13_桂離宮の色彩(2)〜おもてなしの青と白

画像1 前回に続いて桂離宮の色について。『輪奐(建物が立派で豪華な様子)の美ではなくて、材料の細心な選択とその加工とから産み出された均斉の純粋さ』 『一切の僭越を避けるのが、高貴の家柄の良風である』 桂離宮に魅せられたドイツの建築家ブルーノ・タウトは著書『ニッポン』でそう評しています。月の名所である桂に『月見』の為に造られた離宮は、その簡素でモダンな美しさで世界中の建築ファンを魅了し続けているようです。
画像2 このそっけない竹塀の内側にとんでもない「ワンダーランド」 が広がっているなんて想像できません。
画像3 前回も取り上げた青と白の加賀奉書による市松模様が印象的な『松琴亭(しょうきんてい)』。
画像4 松琴亭に続く道や、茶屋の周辺には青と白の天然石が交互に配されています。
画像5 客人たちは、その青と白の石を踏みしめながら茶屋に着き、目の前に現れた青と白の大胆な市松模様に驚いたことでしょう。 客人を驚かせ、喜ばそうとした主人の上品な茶目っ気に和まされます。
画像6 足下を照らす為の小さな灯籠も可愛いです。庭内あらゆるところに点在する、押しつけがましくなく趣味のいい演出。建物や庭の美しさだけでなく、そんなサプライズな贅沢感を与えてくれる『おもてなしの心』が多くの人々を惹き付け続けるのですね。

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