10_一滴の白、一筋の白〜ハイライトの効果

画像1 前回に引き続き、フェルメールを題材に色の話をします。
画像2 フェルメールといえば魅力的な煌めきが特徴であり、よく「光の表現」がクローズアップされます。ラピスラズリから生まれた贅沢なウルトラマリン・ブルーは色がほとんど褪せず、今もなお新鮮な輝きを保ってるのも驚きです。 このブルーは「天空の破片」のいう異名を持つ半貴石のラピスラズリから得られるウルトラマリン・ブルーという青です。 貴重な青い顔料は当然高価であったはずですが、裕福なフェルメールはそれをふんだんに使うことができたといわれています。
画像3 さらに『真珠の耳飾りの少女』の瞳や唇に入るハイライトはとても印象的です。 そこで、左はオリジナルですが、右はそのハイライトを消してみました。
画像4 ハイライトを消した方は少女の生気が失せ、一気にさびし気な表情になります。 ほんの少量の光が少女の若さや煌めき、美しさを印象づけていることがわかります。一滴の白。一筋の白。白は時に色として忘れられがちですが「色は光である」という大前提のおいて非常に重要な存在であることを忘れないように。

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