にややまとまりに欠ける点が気がなります。右側が私の提案です。白の欠けを左下の方に移動することで全体の形をキープしました。バラバラの色をつなげ、形としてのまとまりを出すことで画面の方向性というか印象が強くなります。ちなみに学生が選んだ色は1色も変更せず、配置を変えただけです。
画像3 モノクロ画面にすると形がわかりやすいかと思います。色彩構成は「色」だけではなく「形」についても考える必要があります。
画像4 これも同じ課題です。先程の課題と同じ画面ですが、色が変わるだけで全く違う個性が出ます。鮮やかなトーンとくすんだトーンと無彩色のバランスをデリケートに追いかけています。そのデリケートさに対してダイナミックな感じにリメイクしたのが右側です。中央に強い赤をまとめ、その強さとバランスを取るために右上の無彩色の明度を下げました。つまり2マスのみ色を変更し、他は配置を変えただけです。
画像5 画面での明暗の駆け引きは大事です。というか、色彩構成においては「肝」になる要素です。
画像6 もう一つだけお付き合いを。左が学生作品。これはこれでまとまっていると思います。右側は中央の4コマを白→黒に変更してみました。他の色は一切変更していませんが、一気にインパクトが出たかと思います。白や黒は色として忘れられやすい色なのですが、こうして見ると時としてものすごく存在感を持つ色であることがお分かりかと思います。
画像7 モノクロにしました。これはもう説明は必要ないですね。他にもまだあるのですが、また次の機会に。ややこしい色彩の話にお付き合い下さりありがとうございました♪

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