31_カラーイメージについて考える(2)〜「青」の色彩心理

画像1 デザイン専門学校の授業や社会人の色彩セミナーで10年ほどの間に集積した「色の持つイメージワード」を元にいわゆる「色彩心理」と言われるものの根拠を少しずつ探っています。
画像2 方法はシンプルで、まずは何色かの色名を提示し、学生や受講生に複数回答していただいた言葉を集計しました。膨大な数になるのでサンプル数は200名分ほどに絞っていますが、まずほぼ全員が回答した『青』のイメージワードが「空」と「海」。他に「水」「爽やか」「冷たい」「地球」などがそれに続きます。『青』は実体がない色でもあります。地球上のもので手に触れることができる「青色」のものはごく少ないということにお気づきでしょうか?
画像3 「空」も「海」も掴めるものでなく、海の水をすくっても青くはありません。遠くに離れた時に光の屈折や散乱によって青色を認識することができるのです。学生たちがまとめた<+イメージ>としてあげた言葉には「爽やかさ」「清潔さ」「冷静さ」があり、<ーイメージ>としてあげた言葉には「悲しい」「寂しい」「消極的」などがあります。「手が届かない」「温かみを感じない」といった一種の「距離感」がそういう言葉に結びつくのかもしれません。
画像4 前回、学生や受講生たちに取り組んでもらったカラーイメージの課題についてアップしましたが、「銀行員」のイメージには青色が使われていたことを覚えていらっしゃるでしょうか?よく言われる「青」の持つイメージには「冷静」「信頼」「誠実」といった言葉が挙げられ、「銀行員」の方に期待するイメージが垣間見えます。「色のイメージ」はその色から連想するモノや言葉に起因するのでしょうね。
画像5 ちなみに「銀行員」のカラーイメージで絶対出てこなかったのが「紫」や「ピンク」。「紫」は高貴さもあるのですが、妖しさや不思議さをイメージした言葉が多く、「ピンク」も幸福感や華やかさと共に下品さや甘さをイメージした言葉が並びます。ただ「ピンク」は色域が非常に広い色であり、それぞれイメージに幅を持ちます。「ピンク」についてはまた別の機会にまとめてみますので、お楽しみに。

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