37_カラーイメージについて考える(8)〜「デザイナー」のイメージ

画像1 前回まで6回は色のイメージと色彩心理の関係について、デザイン専門学校の課題(職業とカラーイメージ)で得たデータを元に分析してきましたが、前回までは「青」「赤」「ピンク」「黒」「黄」など単色のイメージだったのに対し、今回はちょこっと寄り道して「トーン」特に「中間色」をテーマに分析します。
画像2 「中間色」はいわゆる「濁色」と言われるゾーンの色です。上の画像の中では真ん中の列。一番上の列が純色に白が混ざる明清色で、一番下は黒が混ざる暗清色です。真ん中の「中間色」は純色に灰色が混ざった色です。グラフィック系の方なら「補色どうしの中間に並ぶ色」と説明した方がわかりやすいでしょうか。それとよく間違われるのですが、「暖色でも寒色でもない緑系や紫の色」は「中性色」です。「中間色」と「中性色」は言葉が似ているのでよ〜くまちがいます。
画像3 色の濁りや渋さは中間色でしか出ないと考えています。どんなに暗くしても黒を足すだけでは濁りや渋みは出ないのです。必ず灰色が混ざる感じが大事です。
画像4 前回までと同様、学生に提示した「職業と色のイメージの関係」において、特に「赤」が多いとか「青」が多いではなく、トーンに特徴があった職業が「デザイナー」でした。鮮やかな色もありますが、他の職業イメージに比べて中間色が多く使われていました。
画像5 いつものペンタグラフにした代表的な形がこんな感じです。どこかのイメージ要素が突出するわけでもなく、バランスよく正五角形に近づいた形になっています。学生たちが出したイメージワードには「独創的」「繊細」「洗練」「多忙」「考える」「職人肌」etc.の言葉が並んでいました。少し複雑で多層的な観点だけど意外と公平にモノやコトを見ているような、そんなイメージがあるようです。デザイン専門学校の学生ゆえ、身近に先生としてのデザイナーと接する機会が多いので何か具体的な「イメージ」があるのかもしれません(!?)
画像6 中間色は全ての色の中で一番エリアが広いゾーンです。私は学生の頃から色彩に苦手意識があったのですが、色彩の使い方が上手い人は「中間色をうまく使いこなす」イメージがあります。中間色を制する人は色彩を制す!?という確信があるのです。ちなみに中間色は白と使うと上品な清潔感が生まれ、黒と使うと粋なクールさが生まれます。これは主観ではありますが、そんな気がするのです。

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